焼きそば麺で作る、ワインにも合う大人の「ナポリタン」
null大人も子どもも大好きなナポリタン。今回はパスタではなく、なんと焼きそば麺で作ります。何といっても、大量の湯を沸かしてパスタをゆでる手間がないのがうれしい限り。さらに隠し味にカレー粉、しょうゆ、バター、トマトペーストを使うので、濃厚で深みのある味わいに仕上がるんです。
【材料】(1人分)
焼きそば用の麺・・・1玉
ピーマン・・・1個
玉ねぎ・・・1/8個
鶏もも肉(角切り)・・・70g
コーン(缶詰)・・・大さじ2
白ワイン(辛口)・・大さじ2
バター・・・15g
カレー粉・・・小さじ1/2
トマトペースト・・・大さじ2
しょうゆ・・・小さじ1
塩・・・少量
こしょう・・・少量
※麺は市販の焼きそば用のものを使います。
※市販のトマトペーストを使います。今回は甘みのある完熟トマトを6倍に濃縮したもので、煮込み料理のコク出しなどにも最適です。なければ、トマトケチャップでOKです。
【作り方】
(1)ピーマンはヘタと種を取り除き、輪切りにする。
「ピーマンは面倒なら手で裂いてもよし。手で裂くとワイルドな仕上がりに」(以下「」内、スヌ子さん)
(2)玉ねぎは皮をむいて、薄切りにする。
「他にも、きのこ類など、好みの野菜や余っている野菜を入れてもいいですよ」
(3)鶏もも肉は角切りにしたものを使う。
今回、鶏もも肉はスーパーで売っている親子丼用などの角切りにしてあるものを使います。普通の鶏もも肉を使う場合は、食べやすい大きさの角切りにしてください。
(4)麺を600Wの電子レンジで約30秒加熱する。このひと手間で、麺をほぐしやすくなる。
「そのまま麺を使うとブチブチ切れやすいので、最初に600Wの電子レンジで約30秒加熱します。麺はその袋ごとレンジに入れて大丈夫。このひと手間で麺がほぐれやすくなります」
(5)フライパンに鶏肉を入れる。この時、フライパンは冷たいままでOK。鶏肉に塩、こしょうをしっかり振る。
「フライパンを熱してしまうと焦ってしまうので、まだ火はつけなくて大丈夫。鶏肉の生臭さを取るために、塩、こしょうはしっかり利かせましょう」
(6)辛口の白ワインをかける。
「白ワインは必ず辛口のものを使ってください。白ワインがなければ日本酒でもよいのですが、今回は白ワインの方が風味よく仕上がります。鶏肉がワインで蒸されて、ワンランクアップした味になりますよ」
(7)火をつけて、シューッと音がしてきたら、ふたをして弱火にする。
「お肉は強火で炒めると硬くなってしまうので、フライパンが温まるまでは強火で、シューッと音がしてフライパンが温まったら火を弱めてください。ふたをしてじっくり蒸し焼きにして、旨味を凝縮させましょう」
(8)鶏肉が白っぽくなったら火を強くして、バター、カレー粉、玉ねぎを入れる。
ふたに蒸気が付いて、鶏肉の表面が白っぽくなったら、ふたを外して火を強めます。
「バターが苦手な人はオリーブオイルでもOKです。カレー粉は辛味が強めなので、子どもが食べる場合や辛いのが苦手な人は控えめに調整してください。カレー粉をバターで炒めるとスパイシーな香りが立ち始めますよ」
(9)玉ねぎがしんなりしたら、温めた麺、コーン、ピーマンを入れて、優しく炒める。
「カレーが溶け込んだバターを麺に染み込ませるようにして炒めます。火が強い場合は焦げないように調節を。麺がほぐれにくい場合は、バターを足して」
(10)トマトペーストとしょうゆを入れる。
「野菜や肉は調味料を吸いやすいので、調味料は麺の上にかけましょう。トマトの旨味が濃縮されたトマトペーストを使うと、濃厚なコクが出て本格的な味になります。子ども用にはトマトケチャップで作ってもいいですね」
(11)先に麺を器に盛り、具材をのせる。バターをトッピングしたら、できあがり!
「お好みでバターをトッピングして。バターが溶けたところが、またおいしいですよ」
早速試食してみると、まさに「濃厚なナポリタン」でスタッフ一同びっくり。バターが利いているからか、ほのかにチーズのような味がして、後から隠し味のスパイシーなカレーの風味が追いかけてきます。中華麺で作るので、縮れた麺にソースがしっかり絡んで、パスタよりも濃厚な味に感じるほど。ちょっとピリ辛味のナポリタンは、お酒が進むおつまみにもぴったりです。
「カレーの風味を利かせて旨味を深くしているので、これはワインにもマッチするまさに大人のナポリタン。お子さんも食べる場合は、辛さを調節してくださいね」
いかがでしたか? 焼きそばにもナポリタンが合うとは驚きですね。そして、パスタをゆでる手間がないので、食べたい時にパパッと作れるのもうれしい!
次回は、納豆をたっぷり使った「焦がし納豆焼きそば」をご紹介します。
【取材協力】
稲葉ゆきえ
料理家。スヌーピーが大好きで、自身の顔も似ているため、「スヌ子さん」の愛称で親しまれる。雑誌編集者時代、育児休暇中に始めた料理ブログで独創的なアイディアレシピを紹介して人気に。2009年に自宅で料理教室をスタートし、翌年には東京都・日本橋に『ギャラリーキッチンKIWI』を開設。2011年に16年勤めた出版社を退社し、料理家として独立。現在、料理教室はいつも満席で、2児の母として、雑誌編集者、ワーキングマザーの視点を生かした新しいおうちごはんのあり方を提案する。著書に『酔いどれスヌ子の麗しごはん 賢い手抜きで「センスがいいね」とほめられる111皿』(小学館刊)など。
取材・文/岸綾香