リケジョでメモ魔。そんな彼女がラジオに関わるようになったきっかけは…
null毎週月〜木曜日、朝5時から1時間の生放送『KURASEEDS』。毎日出演しているkufura編集長・サトウのまわりには、番組を支えてくれる、たくさんのスタッフがいます。
このシリーズでは、普段あまり接することのない「ラジオで働く人たち」の素顔に迫りつつ、番組のテーマに沿って、それぞれが「暮らしの中で大切にしてること”暮らしの種”」を聞いていきます! 第6回目は、アシスタントディレクターの鮫島 愛(めぐみ)さんです。
「木曜日のアシスタントディレクターをしている鮫島です。放送以外にも、番組のWEBサイトまわりの管理とか、SNS運用を担当してます」
__KURASEEDSでは、毎朝の放送を、ディレクターさんとアシスタントディレクター(AD)さんがタッグを組んで担当しています。そもそも鮫島さんがラジオの世界に関わるようになったきっかけは?
「昔から、この業界を目指していたというわけではないんです。普通に大学で理系の勉強をしていて。ただ、実家がテレビ禁止だったので、中学生くらいから自然とラジオを聴き始めていました。
地元の鹿児島はFMラジオの選択肢が少なくて、どんな番組があるかも知らず、たまたま聴いたのが、やまだひさしさんの『ラジアンリミテッド』で。ちょうどそのころ『天体観測』のリリースタイミングで、BUMP OF CHICKENが番組にゲスト出演していて……。
そういえば、中学校では放送委員もやっていたんですよ。登校時間にパッヘルベルのカノンをかけながら、アナウンスをしていました。あと、給食の時間に、リクエストを受け付けて音楽をかけていたんですけど、怖い先輩から“これをかけろ”ってガガガSPとかGOING STEADYのCDを渡されたり……。原体験っていうほどのものでもないのですが(笑)」
__中学生時代のこと、かなり詳細に覚えていますね!
「私、メモ魔なんです。それに日記もつけていて。たまに“なんでそんなことまで覚えているの”って気持ち悪がられることもありますけど(笑)」
__そんな鮫島さんは、以前は演劇の舞台に立っていたこともあるんですよね。
「はい。大学進学と同時に劇団に入って、アルバイトをしながら舞台に立っていました。それから制作系の仕事に興味をもつようになって、仕事を探していたとき、たまたまTwitterで今の会社の募集を見かけて。
ラジオ業界って、すごく募集が少ないんですよ。だから、試しに受けてみようと思ったら、面接をしてくれた人の中に、偶然、好きで聴いていた番組『ラジアンリミテッド』を担当していた方がいて。そんな縁もあって、この世界に飛び込んで、もう6年になります」
集めた数は数万枚!演劇チラシには、つくり手の魂がこもってる
null__暮らしの中の「小さな種」を見つけるという、KURASEEDSの番組テーマにちなんで、ご自身にとっての暮らしの種……自分の生活に欠かせないモノを見せていただきます。鮫島さんにとって、それはどんなものですか。
「学生時代から15年以上集め続けている演劇チラシを持ってきました。自分が見に行ったときのものだけじゃなくて、実際には見られていない公演のものも多いんです。でもチラシってそれ単体でいろいろなことを想像できるし、今となっては貴重な公演のものもあるんです。
ここにあるのはほんのごく一部。家には衣装ケース2箱と、紙袋3個分くらいありますね。正確な枚数はわからないのですが。演劇のチラシに限らず、ブックレットとか、本とかもたくさんあって、家中が紙だらけで……」
__これだけあると、保管するのも大変そう……。
「ホントに大変です。ときどき整理するために見返すんですけど、でも、その度にいろいろと発見があるんです。自分が好きだったお芝居に、共通するスタッフの方が関わっているのを見つけたりとか。
チラシって、公演が終わってしまえば、手に入れるのは難しいもの。でもそこにはつくり手さんたちの魂がこもっているんですよね。そこが、簡単には捨てられない理由かもしれません。
それに、小劇場の作品だと、台本をつくる前にチラシをつくることもあるので、実際の公演が、チラシに書いてあるあらすじと全然違っていることもあるんです。
それって、ラジオにも通じる部分があるなあ、と感じます。放送してみるまで、どんな番組になるか未知数ですし、リスナーさんからのリアクション次第で、流れが変わったりしますから」
自分のコレクションが、仕事につながったことも!
