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会場入口にはりゅうのボリスが! シリーズ3作目『エルマーと16ぴきのりゅう』の表紙さながらに、ボリスと抱き合って写真が撮れますよ。(※触れるのはOK、乗る・またがるといった体重をかける行為はNG)
この展覧会は、1963年に翻訳出版されてから今年で60周年になる「エルマーのぼうけん」シリーズ(全3冊)の世界を、主人公の少年・エルマーになりきって冒険できるというもの。
作者のルース・スタイルス・ガネットはもともと作家だったわけではなく、22歳のときにスキー場でアルバイトしながらこの物語を書いたというから驚きです。
充実した展示には、細部のあしらいや音響に至るまでいろんなこだわりが詰まっており、なかには意識せずに通り過ぎてしまいそうなものも……。そこでこの記事では、「行く前に知っておくとさらに楽しめるポイント」を7つご紹介します。
1:作品を未読でも楽しめる!知っていると2倍楽しい!!
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会場のなかは、体を動かして体験する要素と、眺めて楽しむ原画の展示が入り交じった構成。まずは木の橋のような細い道を進みながら、1作目『エルマーのぼうけん』の世界を追体験! のらねこに出会ってりゅうのことを教えられ、1人で船に乗り込み、「どうぶつ島」のジャングルへ……。
作品を読んだことがなくても、冒険のわくわく感が十分に味わえるようなつくりになっているので安心。(会場を出る頃には、きっと「エルマーのぼうけん」シリーズを読みたくなっているはず!)もちろん、小さなお子さんと一緒でも大丈夫ですよ。
できれば事前にシリーズ3作品を読んでから行くと、「これはどうぶつ島の地図だ」「ねずみに見つからないようにしなくっちゃ!」と、より臨場感ある冒険が楽しめます。
2:わにの背中は乗ってOK!ジャンプしながら川を渡ろう
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進んでいくなかで登場するこちらのわには、背中に乗ってOK! 作中のエルマーも、わにたちの背中を渡って川を越え、りゅうのボリスが待つ向こう岸に行きましたね。
わにの背はぶよぶよしていて、上手に渡るのにコツが必要。バランスゲームのようで何度も渡りたくなります。
3:増えていくみかんの皮…そのわけは?
null会場の奥へ進んでいくと、紙でできたみかんの皮が落ちている空間が。これは作中でエルマーがボリスを救い出したあと、2人でみかんを食べる(=中身をエルマーが食べ、皮をボリスが食べる)シーンをモチーフにしています。
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実はこの皮、会期中だんだんと増えていくんです。その秘密は、PLAY! MUSEUMと同じ建物内にある、子どものための屋内広場「PLAY! PARK」(※入場には別途料金がかかります)との連動企画! 月に2回限定で「みかんを持って、美術館へ冒険にいこう」と題したワークショップ&ミュージアムツアーをしているんです。
紙製のみかんを持って行き、食べたあとの皮を置いてくるので、少しずつ皮が増えていくんですね。こちらのイベントは要事前予約なので、気になる方は早めのチェックをおすすめします。
4:原画の飾り方にも発見が!
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会場内のあちこちに飾られた原画は、その数なんと約130点! 絵を描いているのは、作者の義理の母(お父さんの再婚相手)にあたるルース・クリスマン・ガネット。鉛筆で描かれた挿絵1つ1つが、細部までとても丁寧に描き込まれていて見とれてしまいます。
絵には作中のテキストが添えられているのですが、そこに何やら見慣れないものが……? 実は、小枝やチューインガムなど、物語に登場するモチーフがこんなところにも使われているんです。なんだか、自分もエルマーたちの世界に入り込んだような気持ちになりますね。
5:ビジュアルだけじゃない!音や風にも注目です
null今回の展示は、眺めて楽しむさまざまなしかけに加えて、音や風、光の変化なども注目ポイント。
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例えば3作目『エルマーと16ぴきのりゅう』に登場するこちらの「そらいろこうげん」では、耳をすますとボリスが空を飛ぶ羽の音が! なんと『オーディオテクニカ』全面協力のもと、映画やテレビドラマの音響効果制作も手がけるサウンドデザイナーが演出を担当しているんだそう。
目で見て、体を動かして、耳をすまして……、一般的な美術展とはひと味違った、奥行きの広い世界観に驚かされます。
6:タッチパッドとレコード!…何が起こる?
