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フライパンで作る「あんサンドパン」ポリ袋でこねて1時間で完成!【沼津りえの焼きたてパン#6】

kufuraでは「ちょこっと漬け」シリーズでもおなじみ、料理研究家・沼津りえさんは、パン作りの腕も一流! “ポリ袋でこねてフライパンで焼く”というお手軽さで人気のレシピ本『55分で焼きたてパン』も好評を博しています。

【沼津りえの焼きたてパン】では、こうした“お手軽”なノウハウをいかし、1時間で作れるパンレシピをkufura読者のみなさんにお届けしています。今回手作りするのは、ほっこり甘い“あんパン”! フライパンや卵焼き器で手軽にできちゃうんですよ。

包まず挟むことで、ひと口めからあんこたっぷり!

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あんパンといえば、丸い形が定番ですよね。けれど今回は包みません!

「生地の間にあんこを挟む“あんサンドパン”です。成形する手間が省ける上に手が汚れにくく、端まであんこたっぷりに仕上がりますよ」(以下「」内、沼津さん)

今回は卵焼き器で四角く焼いていきますが、もちろんフライパンで丸いあんサンドパンにしてもOKとのこと。焼くときに使うフライパンで発酵も済ませてしまうので、オーブンがなくても焼きたてパンが作れるのはうれしいですね。

“ポリ袋で3分こねるだけ”という目からうろこな生地の作り方はもちろん、意外と難しい生地を四角に伸ばす裏ワザなどもお見逃しなく!

【材料】(1個分)…約13×16cmの卵焼き器を使用(小さめ[直径18cm]のフライパンでも可)

強力粉・・・100g

塩・・・小さじ1/4弱(1g)

砂糖・・・大さじ1と1/2(約15g)

温めた牛乳(40くらい)・・・60g

ドライイースト・・・小さじ1/3(1g)

油・・・小さじ1強(5g)

市販の粒あん、または、こしあん・・・100~150g

黒炒りごま・・・適量

【用意するもの】

ポリ袋・・・1枚

ちなみに、沼津さんのおすすめのポリ袋は、業務用スーパーで購入できる『ポリエチレン袋』。今回は、パン生地作りに10号サイズ(0.025×180×270mm)を使用しました。「適度な厚みがあって、使いやすい大きさ」と、沼津さんのイチオシです。

【作り方】

(1)材料を合わせる

強力粉を入れたポリ袋に、塩と砂糖を加えて全体をなじませておきます。電子レンジで20秒ほど温めた牛乳(目安40℃ほど)に、油とドライイーストを入れて混ぜたら、先ほどのポリ袋に、混ぜ合わせた水分を一度に加えます。

「ドライイーストは完全にとけきらなくても大丈夫です。牛乳の温度が50℃以上だと、イースト菌が死んでしまい発酵できなくなってしまうので、温度には気をつけてください。また、牛乳の代わりにぬるま湯や豆乳を使っていただいてもOKです」

(2)袋をシャカシャカ1分振る

ふんわりと空気を入れつつ素早くポリ袋の口を閉じたら、親指と中指で袋の両角を押さえ、1分間シャカシャカ振ります。

「これは、パン作りでいう“水和”という作業で、粉と水分をなじませる工程になります。振りはじめはべちゃっとしていた袋の内側がつるんときれいになり、中もコロコロした状態に変化していたらバッチリ!」

(3)両手で1分揉む

次に、両手で1分間生地を揉みこみます。

「パン作りでいう“こねる”作業です。手の平や指先全体を使って、まんべんなく揉んでいきましょう。揉みこむのに多少力がいりますが、ここは頑張りどころなので1分しっかり揉み続けましょう」

(4)手をグーにして1分こねる

最後は、ポリ袋を台の上に置き、グーにした両手で上からグッと押します。途中で生地が広がってきたら、袋の中で折りたたんでください。

「これは、パン作りでいうたたく作業です。それをイメージして、パン生地を広げるように全体を均一に押していきましょう」

(5)折りたたんで伸ばすを4回くり返す

ポリ袋をL字に切って広げます。生地をポリ袋の中央方向に半分に折りたたみ、上からしっかり押さえましょう。これをあと3回繰り返します。

「生地に弾力が出てきたら、グルテンがしっかりできた証拠。弾力がまだ出ない場合は、弾力が出てくるまで数回折りたたんでください」

(6)生地を2等分して四角く伸ばす

生地を2等分にカットし、ひとつは乾燥しないようポリ袋の端に包んでおきましょう。まずは1つ麺棒で四角く伸ばしていきます。

「パン生地を四角に伸ばすのって実は難しいのですが、ポリ袋を使った裏ワザが! まず伸ばしたい大きさにポリ袋を折りたたみ、折り山に向かって麺棒で伸ばしていくと、簡単に生地を四角にすることができますよ。生地は発酵すると膨らむので、卵焼き器の大きさぴっちりに伸ばさなくても大丈夫です」

(7)卵焼き器に具を挟みながら生地を敷き、黒炒りごまをまぶす

卵焼き器に伸ばした生地を敷き、その上にあんこをのせます。あんこを広げたら、先ほどポリ袋の端に包んでおいたもう1つの生地を四角く伸ばして、あんこの上にかぶせます。かぶせた生地の表面に、黒炒りごまをたっぷりまぶして軽く押さえます。

「あんこは、はみ出して焦げないように、生地のやや内側におさめるようにするといいでしょう。また、あんこをならして厚みを均一にしておくと見栄えがよくなりますよ」

(8)35分発酵させる

卵焼き器にフタをし(フタがない場合はアルミホイルで代用)、強火で10秒だけ加熱します。IHの場合は、フライパンに触れて熱いと感じてから10秒カウントしましょう。10秒経ったら火を止め、このまま35分間発酵させます。

「強火に10秒かけるのは、保温状態にさせるためです。パンを乾燥から守り、湿度を保つためにも、必ずフタをしましょう。寒い時期は、卵焼き器に布を巻いてあげると、ほんのり温かい状態をキープできますよ」

(9)弱火で片面5分、裏返して5分焼く

発酵が終わったら、そのまま強火で10秒加熱し、そのあと弱火にしてから片面5分、裏返して5分焼いていきます。

「危ないので、裏返すときは一旦火を止めましょう」

(10)できあがり!

おいしそうに焼けていたら完成! お好みの大きさにカットして召し上がれ。

 

強力粉100gで、こんなにもインパクトのある“あんサンドパン”ができました!

食べてみると、生地は柔らかくも弾力のある食感が新感覚でクセになります! 甘いあんこに香ばしい黒炒りごまがいいアクセントになっていて、これはたっぷりまぶすのがおすすめ。

早速おうちでトライしてみましたが、生地作りから焼きまでほぼ手が汚れないのが最高! 洗い物も少なくすみましたし、パン作り初心者の私でも、およそ1時間で焼き上げることができました。

食いしん坊なのであんこをたっぷりのせたら生地からだいぶはみ出してしまったのですが、焦げることなくカリッと焼けたあんこもまたおいしくて、ちょっと得した気分に(笑)。

サイコロ上にカットすれば、おもてなしおやつにももってこいな“あんサンドパン”。ぜひおうちで焼きたてのおいしさを味わってみてくださいね。


【取材協力】

沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)、『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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