もちもち生地に好きな具材を包んでみて!
nullポリ袋でこねてフライパンで焼くだけで完成する沼津さんのベーシックな55分パンは、パン作りのハードルがグンと下がる嬉しいレシピ。もちろんプレーンでも美味しいのですが、今回は具材を包んでボリュームアップ!
「今回は大人も子どもも大好きな鉄板の組み合わせ、ウインナー&チーズを包んでみました。熱々のうちにちぎって食べれば、チーズがトロ〜リととろける美味しさ。ひと口サイズで朝ごはんにもぴったりですよ!」(以下「」内、沼津さん)
具材入りだとますます美味しそうですね! 早速、作り方をチェックしてみましょう。
【材料】(6個分/直径14cmのフライパンを使用)
強力粉・・・100g
砂糖・・小さじ1強(5g)
塩・・・小さじ1/4弱(1g)
温めた牛乳(40℃くらい)・・・60g
オリーブオイル・・・小さじ1強(5g)
ドライイースト・・・小さじ1/3(1g)
ピザ用チーズ・・・40g
ウインナー(3〜4等分に切る)・・・3〜4本
【用意するもの】
ポリ袋・・・1枚
ちなみに、沼津さんのおすすめのポリ袋は、業務用スーパーで購入できる『ポリエチレン袋』。今回は、パン生地作りに10号サイズ(0.025×180×270mm)を使用しました。「適度な厚みがあって、使いやすい大きさ」と、沼津さんのイチオシです。
【作り方】
(1)材料を合わせる

ポリ袋に強力粉、砂糖、塩を入れて全体をなじませます。40℃くらいに温めた牛乳(600Wの電子レンジで20秒ほど温める)にオリーブオイルとドライイーストを入れ、混ぜ合わせておきます。
「牛乳は熱すぎるとイーストが活動しなくなってしまうので、40℃くらいのぬるめの温度がベストです」
粉と水分の準備がそれぞれできたら、ポリ袋に入れた粉の真ん中を目指して、混ぜ合わせた水分を一気に注いでください。
(2)ポリ袋をシャカシャカ1分振る

ポリ袋にふんわりと空気を入れつつ、すばやく口を閉じたら、親指と中指でポリ袋の両角を押さえ、1分間シャカシャカと振ります。
「空気を入れすぎると破裂しやすいので、適度に空気を入れて振ってください。思いっきり振って、水分と粉を均一になじませるのがポイントです」
これは、パン作りの“水和”させる作業。ポリ袋の表面がツルツルして、生地がスルッとはがれてきたら、上手に水和できたサインです。
(3)両手で1分もむ

次に、ポリ袋の空気を抜いて、1分間しっかりもみます。ポリ袋の中で生地が上がってきたら、下の方に移動して、しっかりもみ込んでください。
「これは、パン作りの“こねる”作業。全体をムラなくもむのがポイントです。ポリ袋を使えば、手も作業台も汚れませんよ」
(4)手をグーにして1分こねる

最後はポリ袋の下の方に生地を集め、手をグーにして、ポリ袋の口に向かって空気を出しながらしっかり押します。途中で生地が上がってきたら、生地を折り曲げて押してください。
「これは、パン作りの“たたく”作業です。しっかりと力を加えて、グルテンの力を引き出します。1分間、しっかり押したら、これでこねる作業は終了です!」
ちなみに2倍の量を作りたい場合は、ここまでの3つの工程(シャカシャカ、両手もみ、グーこね)をそれぞれ1分30秒ずつ、通常よりも長めに行ってください。倍量になっても、この後の発酵や焼き時間は通常通りでOKです。
(5)たたんで押すのを4〜5回繰り返す

ポリ袋をL字に切って開き、ポリ袋はそのまま敷いて使います。ポリ袋の上で、生地を広げ、真ん中に向かって折りたたんだら、上からギュッと生地を押しましょう。この作業を4〜5回繰り返します。
「押した後に生地がグーッと戻って弾力が出ればOK。グルテンがしっかり作られたサインです。弾力が出ない場合は、弾力が出てくるまで数回折りたたんでみてください」
(6)6等分に分ける

均等に切れるよう生地を平らにして、長方形に成形します。長方形になったら細長く半分に切ってから、さらに3等分に切り分けて、6等分にします。
(7)具材を包む

生地の中央を厚めに伸ばし、チーズ適量と、3〜4等分に切ったウインナーを3個ほどのせ、具材を押さえながら、生地のふちを閉じてしっかり包みます。残り5個もすべて同様に包んでください。
「この時、中央を厚めに伸ばしておくのがポイント。閉じる所は生地が集まって厚くなるので、中央も厚めにしておくとバランスのよいきれいな形になります。包んでいる間に生地が乾燥しないよう、残りの生地にはポリ袋をかけておくといいですよ」
具材を全部包んだら、フライパンにのせましょう。
「今回は粉100gに対して、14cmのミニフライパンを使用します。小さめのフライパンで作ると、生地を隙間なく並べることができ、きれいに焼き上がるのでおすすめですよ」
(8)35分発酵させる

パン生地を並べたフライパンにふたをして、10秒だけ強火にかけます。10秒経ったら火を止め、そのまま35分置いて発酵させましょう。IHの場合は、フライパンの側面を触って、「熱い!」と感じるくらいがちょうどよい温度。同様に10秒温めます。
「最初に少し温めることで発酵がスムーズに進みます。10秒以上加熱するとイーストが働かなくなってしまうので、きちんと10秒を守るのがポイントです。寒い時は発酵しにくくなりますが、厚手の布を巻くと温かい状態をキープできます。膨らみが足りない場合は、発酵時間を少し延ばしてくださいね」
(9)両面を計10分焼く

しっかり発酵できたら、いよいよ焼いてみましょう! まず、強火にかけて、そのまま10秒待ち、10秒経ったら弱火にして、5分焼きます。
「この強火で10秒温めるのは、オーブンでいうと“予熱”の役目があります」
5分経ったらふたを開け、ひっくり返してください。ふたをして、反対側も弱火で5分焼いてください。
(10)できあがり!

両面にきれいな焼き色がついたら完成です。早速、熱々をちぎっていただきましょう。
パンを割ってみると、中からチーズがトロ〜ッと伸びて、ウインナーが顔を出しました。ふわふわパンの中に具がぎっしり! 食べてみると外はカリッと香ばしく、中はもっちり。トロトロチーズとウインナーの塩気が絶妙です。ちょうどいいひと口サイズでペロリと食べられてしまいました。
「水ではなく牛乳で作っているので、しっとり仕上がります。具材は好きなものを入れてOK! ポテトサラダやベーコン、余った惣菜を入れておかずパンにしたり、あんこを入れてあんぱんにしたり。具材は自由自在です」
オーブンなどを使わず、家のフライパンで手軽にパンが作れるとあって、沼津さんのちぎりパンはkufuraでも大好評! ぜひ、お好きな具材で試してみてくださいね。
取材・文/岸綾香
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kufuraの連載でおなじみ、大ヒットレシピを連発している沼津りえさんの人気シリーズが書籍化しました! テーマはなんと“ごま油”! 忙しいkufura世代にこそ届けたい、ごま油があればいつもの“家ごはん”がもっと美味しく、ラクになる。そんな沼津さんの想いが詰まった一冊です。

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著/沼津りえ 1,650円(税込)小学館
料理研究家・管理栄養士の沼津りえさんによる“ごま油で「いつものごはん」をもっと楽に、もっと美味しく”するレシピ集。パパッと作れる小鉢、メインになる肉や魚のおかずからごはんや麺まで、全98レシピを掲載。

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)、『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」