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オトナの6割が「読解力不足」を実感!長文が読めない、集中が続かない…34%が年間の読書0冊

9月中旬、文化庁が発表した「令和5年度 国語に関する世論調査」の結果が大きな話題を呼びました。1カ月間の読書量について、62.6%の回答者が「1冊も本(電子書籍含む)を読まない」と回答していたからです。

読書量が減った3つの理由とは?6割の男女が「読解力不足」を実感

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冒頭の調査では、69.1%の回答者が「以前より読書量が減っている」と回答しています。

読書量が減った上位3つの理由は以下の通りでした。

  • 情報機器(スマートフォン、携帯電話)で時間がとられる
  • 仕事や勉強が忙しい
  • 視力など健康上の理由

忙しい日々のすき間時間にフィットするスマートフォン。関心のある分野の情報を手軽に収集でき、たくさんの情報を流し読み・斜め読みすることができます。見えにくい部分は拡大して読めるところも便利ですよね。

その反面、文章をじっくりと読む機会は減り、自分の読解力不足を実感する人が多いようです。

『kufura』編集部が374人の男女(20~60代)に対して行ったアンケート調査で「最近、自身の“読解力不足”を感じたことはありますか?」と質問したところ、62.0%の回答者が「よくある」「たまにある」と回答していたのです。

【自分の読解力不足を実感することはある?(回答数:374人)】

よくある・・・17.4%

たまにある・・・44.6%

ない・・・29.4%

わからない・・・8.6%

アンケート対象者に1年間の読書量についても質問しましたが、34%が「0冊」と回答。42.8%の回答者は1~5冊以下。年間10冊以上の本を読んでいる割合は23.2%と少数派でした。

それでは、回答者は、どんなときに読解力不足を実感したのでしょうか。

読解力不足を痛感した5つのシチュエーションが寄せられました。皆さんの回答をご紹介します。

1:長い文章を読めない

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まず最初に、読解する以前に「文章を最後まで読み切ることができない」という声です。

「長い文章を読む集中力がなくなってきた」(59歳男性/コンピュータ関連技術職/年間0冊)

「ニュース記事を読み飛ばしてしまい、最後までなかなか読み切れない。どんどん長い文章を読むのがつらくなっている。本など長い文章を読む習慣がなくなり、読む力が衰えてしまっていると感じている」(58歳男性/その他/年間0冊)

「子どもの学校のプリントを読むのも億劫になってきている」(49歳女性/主婦/年間0冊)

「最終的に何が言いたいのかニュースを見ていても分からないことがあり、長文を読み切るのは苦手である」(23歳女性/営業・販売/年間1冊)

「長い文章を読む気になれない。飛ばして読んで意味がわからなくてまた最初にもどったりする」(42歳女性/総務・人事・事務/年間2~3冊)

27人の回答者が「長い文章が読めなくなった」とつづっています。文章を読んで理解するには、ある程度の集中力を要しますが「集中することができない」という声も目立っていました。

2:文章がなかなか頭に入ってこない

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目で文字を追ってみるものの「内容を理解する」のに苦戦しているケースも。

「何を述べているのか頭に入ってこない」(60歳男性/会社経営・役員/年間0冊)

「以前はスッと頭に本の内容が入ってきたが、読み込まないと理解にたどり着けないとき」(44歳女性/総務・人事・事務/年間5冊)

「文字が頭に入ってこない」(60歳男性/総務・人事・事務/年間2~3冊)

文章の趣旨を理解したり、行間を読んだりすることが苦手になったという声が多く寄せられました。公私ともに忙しく、文章に入り込む余裕がない、という声もありました。

3:難しい内容の文章が読解できない

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難しいと感じた文章に苦手意識を持つ人もいました。

「内容が難しいと感じたとき、すっ飛ばして読みます」(25歳女性/営業・販売/年間0冊)

