「代替」の意味とは?
「代替」の意味とは?“代替”の読み方は“だいたい”。本来のものではなく、他のものに代えることを意味する名詞です。
「代替する」のように動詞の形で使われるほか、他の単語と結合して用いられることも多い言葉です。
【「代替」を含む言葉の例】
・代替品
・代替エネルギー
・代替物
・代替食料品
・代替医療……etc.
「代替」の使い方の注意点は?「だいがえ」と読むこともある?
「代替」を「だいがえ」と読むこともある?“代替”の読み方は“だいたい”ですが、“大体”などの同音異義語との混同を避けるために、口頭では“だいがえ”と読むことがあります。
混同を避けるために、話し言葉の中で熟語の読み方を変える例は、他にもあります。
・会計用語の “計上(けいじょう)” との混同を避けるために“経常(けいじょう)”を“けいつね”と読む
・“科学(かがく)”との混同を避けるために“化学(かがく)”を“ばけがく”と読む
・“私立(しりつ)”との混同を避けるために、“市立(しりつ)”を“いちりつ”と読む
「代替」「置き換え」「互換」の違いは?
null“代替”と混同しやすい言葉に“置き換え”“互換”があります。少しずつ意味が異なります。
「置き換え」と「代替」の違い
“代替”が他のものに代えることであるのに対し、“置き換え”はあれとこれを取りかえて置くこと。代わりのものではなく、新しいものを配置したり、商品ラインナップに追加したりするときに“置き換え”という言葉を使います。
【例文】
・旧商品は製造終了しておりますが、置き換え商品が発売されておりますので、ご紹介いたします。
「互換」と「代替」の違い
“互換”(読み方:ごかん)は、互いに取り換えること、または取り換えがきくこと。ただ交換するだけでなく、交換可能な状態であるという意味を含みます。多くの場合“互換性”という形で使われています。
【例文】
・昨年、大ヒットした商品と互換性のあるリニューアルバージョンを発売予定です。
「代替」の例文は?
「代替」の例文は?“代替”を用いた例文をご紹介します。
・今後は連絡帳を廃止し、連絡帳アプリで代替します。
・将来的にはAIに多くの職業が代替される。
・万が一不備があった場合は同等の代替品と交換いたします。
・代替案として2案を提出します。
・代替車を用意しております。
・石油の代替エネルギーの普及を目指しています。
「代替」と類似の意味を持つ言葉は?
null続いて“代替”と類似の意味を含む言葉をご紹介します。車、人、物の“代わり”を表す言葉です。
(1)「代車」
“代車”(読み方:だいしゃ)は、自分の自動車の修理・車検中に代わりに使う自動車のこと。
【例文】
・車検中なので、代車を運転しています。
(2)「代理人」
“代理人”(読み方:だいりにん)は、本人に代わって意思表示をする人。
【例文】
・お子さまの代理人として保護者の方がサインをしてください。
(3)「代用品」
「あるものの代わりに使う別のもの」をさす。
【例文】
・ベーキングパウダーを切らしてしまったので、代用品として食用の重曹を使って蒸しパンを作った。
以上、今回は国語講師の吉田裕子さんに“代替”の意味や使い方の注意点を解説していただきました。
さまざまな場面で頻繁に使われている言葉ですので、使い方を覚えておきましょう。
取材・文/北川和子
国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)、『見るだけ・聴くだけで語彙力アップ デキる大人の話し方』(主婦の友インフォス)。東京大学卒業。