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無限「焼き餃子」は野菜たっぷりで箸が止まらぬジューシーさ!失敗しない包み方・焼き方も【沼津りえのとっておきレシピ】

kufuraの大人気連載「ちょこっと漬け」などでもおなじみの料理研究家の沼津りえさんが、「とっておきレシピ」を動画で楽しくお届け!

今回は、みんな大好きな「餃子」。でもただの餃子ではありません。なんと野菜を絞る手間いらず! だから野菜の甘味&旨味たっぷりで驚くほどジューシー! さらに失敗しない焼き方まで実況中継しちゃいます。

餃子革命!野菜を絞る手間カットで旨味アップ!

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日本人は餃子が大好き。全国各地に浜松餃子、宇都宮餃子、博多餃子などありますが、今回紹介する沼津さんが手作りする餃子を、我々kufura編集部は敬意を込めて「沼津餃子」と命名しました!

手作りの餃子っておいしいのですが、たねを作るのが面倒ですよね。特に野菜を絞る作業……手にくっつくし、ボウルも汚れるし、本当に面倒です。その点、今回の餃子はたね作りがとっても簡単。そう、なぜなら野菜を絞らないんです! でもそこには深〜いワケが。

「我が家では忙しい日にパパッと作りたいなという時こそ、餃子です。普通は野菜を切って、塩をして、水気をギュウギュウ絞って……と作りますが、その作業は一切ナシ! 刻んだ野菜に調味料を入れて混ぜ合わせ、5〜10分置いて水分が出てきたら、その野菜の水分をひき肉にたっぷり吸わせます。

せっかくの野菜の甘味と旨味が詰まったおいしいスープを絞ってしまってはもったいない! これでとってもジューシーに仕上がるんですよ。だまされたと思って作ってみて」(以下「」内、沼津さん)

「ええっ! 野菜って絞らなくてよかったの!?」と、スタッフ一同仰天! 私は餃子の野菜はもう修業のように、絞るものだとばかり思っていました……。その作り方、ぜひ知りたいです。

【材料】(4人分)

キャベツ・・・200g

ニラ・・・1/2束(50〜60g)

塩・・・小さじ1/2

こしょう・・・少量

しょうゆ・・・小さじ1

ごま油・・・大さじ2

オイスターソース・・・大さじ2

豚ひき肉・・・200g

餃子の皮・・・30〜40枚

水・・・100ml

【作り方】

(1)野菜を切る

キャベツとニラはみじん切りにします。キャベツは千切りにしてから、まな板ごと回転させてみじん切りに。ニラは半分に切って重ねるのを2回繰り返し、長さを揃えてからみじん切りにします。

「私はザクザクした食感も楽しみたいのでキャベツ派。もちろん白菜で作ってもおいしいですよ。キャベツは芯も甘くておいしいので、芯まで刻んで使います。細かく刻むと水分がたくさん出てジューシーに、粗めに刻むとザクザクした食感を楽しめるので、みじん切りの大きさは好みで調整してくださいね」

(2)野菜に調味料を入れる

ボウルに刻んだ野菜を入れ、塩、こしょう、しょうゆ、ごま油、オイスターソースを入れていきます。最大のポイントはココ! そう、野菜に調味料を入れて、水分は一滴も絞りません。

「普通はひき肉に調味料を混ぜてから、水気を絞った野菜を入れますよね。私の作り方はまったく逆で、野菜に調味料を混ぜて水分を出し、野菜から出た水分をひき肉にたっぷり吸わせます。これがおいしさの秘訣。野菜の水分が入ってジューシーに仕上がるんですよ」

よく混ぜ合わせたらそのまま5〜10分置き、野菜の水分が出てくるのを待ちましょう。

(3)豚ひき肉を混ぜる

野菜の水分がたっぷり出たら、そこへ豚ひき肉を投入! 野菜とひき肉の量は1:1が基本。指をグーパーしながら全体を混ぜ合わせ、野菜の水分をひき肉に吸わせるようにして揉み込みます。時々グルグルとかき混ぜると、ひき肉に水分が入りやすくなります。ひき肉がべタッとボウルに張り付くまで混ぜたら、餃子のたねの完成です!