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ボリスの家族たちを助け出すどうくつのシーンも再現! 薄暗い空間に、たくさんのりゅうたちと一緒に置かれているのは……何やらカラフルなタッチパッドと、レコードプレイヤー!?
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カラフルなボタンを押すとさまざまな音がして、それに呼応して照明がピカピカ! これは子どもも夢中になりそう。そして、ボタンをまんべんなくたくさん押すと、あるしかけが……! この先は、会場でお楽しみください。
(原作を読んだことがある方なら、これが何をイメージしたしかけかもわかるはず!)
7:時間をとってゆっくりしたい「ぼうけん図書館」
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充実した展示の最後には、古今東西の“ぼうけん”をテーマにした本を集めた「ぼうけん図書館」が開館! 低めの台に、何冊もの本が重なって置かれていて、なんだか図書館というより自宅の机で読書しているような気楽さがあります。
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壁にずらりと並んでいるのは、絵本作家・書店員・学者・スポーツ選手など、各界の著名人100人が推薦した“冒険の書”。もちろん、手に取って読むこともできます。
おすすめ理由も本のジャンルもさまざまで、これがとっても面白い! 100人分の「これぞ!」という1冊が並んでいて、気になるものばかりなのですが、ちょっとやそっとじゃ全部チェックしきれません。
親子でゆっくり読書時間を楽しむためにも、時間に余裕を持って来館することをおすすめします。
そして、会場を出た先には、可愛いグッズがいっぱいのミュージアムショップが! こちらも見どころが多すぎて書ききれないので、また別の記事で詳しくご紹介します。
会期は10月1日(日)までで、その後、全国数会場を巡回予定。夏休みのお出かけにぴったりの「エルマーのぼうけん」展、ぜひ親子で体験しにきてくださいね!
【開催情報】
「エルマーのぼうけん」展
期間:
開催中~2023年10月1日(日)
※開催期間中無休
※PLAY! MUSEUMの会期終了後、2024年夏頃まで全国数会場を巡回予定
会場:
PLAY! MUSEUM(東京・立川)
〒190-0014 東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟2階
時間:
10:00~18:00
※最終入場は17:30まで
料金:
一般1,800円、大学生1,200円、高校生1,000円、中・小学生600円(すべて税込)
※未就学児は入場無料
※立川市在住・在学者割引、障害者割引あり
※当日券で入場できます。休日および混雑が予想される日は日付指定券(オンラインチケット)がおすすめです
詳細やチケットの購入については、公式サイトをご確認ください。
![](https://kufura.jp/wp-content/uploads/2023/07/IMG_7649-1440x1080.jpg)
『エルマーのぼうけん』(1963)
『エルマーとりゅう』(1964)
『エルマーと16ぴきのりゅう』(1965)
さく/ルース・スタイルス・ガネット
え/ルース・クリスマン・ガネット
やく/わたなべ しげお
9歳の少年・エルマーと、りゅうの子ども・ボリスの冒険物語。さまざまな困難に出遭うたび、エルマーは自分の手元の道具や知恵を使い、機転をきかせて乗り越えていきます。
1948年から51年にかけてアメリカで出版され、日本では累計700万部を超えるベストセラーとして愛されています。
![編集部・関口](https://kufura.jp/wp-content/uploads/2022/11/MicrosoftTeams-image-117.jpg)
音楽&絵本&甘いものが大好きな、一児の父。文具や猫もとても好き。子育てをするなかで、新しいコトやモノに出会えるのが最近の楽しみ。少女まんがや幼児雑誌の編集を経て、2022年秋から『kufura』に。3歳の息子は、シルバニアファミリーとプラレールを溺愛中。