採用の決め手になることも多い「志望理由」
null「志望理由」は、面接対策の中でも、自分のキャリアをアピールする以上に力を入れて取り組むべき項目です。なぜなら、企業の考え方によっては「キャリア」「スキル」よりも「志望理由」が採用の決め手となるケースは少なくないからです。
では、知っておきたい“心がけるポイント”についてご紹介していきます。
「自分を採用するメリット」を感じさせること
null「御社の商品が魅力的だから」
「御社は面白い取り組みをされているから」
「御社は成長していて勢いを感じるから」
――そんな風に相手企業の良いところを挙げて褒めるだけで終わってはいけません。相手が知りたいのは、「で、あなたはうちの会社にどんなメリットを与えてくれるの?」ということです。
「自分は御社に貢献できる」ということを、なるべく具体的に志望動機に織り込むよう意識してみてください。「自分がその会社でやりたいこと」=「その会社にとって利益になること」とは何かを考えてみるのです。
例を挙げてみますので、参考にしてください。
例:「御社が始めたサービス・○○がとても素晴らしいと思い、ぜひ携わりたいと思いました」だけよりも……
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「御社が始めたサービス・○○がとても素晴らしいと思い、ぜひ携わりたいと思いました。今は○○のメインターゲットは20代女性が中心かと思いますが、私は30~40代の主婦層向け商品のマーケティングを手がけた経験があるので、○○のユーザーを主婦層にまで広げたいと考えました」
例:「○年後に株式上場を目指されているとのことで、成長力に魅力を感じました」だけよりも……
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「○年後にIPOを目指されているとのことで、成長力に魅力を感じました。私は前の会社で人事制度企画に携わったことがありますが、すでに組織基盤が固まっていて思うように変革できませんでした。御社で新しい組織作りができるのはやりがいがあると思いました」
「転職理由」との整合性を持たせる
null志望動機を伝える際に注意したいのは「転職理由」との整合性です。
「○○したくて転職を決意した」と「御社は○○なので魅力を感じた」の「○○」部分がまったく異質のものだと、「目的があいまいな人」「どこかでウソをついているのでは」と思われてしまいます。
例えば、「トップに不信感を抱き、経営の先行きが不安」という本音を隠して「新しいことにチャレンジして自分を成長させたい」というポジティブな転職理由を語ったとしましょう。その後に、「どうしてうちの会社を志望したのですか?」と聞かれ、「ニーズがなくならない業種なので、長く安定して働けるところに魅力を感じました」と答えたとしたら、相手はどう思うでしょうか。
「チャレンジ精神がある人かと思ったら、安定志向なのか?」
そうした小さな違和感が引っかかり、採用を見送られる……というのは多々あることです。
面接対策マニュアルなどを参考にして、「感じのいいフレーズ」を真似してみた結果、「転職理由」と「志望動機」がちぐはぐになってしまわないよう、くれぐれも注意してください。
構成/青木典子