「ひき肉に調味料を入れていくと味にムラができやすいのですが、これならひき肉に均一に味が入ります。野菜を絞らないので、野菜がもつ甘味と旨味、さらに栄養素も逃すことなくギュッと詰まっています」

(4)餃子の皮で包む

早速、包みましょう。餃子の皮1枚にスプーン1杯分のたねをのせ、皮の下半分のふちに水適量(分量外)を塗ります。皮を半分に折りたたみ、重ねた皮の上部の中央を指で強く押しながら、右からひだを2つ作ります。同様に左からもひだを2つ作り、キュッと押さえて形を整えたらできあがり。

「この包み方だと、餃子の底が平らになるので、ムラなくカリッときれいに焼けます。今回は35個包めました!」

(5)餃子を焼く

それでは、いよいよ焼いていきます。火をつける前に、フライパンにごま油適量(分量外)を入れ、ごま油を餃子の底でのばしながら2列に並べます。

「冷たい状態で並べてから焼くと、均一に火が入ります。丸く並べるとひっくり返すのが難しいので、私は2列に並べる派。途中で焼き色を確認しやすく、1人分ずつ盛り付けられるのでおすすめです」

餃子を並べたら中火にかけ、プチプチ音がしてきたら水を100ml入れ、ふたをして中弱火で約7分焼きます。7分経ったらふたを開け、強火にして残った水分を飛ばしましょう。

「“水100mlで7分加熱”が餃子を焼く時の黄金比。これさえ守れば、焼き名人です! 水と焼き時間は餃子の数が増えても減っても同じ。ちょうど7分経った頃に、餃子の中にしっかりと火が通り、水分が飛ぶようになっています。ガスやIHの火力は各家庭で異なるので、最初は焦げないように様子を見ながら焼き色を調整してくださいね」

(6)できあがり!

黄金色の美しい焼き色! 失敗なく焼けました。一度に食べない場合は、焼く前の状態で冷凍を。冷凍で2〜3週間保存が可能です。冷蔵で保存すると水分が出て皮が破れやすいので、すぐに焼かない場合は冷凍するのがおすすめです。

このパリッとした100点満点の焼き色……見ているだけで幸せな気持ちになりますね。早速、ひとつ頬張ると、野菜の甘味がじゅわっ! 肉というより野菜が主役! キャベツの甘味、にらの香味、ジューシーな野菜の旨味が口いっぱいに溢れます。そうか、餃子って野菜をおいしく食べるものだったんだ……と、ハッとさせられました。

にんにく不使用、肉のギトギト感もないので、全然もたれない。さっぱりと何個でも食べられる、それが「沼津餃子」のスゴイところ!

「ね! 餃子って野菜がおいしいでしょ。下味をしっかりつけてあるので、酢ラー油、酢こしょう、ゆずこしょうで食べたり、しょうゆなしでもいけますよ。ぜひ、野菜の旨味をたっぷり味わってください。トマトの角切り、えび、チーズ、大葉などを加えて味変しても楽しいですよ」

早速、家でも作ってみたところ、とにかく絞る工程がないのが、何よりうれしい! これはもはや、餃子革命。これでよかったんだ……と驚きの手軽さで、餃子を作るハードルがグンと下がりました。家族にも大好評で、40個焼いたのにペロリと完食。夫から「もう市販の餃子が食べられなくなる」という嬉しい感想まで。

さらに、沼津さんの「ちょこっと漬け」で紹介した「パクチーのごま油漬け」をかけて食べると、ヤミツキ必至の危険なおいしさ! 餃子と相性抜群なので、こちらもぜひ一緒に試してほしいです。我が家ではこの組み合わせが定番になっています。

手作り餃子はみんなで盛り上がること間違いなし。暑い夏、「沼津餃子」で乾杯してみてはいかがでしょうか?

取材・文/岸綾香

沼津りえ
沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)、『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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