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「文章の要点」ちゃんと見抜けてる?実践問題にチャレンジ!【大人にいま必要な読解力#2】

文章の要点を把握するスキルは、さまざまな場面で役立ちます。仕事だけでなく、地域や家庭においても、まとまった情報から要点を抽出し、相手にわかりやすく伝える場面がありますよね。

『大人に必要な読解力が正しく身につく本』の著者である国語講師の吉田裕子さんによれば、文章の“要点把握”に必要なのは“話題”と“結論”を押さえること。

今回は、読解力向上の一環として、“要点把握のコツ”についてうかがいました。

吉田さんの新刊『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)では、読解力を高めるための具体的なテクニックが網羅されています。

同著の中の要点把握の問題を紹介しながら、注意すべきポイントもお届けします。

要点把握とは?初読の際の大事なポイントとは?

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ビジネスメールや書類、最新のニュースなど“要点”を把握する際に大切なのは、「この文章が何について述べていて、どのようなことを言いたいのか」を押さえることです。

要点をおさえるための基本は“自分の主観を交えないこと”。

自分が気になったところ、気に入ったところ、気に入らなかったところに焦点を当てると、文章のテーマや核心からそれてしまいます。

自分の主張や、自分の意見と異なる細かい点にとらわれてしまったりすると、おおまかな概要を見失います。

書き手の言おうとしていることをくみ取るのが文章を読む目的であり、そのためには「主観を交えない」ことを心がけます。

文章の要点を見抜く実践問題にチャレンジ!

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それでは、要約の“腕試し”として、実践的なトレーニングが掲載されている『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)から、要点発見の問題をご紹介します。

要点発見に欠かせないのが、結論を探すこと。

以下の課題文の結論とは?

【課題文】

<黒髪の学生がリクルートスーツで集まる。そんな就職活動は過去のものになりつつある。「普段の人となりを知りたいので、私服で来てください」という面接審査はもはや珍しくない。ユニークな就活は年々広がりを見せている。1泊2日の合宿を通して、協調性やリーダーシップなどを見る選考もある。中には、リアル脱出ゲームやマージャンでの選考も。人手不足の中で何とか優秀な人材を獲得しようと、各社しのぎを削っているのだ。>

【問い:課題文の結論として最も近いものを選んでください】

A.学生の就職活動が変化しており、ゲームを通じた選考も行われている。

B.就職中の学生のリクルートスーツを着用するケースが減り、学生の個性が重要になっている。

C.人手不足の中で優秀な人材を獲得するため、各社ユニークな選考を導入している。

 

 

正解はC。

皆さんはわかりましたか?

問題文のテーマは、就職活動の選考方法についてでしたね。

前半ではユニークな就職活動について紹介されていましたが、その目的は優秀な人材を獲得するため。

具体例だけに気を取られず、まとまっている文を見極めます。例題では最後の一文が結論になっていますが、日本語の文章構成のルールはよくも悪くも柔軟で、そのため、どこに重要な主張が書いてあるのかがわかりにくい、という特性があります。

新聞の社説やコラムを例にあげても、“起承転結”の“結”の部分に結論を持ってくる文章、最初に結論を述べている文章、文中にサラっと言いたいことが書いてある文章など、いくつかのパターンがあることを心に留めておきましょう。

『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)の中には、要点把握の実践的なテクニックがたっぷり紹介されています。

「文章をまとめるのが苦手」「要点の把握ができない」という方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

次回は「読解方法の心得」について詳しくお届けします。


 

【取材協力】

吉田裕子

国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)。東京大学卒業。

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