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ラジオによって救われた元・不登校児が目指す、「誰かのための」番組づくり【KURASEEDSをつくる人たち#4】

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スマホやPCでの作業のお供として、ラジオをはじめとした音声メディアというのは貴重な存在。『kufura』読者の中にも、ラジオを聴きながら朝時間に家事をこなしてる人、実はかなり多いんです!
……ということで、この4月より、『kufura』とJ-WAVE(81.3FM)がタッグを組んで、ラジオプログラム『KURASEEDS(クラシーズ)』をスタートしています。

仕事でもプライベートでもラジオ漬け!敏腕ディレクターの暮らしぶりとは…

毎週月〜木曜日、朝5時から1時間の生放送『KURASEEDS』。毎日出演しているkufura編集長・サトウのまわりには、番組を支えてくれる、たくさんのスタッフがいます。

このシリーズでは、普段あまり接することのない「ラジオで働く人たち」の素顔に迫りつつ、番組のテーマに沿って、それぞれが「暮らしの中で大切にしてること”暮らしの種”」を聞いていきます!4回目となる今回は、チーフディレクター、曽澤幸博さんにご登場いただきました。

「KURASEEDSで、水曜日と隔週で火曜日のディレクターをしています、曽澤幸博です。正直、kufuraさんに取り上げてもらうような、暮らしのエピソードは持ち合わせていませんが……」

__チーフディレクターとして、他のディレクターさんたちと連携しつつ、毎日の放送を緻密にチェックしてくれている曽澤さん。そもそもご自身では「暮らし」ということに、さほど目を配ったことがないそう。そんな曽澤さんがKURASEEDSに携わるようになったきっかけとは?

「KURASEEDSが立ち上がるとき、プロデューサーの小松さんから、一緒に仕事をしようと言っていただけて。でも、よくよく内容を聞いてみると、“子育て世代がメインターゲット”で、“日々の暮らしにまつわる情報を扱う”と聞いて、正直なところ、自分にはすごく遠い世界なんじゃないかって思ったんですよ」

__そうなんですね。曽澤さんが担当されている曜日は、暮らしの悩みに寄り添うテーマが多いので、意外でした。

「というのも、平日は仕事で手一杯ですし、休みの日は寝ているだけというか、休息にあてていることが多くて……。僕自身の暮らしにまつわることを番組にしても、1時間もたないと思います(笑)。

でも、J-WAVEの歴史の中でも、ここまで暮らしの情報に絞って発信するプログラムというのは、今まであまりなかったと思うので、新しいジャンルに挑戦してみたい気持ちはありました。

それに、ひと口に“暮らし”といっても、その領域はとても幅広いですよね。だから、自分が日々の中でふと気になったことや、もし自分に子どもがいたらどう思うかな、という日常の小さな引っ掛かりを、番組で取り上げるトピックとして選ぶようにしています」

不登校、そして社会人になってからの挫折…。ラジオに救われた青春時代

__暮らしの中の「小さな種」を見つけるという、KURASEEDSの番組テーマにちなんで、ご自身にとっての暮らしの種……自分の生活に欠かせないモノを見せていただきます。曽澤さんにとって、それはどんなものですか。

「ずっと愛用しているラジオとヘッドホンをもってきました。どちらも仕事でも使っているものなのですが。でも、やっぱりラジオは僕の生活に欠かせないものなので」

__昔からずっとラジオ好きだったんですか?

「そうですね。小学生のときから聞いています。中学のとき、ちょっと学校にいけなくなった時期がありまして。そのとき、たまたま聴いたラジオで、すごく胸に刺さるコトバを言っていて。そこから深夜ラジオにどっぷりハマりました。それもあって、夜に起きて、そこから夜通しラジオを聴いて、朝寝るっていう昼夜逆転の生活に。

当時、地元の長野ではニッポン放送がうまく入らなかったのですが、頑張って受信して、デーモン小暮さんの『ニッポン全国ラジベガス』とか、くりいむしちゅーの上田晋也さんの『知ってる?24時』、それから『オールナイトニッポン』を、夢中になって聴いていました。

