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「台風一家」ではありません!「台風一過」の意味と使い方は?【間違いやすい日本語#12】

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台風シーズンになると、天気予報で“台風一過”という言葉を耳にする機会があります。今回は“台風一過”の意味や注意点についてお届けします。

解説していただいたのは、『印象が飛躍的にアップする 大人の「言い方」練習帳』(総合法令出版)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。

「台風一過」の意味とは?

台風一過”(読み方:たいふういっか)は、台風が過ぎ去ること。台風が過ぎ去った後には上天気になることから、台風後の天気を指して「台風一過の青空が広がる」というような形で使われています。

また、比喩的に、大きな問題が決着した後の、晴れ晴れとした状態・心境のことを“台風一過”という言葉で表すこともあります。

台風一過の「一過」って何?

“台風一過”の“一過”は、一度に通過すること。さっと通り過ぎること。一時的な現象や症状を表します。

「台風一過」の使い方の注意点は? よくある間違いは?

“台風一過”は、漢字表記を間違いやすい四字熟語です。

【よくある間違い例】

・台風一家
・台風一下
・台風一花
・台風一価
・台風一荷
・台風一カ
・台風一顆

天気予報などで“たいふういっか”という音を耳にしたことがあると思いますが、漢字表記も覚えておきましょう。

「台風一過」の例文は?

続いて“台風一過”の例文をご紹介します。

・台風が過ぎ去り、雲ひとつない晴天になった。まさに台風一過だ。

台風一過の関東地方では、熱中症警戒アラートが発令されています。

台風一過で急に秋の気配がしてきましたね。

・孫が帰ったあとは台風一過のような静けさでした。

・さまざまな人を巻き込んだ一大プロジェクトを終え、部内は台風一過のような落ち着きを取り戻した。

「台風一過」の関連語は?

“台風一過”の同義語や類語はありませんが、類似の意味を含む言葉をご紹介します。

(1)「雨過天晴」(うかてんせい)

“雨過天晴”(読み方:うかてんせい)は、文字通り、雨が過ぎ去って空が晴れわたること。比喩的にトラブルの後に自体が好転することを指すこともあります。日常会話ではあまり使われず、おもに書き言葉で使われる表現です。

【例文】

・経営面では過酷な条件が重なっているが、雨過天晴となるよう努めたい。

(2)「雨降って地固まる」

雨によって基礎が固まることから、争いごとやトラブルの後に、かえって物事がうまくいくことの例え。

【例文】

・協力して困難な状況を乗り越えたことで、部員の結束が強まりました。まさに「雨降って地固まる」という感じです。

(3)「嵐のような……」

“嵐”は暴風雨という意味がありますが、平穏を妨げるもの、安定を乱す現象などを指すことがあります。

【例文】

嵐のような日々が過ぎ去り、現在は穏やかな毎日を送っています。

 

今回は、国語講師の吉田裕子さんに“台風一過”という言葉について解説していただきました。

パソコンやスマートフォンで漢字に変換する際には、表記に注意してくださいね。

 

取材・文/北川和子

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プロフィール

吉田裕子
吉田裕子

国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)。東京大学卒業。

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