【リビング編】「浮かせる収納」で掃除が劇的にラクに!
null「以前は、床に物が置いてあると、それを片付けるところから掃除を始めなければならず、掃除機をかける前から億劫になっていました」と、矢澤さん。
そこで、パッとストレスなく床掃除を始められたら、もっと毎日の掃除がラクになるかも?と考え、それなら初めからできるだけ床に物を置かずに浮かせてしまおう!と、「浮かせる収納」を始めたそうです。
矢澤さんのお宅を細かく見ていくと、あらゆるところに暮らしをラクにするアイディアが詰まっていて驚きます。その中でも、今回は「浮かせる収納」に注目して、掃除をラクに快適にするワザばかりを集めてみました。早速、解説していきましょう!
◆コンセントタップは、マジックテープで貼って浮かせる
まず、驚いたのはコンセントタップ。裏にはマジックテープが付いていて、壁にペタッと張り付く仕様になっています。
「特にコード類は床に置くとホコリが溜まってしまい、掃除する度にイライラしていたんです。そこで、できるだけ壁にくっつけて浮かせてみたら、床がスッキリ! これだけで掃除機をかけるストレスがなくなり、掃除がグンとラクになりました」(以下「」内、矢澤さん)
◆掃除道具は、テレビの裏に吊って浮かせる。
掃除道具はリビングの見えない所に吊るしておくことで、いつでもサッとこまめに掃除できるようになったそう。矢澤さんが掃除道具を吊るしていたのは、なんとテレビの裏でした!
「テレビの裏に吊るせば、普段はテレビに隠れて掃除道具が見えず、目隠しできるので気に入っています。このように、死角となる場所に上手に収納できると気持ちいいですよね。
今では、掃除道具がテレビの裏にあることを家族も知っているので、使ったら必ずここに戻してくれます。みんなが使ってあちこちに置いてしまい、迷子になることもなくなりました」
◆観葉植物は、キャスターに乗せて浮かせる。
重量のある大きな観葉植物は、ダイソーで購入したキャスターに乗せて動かせる仕組みに。以前は重くて動かせず、その周りだけ掃除をさぼってホコリが溜まっていたそう。
「これなら女性でも軽い力で簡単に動かせるので、観葉植物の周りの床掃除がとってもラクになりました。今は、いつもピカピカで気持ちいいです」
重い場合はキャスターなどを賢く利用して、「浮かせる」だけではなく、簡単に「動かせる」ようにするのも、ひとつのワザですね。
【お風呂編】石けんやボトルを浮かせて、ヌルつきを防止!
null次は、浴室を拝見すると、ここでもビックリ! シャンプーのボトル、洗い桶、石けん、掃除道具まで、浴室のアイテムはぜ〜んぶ「浮いて」いました。床にまったく物が置かれていないバスルーム、確かにとっても掃除がしやすそう!
「以前は床や棚に置いていたのですが、それがカビやヌメリの原因に……。掃除するのも面倒で、どうにかできないかと考えていた時に、浴室の壁にマグネットが付くことを知り、衝撃を受けました。それからは、お風呂で使えるマグネットの付いた便利グッズを探して、できるだけ浮かせるように。初めから床に置かなければ水と接触しにくくなるので、悩みの種だったヌルヌル汚れが減って、お風呂掃除が驚くほどラクになりました!」
浴室のイヤ〜な水垢やカビ汚れは、そもそも発生する環境をできるだけ作らない。それが結果として、掃除の手間を省くことにつながるんですね。
◆石けんは、マグネットホルダーで浮かせる。
矢澤さん宅の浮かせる収納の中でも、特に驚いたのは「石けん」。石けん自体にマグネットを埋め込み、付属のホルダーにピタッとくっつけることで、磁石とは無縁と思っていた石けんまでも浮かせることができるんです。
「これは、ケイオミラクルの『マグネット石けんホルダー』という便利アイテム。ネットで見つけて即買いしました。ケースに入れた石けんが溶けてヌルヌルするのがイヤだったのですが、これならすぐに乾くのでいつもサラサラ。石けんも長持ちします」
石けんを受ける側のシルバーのホルダーを壁に貼り、石けんに付属のマグネットを埋め込めば、ホルダーにピタッとくっつく仕様に。シルバー部分はまるで水道の蛇口のようで、浴室に自然と馴染むデザイン。もともと備え付けのものかと思うほど、シンプルで違和感がありません。
◆シャンプーボトルは、マグネット付きのボトルに詰め替えて浮かせる。
シャンプー類のボトルの底に、水垢やヌルヌル汚れが溜まって悩んでいる人も多いのではないでしょうか。この悩みは、マグネット付きのボトルに詰め替えることで解消できます。
「モノトーンのボトルを選べば浴室の雰囲気にも自然とマッチ。壁にピタッと簡単にくっつけられて、これで浴室の床掃除のストレスが随分と減りました」
◆浴槽のふた、洗い桶、掃除道具もすべてマグネットで浮かせる。
他にも、浴槽のふた、洗い桶、掃除道具なども、すべて賢く浮かせている矢澤さん。浮かせ方は、マグネット付きの便利なアイテムを使用するのが基本です。
「浴室で使えるマグネット付きのアイテムは、インターネットで探すと結構たくさん出てきます。底面にマグネットが付いている洗い桶もあって、水切れもよく気に入っています。マグネット付きタオルホルダーには、タオルではなく、お風呂の掃除道具を掛けているのですが、引っ掛けるだけなので、サッとお掃除できてとっても便利ですよ」
◆洗濯機周りもマグネット収納でスッキリ!
