トマトソースにあさりのだしを凝縮して濃厚に!
nullあさりのパスタといえば、「ボンゴレビアンコ」が王道ですが、今回はトマトソースを使った「ボンゴレロッソ」の作り方を教えてもらいました。ビアンコは白、ロッソは赤という意味があり、今回はトマト缶を使って真っ赤なソースに仕上げます。
ちなみに小野さんの「ボンゴレビアンコ」のレシピはこちら→あさりの旨味ダシで絶品!「ボンゴレビアンコ」の作り方 【プロが教える本格パスタレシピ】
「トマト缶を半量だけ使うと、残りを使うのに困りますよね。そこで今回はトマト缶を丸ごと1缶使い切れるレシピにしました。
ただし、トマト缶を1缶使うと、トマトの味が濃すぎてしまい、あさりが負けてしまいます。そこで、トマトソースの中であさりをしっかり煮出すことで、あさりのだしがギュッと詰まった旨味の効いたソースになりますよ」(以下「」内、小野さん)
確かにトマト缶って半分残ると使い切るのに悩みます。丸ごと1缶使えた方が便利ですね! 早速作り方をチェックしてみましょう。
【材料】(2人分)
にんにく・・・1片
玉ねぎ・・・1/2個
オリーブオイル・・・大さじ1
塩・・・ひとつまみ
あさり・・・300g
白ワイン・・・大さじ2
水・・・100ml
トマト缶・・・1缶(400g)
スパゲッティー(1.6mmを使用)・・・200g
ゆで汁・・・200ml
バジル・・・適量
【作り方】
(1)にんにく、玉ねぎを切る
にんにくと玉ねぎは、共に薄切りにします。
(2)玉ねぎを炒める
フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくを入れ、きつね色になるまで炒めます。にんにくがシュワシュワしてきたら弱火にし、香りが立ってきたら玉ねぎを入れます。塩を入れて中火で炒めましょう。
「玉ねぎを炒めるときは塩を入れると早くしんなりして、グッと旨味も引き出せます」
(3)あさりを蒸す
玉ねぎがしんなりしたら、砂抜きしたあさり、白ワイン、水を入れ、ふたをしてあさりの口が開くまで1〜2分ほど待ちましょう。
(4)トマト缶を加え、あさりを煮出す
あさりの口が開いたらトマト缶を入れ、トマトソースの中であさりのだしを煮出していきます。トマト缶を入れた後、缶の中に水適量(分量外)を注いで缶の中身を軽く洗い、その水もソースに加えましょう。
「今回はトマト缶を1缶使い切るのがポイント。通常だとあさりの口が開いたら一度取り出しますが、今回はあえて取り出さず、あさりのだしを煮出すことで濃厚なトマトソースに仕上げます」
(5)パスタをゆでる
パスタは表示よりも1分短めにゆでます。麺がゆで上がるまでトマトソースは中火で煮詰めておきましょう。
(6)パスタにトマトソースを吸わせる
パスタがゆで上がったらトマトソースに入れ、ゆで汁を加えてよく絡め、パスタにトマトソースをたっぷり吸わせます。
「パスタは1分短めにゆでて、ソースをしっかり吸わせてください。ソースの濃度はトロッととろみがあるくらいが◎。あさりのだしを煮出したソースをパスタが吸って麺までおいしく仕上がりますよ」
味見をして、足りなければ塩で味を調えます。今回は追加で塩ひとつまみ(分量外)を振りました。仕上げにオリーブオイル適量(分量外)をかけて絡めます。
(7)できあがり!
器に盛り、ちぎったバジルを散らしたら完成です。
食べてみると、とにかくあさりの旨味が濃厚! トマトソースの中にあさりのだしがギュッと溶け込んでいます。あさりとトマトの極上なWの旨味に、玉ねぎの甘味が加わってちょうどいいバランスに。ボンゴレビアンコとはまたひと味違ったあさりの旨味を堪能できました。
「トマト缶を1缶使うので、しっかりあさりを煮出さないとトマト味が強くなってしまいます。濃厚なソースを最後にパスタにたっぷり吸わせるのもおいしく仕上げるポイントです」
ビアンコに飽きたら、ぜひロッソにも挑戦してみてください! 新しいおいしさに出会えますよ。
取材・文/岸綾香
【取材協力】
小野宗隆
軽井沢高原野菜、提携農家の産直有機野菜、無農薬野菜などを中心に使用する洋食店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの動画『プロが教える本格パスタレシピ』も人気。