null__このコレクションが、ラジオのお仕事につながったこともあったそうですね。
「今も制作に携わっているJ-WAVEの『JUMP OVER』(毎週水曜日26:00~27:00)という番組で、2019年に『みみばしる』という舞台をやったんです。J-WAVE開局30周年の企画で、ナビゲーターの松居大悟さんが主宰する劇団『ゴジゲン』とコラボレーションして。
その会場となった下北沢の本多劇場のロビーに、『ADさめの部屋』っていうコーナーをつくってもらったんです。そこの展示の一部で、『みみばしる』に出演していたキャストのみなさんの、過去の出演作のチラシを置いたことがあります。私がチラシを集めていることは番組スタッフに知られていたので……」
__確かに、それは鮫島さんにしかできないことですね。
「『JUMP OVER』は、そういう自分の偏愛ぶりを褒めてくれる番組なんです。『みみばしる』は、ラジオのリスナーさんと一緒につくり上げた演劇なので、公演のパンフレットに、それまで番組にメールを送ってくれたリスナーさんの名前を掲載したのですが、それをまとめるお手伝いもさせてもらいました。
私がメモ魔だっていうのもあるんですが、『JUMP OVER』は4年間ずっと放送の書き起こしをしていたり、リスナーさんとの結びつきも強く感じていたりして、少し特別なものですね。
ラジオ番組ではありますが、“放送すること”だけが番組じゃない、それを、体感できているからかもしれません」
若いスタッフ自身も「SEEDS」!これからどう成長するかが楽しみ
null__ラジオのADという仕事に限らず、働くうえで、そういう愛情は大切ですよね。
「私自身、あまりラジオにとらわれず、いろいろなことに挑戦したいと思っています。もしかすると、今とは違うラジオへの関わり方があるのかなぁって思います。演劇という、まったく別の世界を見てきたからなのかもしれませんね」
__確かに、自分の好きな世界に、愛情と熱量を惜しみなく注ぎ込める鮫島さんだからこそ、つくれるものがきっとあるはず。最後に、そんな鮫島さんにとって、KURASEEDSの魅力とは?
「KURASEEDSって、ディレクターをやっているメンバーも、プロデューサーも、みんな若くて。ワイド番組で、こんな年齢構成の番組は 、あまりないと思います。誰かしら、ベテランの方がいることが多いので。
だからこそ、ディレクターだから、ADだからって、線引きがなくて、いろいろなアイディアや考えを、番組のために提案できる。スタッフがそれぞれの立場に関係なく、フラットな状態でコミュニケーションできているし、それがこの番組の魅力だと思います。
そういう意味では『KURASEEDS』って、放送内容もそうですけど、スタッフ自身もそれぞれが「SEEDS(種)」。これから先、番組がどんなふうに成長して、どんな実をつけていくのか、関わっている自分としても楽しみです」
今回登場してくれた鮫島さんが担当しているラジオ番組、J-WAVE『KURASEEDS』。朝5時からの生放送はもちろん、音声配信サービス「radiko」を使ってパソコンやスマホから、24時間視聴可能です。ぜひ一度、お試しください。
【 ラジオ番組 『KURASEEDS』(クラシーズ)】
放送局:J-WAVE(81.3FM)
放送日時:月~木曜日 AM5:00~6:00
「暮らしに役立つ」情報を中心に、一日のスタートをすこやかに、穏やかにリフトアップする番組です。ナビゲーターは、山中タイキさんと『kufura』編集長の佐藤明美。ラジオの生放送の様子は、kufuraのインスタライブで毎日生配信しています。
radikoでは番組終了後から1週間、24時間いつでも無料でお楽しみいただけます!