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梅おかか味の「きのこの佃煮」でごはんが進む!きのこの旨味をギュッと凝縮した常備菜【ちょこっと漬け#122】

料理研究家の沼津りえさんが、手軽に漬ける「ちょこっと漬け」を動画で楽しく紹介する連載企画。

今回はいろいろなきのこをたっぷり使った「きのこの佃煮」を紹介します。5種類のきのこを使って、旨味たっぷり! 梅おかかで味付けするので、和食にぴったりな味わいです。

好きなきのこをミックスして作ろう!

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物価高の中でも、比較的価格が安定しているきのこ類は、家計に優しいお助け食材。さらに、秋はきのこのおいしい季節。ぜひ、いろいろな種類をミックスして長持ちする常備菜を作りましょう。

「鍋をした時に余ったきのこなど、きのこは何でも混ぜてOKです。何種類か使ったほうが、旨味が増して食感も豊かになります。冷蔵で1週間持つので、まとめて作りおきしてもいいですね。ぜひ好みのきのこで試してみてください」

きのこって少量ずつ残ることも多いので、いろいろなきのこを混ぜて作れるのは嬉しいですね! 早速、作り方を見てみましょう。

【材料】(2人分)

舞茸・・・1/2株

エリンギ・・・中1本

しいたけ・・・2枚

えのきだけ・・・1/2パック

しめじ・・・1/2パック

梅干し・・・1個

削り節・・・2g程度

きび砂糖・・・大さじ1

しょうゆ・・・大さじ1

【作り方】

(1)舞茸をほぐす

今回は5種類のきのこを使うので、それぞれ紹介していきます。まず、舞茸は食べやすい大きさに手でほぐしましょう。

「今回は5種類のきのこを使いますが、全部用意するのが大変な場合は家庭にあるきのこでOK。計300gくらいになるように、3種類ほど混ぜると旨味がアップします。ぜひお好みのきのこをミックスして作ってみてください。今回は油をひかずに炒めるので、ほぐしたら直接フライパンの中に入れてしまいます」

(2)エリンギを切る

エリンギは半分の長さに切ってから縦半分に切り、薄切りにします。

「きのこは切り方によって食感も味も変わります。エリンギは特に切り方で食感が変わるきのこです。今回は全体的に形を揃えたいので縦に細長く切りますが、繊維を断つように横に切ると、帆立のようなホクッとした食感になりますよ」

(3)しいたけを切る

しいたけは石突きを切り落とし、軸ごと縦半分に切って、7〜8mm幅の薄切りにします。

「しいたけは水分が抜けやすいので、少し厚めに切りましょう」

(4)えのきだけを切る

えのきだけは石突きを切り落とし、食べやすく4等分に切ります。下部分は手でほぐしてください。

(5)しめじを切る

しめじは石突きを切り落とし、食べやすく手でほぐします。長いものは半分に切るなどして、長さを揃えてください。

「いろいろな種類のきのこを切る時は、石突きを切らなくてよいものから始めると、まな板が汚れずスムーズにカットできます」

(6)梅干しと削り節を入れ、中火にかける

きのこの入ったフライパンに、梅干しと削り節を入れ、中火にかけます。この時、梅干しはまだ潰さないのがポイント。

「梅干しの塩味がきのこに加わると、水分が早く抜けてしまいます。水分が出ると炒め上がる時間が早くなり、きのこの風味や旨味を十分に引き出せません。じっくり炒めて旨味を凝縮するために、梅干しはまだ潰さないでください。

また、油を入れると温度が高くなり、きのこに火が早く通り過ぎてしまうので、今回は油も使いません。油は使わず、塩味をすぐに入れない。これがきのこをおいしく炒めるポイントです!」

(7)香りが立つまで、そのまま加熱する

火をつけたらすぐに炒めず、きのこに触らないのもおいしく仕上げる大事なポイント。このまま中火でじっくりと旨味を引き出します。

「すぐに触ると温度が下がって水分が出やすくなります。きのこの香りが立つまではいじらずにそのまま待った方が、無駄な水分が出ず、きのこの旨味だけが抽出されます」

(8)香りが立ったらひと混ぜする

3分ほど経ったら、きのこのいい香りがしてきました。きのこの香りが立ち始めたら、ここで初めて混ぜましょう。まだ梅干しは潰さずに、ひと混ぜして、かつお節を全体になじませます。混ぜたら、きのこがしんなりするまで2分ほどそのまま待ちます。

(9)梅干しを潰す

2分ほど経ったら、さらに香りが立ち、きのこがツヤツヤになってきました! ここで初めて梅干しを潰して、梅干しの塩味をきのこに加えます。

「水分が出やすい時に調味料を入れると味が薄まってしまいますが、じっくり炒めたことで、きのこの水分がしっかり抜けて旨味だけが凝縮されているので、少ない調味料で味が決まります。

今回は、塩分約15%の自家製梅干しを使いました。市販の梅干しの塩分は商品によって様々なので、使用する梅干しの塩分に合わせて、きび砂糖としょうゆの量は調整してくださいね」

(10)きび砂糖を加える

梅干しが全体になじんだら、きび砂糖を入れ、弱めの中火で1〜2分炒めます。

「砂糖が加わると、きのこがより艶やかに。余分な水分を入れていないので、砂糖を入れると焦げやすくなるため、火を少し弱めてください」

(11)しょうゆを加える

しょうゆを回しかけ、1〜2分炒めて全体をなじませたら、火を止めてください。

「余分な水分が抜けてきのこの旨味だけが残り、調味料をグッと一気に吸い込むので、少ない調味料で味付けできます」

(12)冷蔵庫で1時間以上置く

炒め終わったら保存容器に梅干しの種ごと入れ、粗熱が取れたら、冷蔵庫で1時間以上置きます。

「そのまま食べてもおいしいのですが、漬け込んだ方がしっとりして、味がグッと染み込みます。梅干しは種ごと入れた方が、保存力が高まります。梅干しの香りが全体に広がり、日持ちもアップしますよ」

(13)できあがり!

1時間漬け込むと、きのこがしっとり! 冷蔵で1週間を目安に食べ切ってください。

熱々のごはんにのせてひと口食べると、旨味がギュッと凝縮されたきのこに、梅おかかの味付けがぴったり。これはごはんが進む味! 5種類のきのこが入っているので食感もいろいろ。きのこの旨味が複雑に重なりあっていて奥深く、噛めば噛むほど、きのこの滋味深い味が広がります。

「砂糖としょうゆではなく、シンプルに塩で味付けしてもおいしいですよ。今回は梅おかか味なので、和食との相性は抜群。炒めものに加えたり、ひき肉と炒めたり、焼き魚やハンバーグ、そばやうどんのトッピングにしても。もう何にでも使えますよ(笑)」

特に鍋の後など、いろいろなきのこが少しずつ残った時に便利そう! 梅干しによって塩味が変わるので、味見をしながら自分好みに調整するのがおいしく仕上げるポイントです。

いよいよ新米のおいしい季節、ぜひごはんにたっぷりのせて楽しんでみてください。

取材・文/岸綾香

沼津りえ
沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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