実は、洗濯機にもマグネットがくっつくので、矢澤さんは衣類の洗剤やタオルなどもマグネットを使った収納をしていました。
「衣類の洗剤はマグネット付きのボトルに詰め替えて、洗濯機にくっつけて、洗濯機の横の狭いデッドスペースをうまく利用しています。マグネット収納の良いところは、位置を自由自在に変えられるところ。おかげで、家族みんなが使いやすい場所に収納できるんです」
【DIY編】手作り収納でデッドスペースを賢く利用。
nullさらに矢澤さんは、戸棚の内側、テーブルの下、テレビの裏など、死角となっている場所を上手に活かして収納するのがとっても得意。もし、その場所に収納できない時は、100円ショップやホームセンターで見つけたアイテムを上手に組み合わせて、自分で浮かせる収納アイテムをDIYしています。
「生活感が出てしまうのがイヤなので、普段は隠しておきながら、使う時はサッと使える。そんな収納が理想です。収納スペースがなければ、自分で作ってしまえばいい。どうしたら便利かなって工夫するのも楽しいですよ」
◆コーヒーカプセルは、壁掛け収納スペースをDIY。
コーヒーカプセルで作るコーヒーメーカーが人気ですが、コーヒーカプセルの収納って結構かさばりますよね。矢澤さんはキッチンの戸棚の内側に、自分で壁掛け収納を作ってデッドスペースを上手に活用していました。
「ホームセンターで見つけたジョイント材をカッターで好きな長さに切って、コーヒーカプセルの幅に合わせて両面テープで戸棚の内側に貼りました。レールのようになるので、ここにスライドさせてコーヒーカプセルを収納しています。これならカプセルの置き場所に困らず、スッキリ分類できて、在庫の数も一目瞭然。普段は戸棚の内側にあるので、外から見えずにスマートです」
◆リモコンは、テーブルの裏にマジックテープで貼って浮かせる。
テレビやエアコンのリモコンは、家族みんなが使うので、どこに行ったか分からなくなりがち。矢澤さんのお宅では、リモコンの置き場所は、なんとテーブルの裏でした!
「リモコンはテーブルの上に出しっ放しだと掃除もしにくいうえ、生活感も出てしまいます。これならテーブルの裏にリモコンを隠せて、普段は目隠しの効果も。家族みんながテーブルの裏に戻してくれるので、リモコンが迷子にならなくなりました」
作り方はとっても簡単。リモコンとテーブルの裏にマジックテープを貼って、ピタッとくっつけるだけでOKです。
◆小物類は、手作りの引き出しに入れて浮かせる。
矢澤さん宅のリビングのテーブルの裏を拝見すると、リモコンと一緒に「引き出し」も付いていました。実はこの引き出しも自分でDIYしたそう!
「テーブルの上に出しっ放しになっているこまごました小物類をサッとしまうのに、テーブルの裏に小さい引き出しがあったら便利だなと思いつきました。自分で引き出しを付けたおかげで、ハサミやペンがテーブルの上に出しっ放しになることが減って、掃除が快適になりました。普段、テーブルの裏に隠せるところも気に入っています」
手作りの引き出しは、100円ショップで見つけた溝の入った木の棒を、テーブルの裏に2本平行に付けて、そのレール部分に白いケースをはめ込んでスライドする仕様に。どれも100円ショップやホームセンターなどで見つけたものを工夫して組み合わせて作るのも、矢澤さんならではの収納DIYの特徴ですね。
「家族の動線」を考えて収納の仕組みを作ろう!
null最後に、独自の発想でユニークな収納法を持つ矢澤さんに、「浮かせる収納」のコツを聞いてみました。
「今までは、床の上を片付けてから掃除をするから面倒でしたが、「浮かせる収納」にしたら、掃除機をかけるのが苦じゃなくなり、以前よりもこまめに掃除をするようになりました。
私は基本、モノトーンで統一する収納を心掛けていて、できるだけ生活感を出さずに、使いやすいのが私の理想。なので、できるだけ物は出しっ放しにしないで普段は隠しておいて、使いたい時に探さなくてもサッと取り出せる、そんな収納をいつも考えています。
家族で生活しているので、私ひとりではなく、家族の動線も考えて収納の仕組みを作ることも大切です。家族の助けを借りられたら、もっと部屋が片付けやすくなり、居心地のいい空間が作れるはず。例えば、テーブルの裏のリモコン置き場など、いつの間にか自然とみんなの習慣になって、キレイな状態をキープできるようになりました」
掃除の手間を省くために考えた「浮かせる収納」ですが、気付けば、家族の習慣へと結びついたテクもあり、結果として、家族みんなで整った部屋を保てるようになったそう。まずひとつ「浮かせるテク」を始めてみることで、連鎖的に心地よい住まい作りへとつながっていくかもしれません。ぜひ、矢澤さんの収納テクを参考に、自分ならではの快適な空間を作ってみてくださいね。
【取材協力】
矢澤茜
整理収納アドバイザー。インテリアコーディネーター。神奈川県厚木市で夫、子供2人と暮らす。「おうちも心もシンプルに」をテーマに、スッキリと見せる効率的な整理収納やインテリアコーディネートのコツを教える。ブログ『A+organize』https://ameblo.jp/a-organize/、インスタグラム@a.organizeが人気。
取材・文/岸綾香