高校ではちゃんと学校に行けるようになり、軽音楽部でバンドをやったり、それなりに充実した高校生活を送れたんです。卒業後の進路を選ぶにあたって、いちばん好きなものってなんだろうって考えたら、やっぱりラジオが好きだなって思い、この道に。

中学のとき、社会にうまくフィットできない自分を受け止めてくれたのがラジオ。そのおかげで、今の自分がいると思うんです

__なるほど。憧れでもあり、自分を救ってくれたラジオの世界で、働いてみたいと……。夢を叶えられたんですね。

「でも、この仕事についてからも挫折続きで……。毎日ミスをしては怒られてばかりで、社会人になりたてのころの記憶がないくらい。いや、ミスをする自分が悪いんですけど。慣れない生活の中で、もうダメだ、辞めたほうがいいんじゃないかって、何度も思いました。

それでもなんとかしがみついて、初めて番組の1コーナーのディレクターを任せてもらったとき、記念として買ったのが、このBOSEのヘッドフォンなんです。当時の僕からすると、ちょっと値が張るものでしたが、イヤーパッドを交換しながら、ずっと使い続けています」

__その困難から救ってくれたのも、やっぱりラジオだったんですね。

「この間も、とあるラジオ番組の中で“花から咲く花はない”っていう言葉が紹介されていて。確かに、しっかり根を張って、枝葉を伸ばして、つぼみができて、やっと花になれる。仕事をしていても、いきなりちゃんとできるはずはない。この言葉を、毎日怒られていた20歳ごろの自分に教えてあげたかったです」

聴いてくれる人の声で完成する、そんな番組を目指して

__そんな、生粋のラジオっ子だった曽澤さんが目指す番組とは?

「やっぱりラジオが好きだったぶん、学生時代とか、仕事始めたときには、“こんな番組作りたい”っていう、ある種自分本位な考えがあったんです。でもあるとき、それじゃダメだって気がつきました。

一昨年の沖縄慰霊の日に放送された『J-WAVE SELECTION GENERATION TO GENERATION ~STORIES OF OKINAWA~』で、ジョン・カビラさんのお父さまである川平朝清さんが、アメリカの放送法のお話をされる中で、「放送は一般の人々のための関心と利益、そして福祉のために行われるべきだ」という考えをご紹介していて。

それを聞いて、やっぱりラジオというのは、自分のための放送ではなくて、誰かのための放送であるべきだなと強く思ったんです」

__その気づきが、KURASEEDSの番組づくりにも活かされているんですね。

「そうですね。そのために、メッセージがひとつの方向に偏らないように、心がけています。

番組では、毎日ひとつのテーマを掘り下げています。専門家の方にご出演いただくこともあって、軸としての提案はありますけれど、それとは違う意見や考え方もとても大切だな、と思っていて。いろいろな方向の考え方も、しっかり番組の中でご紹介したい。

この間も、番組の構成とは逆の意見が寄せられて、放送でそれをご紹介したところ、ツイッターに“自分と同じ意見の人がいてよかった”という声をいただいたんです。構成をつくっているときは全然気がつかなかったけど、それを聞いて、偏ってしまっていたんだって気づかされて。

誰の中にも暮らしはあります。なので、聞いてくれたリスナーの皆さんがひとりも疎外感を感じない……そんな番組を作り続けたいですね」

 

今回登場してくれた曽澤さんが、選曲や構成を担当しているラジオ番組、J-WAVE『KURASEEDS』。朝5時からの生放送はもちろん、音声配信サービス「radiko」を使ってパソコンやスマホから、24時間視聴可能です。ぜひ一度、お試しください。

 

撮影/小林美菜子

 


【 ラジオ番組 『KURASEEDS』(クラシーズ)

放送局:J-WAVE(81.3FM)

放送日時:月~木曜日  AM5:00~6:00 

「暮らしに役立つ」情報を中心に、一日のスタートをすこやかに、穏やかにリフトアップする番組です。ナビゲーターは、山中タイキさんと『kufura』編集長の佐藤明美。ラジオの生放送の様子は、kufuraのインスタライブで毎日生配信しています。

radikoでは番組終了後から1週間、24時間いつでも無料でお楽しみいただけます!

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