「読むほどに理解が追いつかないこと。難しく書かないでほしいです。新聞ほど読みにくいものはないです」(42歳女性/その他/年間0冊)

「ちょっとわかりにくい言い回しの内容の文章だと、何を言いたいのかわかりにくいことがある」(52歳男性/その他/年間0冊)

「日経新聞の専門記事の内容がなかなか頭に入ってこない」(68歳男性/金融関係/年間15冊)

文章の内容が理解しづらいとき、用語を調べたり、読み返したりする「手間」が生じます。そのような手間を避けて「読むのをやめる」「読み飛ばす」などの声がありました。わかりにくい言い回しや難解な単語を使う書き手を責める声も見られました。

4:1度読んだだけでは理解できないことがある

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ある程度、読書習慣がある回答者からは「1度読んだだけでは、理解できないことがある」という声がありました。

「ニュース記事をサラッと読み流してしまい、主語が誰なのかを理解しないまま記事の終盤で内容が理解できていないことに気がついたとき」(47歳男性/総務・人事・事務/年間10冊)

「速読しすぎて、結局は2度読みしてしまう」(46歳女性/主婦/年間10冊)

「自分の専門分野の記事を読んでわかった気になっていたが、再度読み返すといまひとつ理解していなかったことがあった」(56歳男性/技術職/年間2~3冊)

「斜め読み・飛ばし読みばかりしているので、いざ読もうとするとき逆に時間がかかってしまうことがあります。そのせいで、2度読み3度読みすることも」(51歳男性/会社経営・役員/年間5冊)

「小説を読むのにはまっているが、意味を理解できず同じ部分をループすることがよくあるから」(29歳女性/学生・フリーター/年間15冊)

昨今ではスピーディーに読む「速読」がよいこととされていますが、速読と精読を両立させることはできません。もし、読み返して内容を理解できているのなら、それは読解力不足とは言い切れないのかもしれません。

5:誤読することがある

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文章の趣旨や、書き手の意図を誤って解釈したことに気づいたときに「読解力不足かもしれない」と感じるという声がありました。

「予備校で教えているので、共通試験の現代文の問題を自力で解くようにしているが、たまに読解問題を間違えて恥ずかしい思いをしている」(66歳男性/教育関係/年間30冊)

「小説などを読んでいて“アレ?”と思うことがあり、さかのぼって読み返し自身の誤解に気づいた時です」(54歳男性/その他/年間20冊)

「メールやメッセージで質問の意図を読み違えて、見当違いな返答をしてしまうことがたまにある」(48歳男性/コンピュータ関連技術職/年間2~3冊)

回答者は、難解な単語、比喩表現、遠回しな表現、一文が長い文章、登場人物の多い物語などで、誤読を経験していました。

どうしたら読解力を高められる?

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以上、読解力についてのアンケートの内容をご紹介しました。

日々のニュース、仕事の資料、取引先とのメール、地域活動の連絡、マニュアル、芸能人のSNS……。日常生活には読解力が必要な場面が数多くあります。読解によって広がる可能性がある一方で、客観性を欠いた読解によって意思疎通がうまくいかなくなるケースもあります。

それでは、読解力が不足していると感じたとき、どのような取り組みをしたらいいのでしょうか。

『kufura』では、以前、読解力を伸ばす方法について国語講師の吉田裕子さんにインタビューをしたことがあります。

読解力を高める取り組みとして、こんな例をあげていました。

  • 普段触れているメディア以外から情報を取り入れる
  • 週に1回だけでも新聞を読んでみる
  • 読んだ記事をピックアップしてメモする(スマホのメモ機能でもOK)
  • 文章を要約する

インプットだけでなく、アウトプットすることで、読んだ情報や語彙が記憶にとどまりやすくなるそう。

電子書籍でも紙の書籍でも、1週間に1度、10分間だけでも「読み込む」「メモする」習慣を意識してみるといいかもしれません。

【参考】
令和5年度「国語に関する世論調査」の結果について

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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