縦つっぱり棒は初心者にオススメ?
null今回は、日本で初めて“つっぱり棒”を開発した『平安伸銅工業』の三代目代表取締役であり、“つっぱり棒博士”として知られる竹内香予子さんと、『平安伸銅工業』広報の漆原渚月さんにお話を伺いました。
横につっぱる印象が強いつっぱり棒ですが、最近では縦方向に使えるように作られたつっぱり棒も多数開発されています。縦つっぱり棒は、少しのスペースしか必要としない上に、インテリアとして使えたりなど活用方は多いのだとか。
さらに、実は縦に使うつっぱり棒は、重力に逆らう横使いよりも初心者向けだと言います。
「横に使う場合は長さによって耐荷重が変わったり、長すぎるとつっぱるのに一人では手が足りない場合もあります」(漆原さん)
横つっぱり棒は、長くなるほどに強度は低くなります。
「例えば75〜120センチの取り付け幅の製品の場合、75センチの時は50キロ、120センチで取り付けた場合は30キロと、最大荷重が変化します」(竹内さん)
縦つっぱり棒には、そのような伸縮幅での強度変化がないため、ユーザーの“うっかり耐荷重オーバー”を回避しやすいところがあります。最初から「〇キロまでしか物は置けない」とわかっていれば、安心ですよね。

縦使いのつっぱり棒の魅力と活用方
null横つっぱり棒は、1本使いでは服などを吊るしたり、2本取り付けた場合はトイレットペーパーやタオルなどをストックしたり、というのが主な使い方です。
そして、釘などを使わずつっぱるだけで設置できるので壁を傷つけず、賃貸でも使えることも大きなポイントですよね。
縦つっぱり棒には横つっぱり棒とは違う、どのような魅力があるのでしょうか?
「縦つっぱり棒の魅力は、少ない床面積でも空間を有効活用できる点です。設置するのに必要なスペースは、天井と床に接するキャップの大きさ分だけです。
にもかかわらず、上下に複数棚やフックを設置することができ、狭い空間を有効活用できます」(竹内さん)

『平安伸銅工業』から発売されているつっぱり棒ブランド「DRAW A LINE(ドローアライン)」には縦にも横にも使える突っ張り棒のラインナップがあります。
“1本の線”を引くという意味の「DRAW A LINE」は、これまで便利グッズとして扱われがちだったつっぱり棒を、1本の線によって可能性を広げ暮らしを豊かにするアイテムとして再定義。
「アクセサリーを自由に組み合わせられるので、自分の好みにあわせてカスタマイズできます。また、つっぱり棒とアクセサリーとのセットでの販売もあり、そちらは用途に合わせて選びやすいです」(漆原さん)
一度アクセサリーを取り付けてからでも、
「他にもシューラックやクロークとして活用する方も多いです。シューズは8足ほど置くことができます。設置面が7cmほどあれば使用できるので、空間の有効活用ができます」(漆原さん)
Tension Rod A・B・Cを縦に使う場合はアクセサリー込みで10kgほどの耐荷重とのこと。
ちょっとした収納やインテリアとしてなど、色々な使い方ができそうですね!

つっぱり棒を縦使いする時の注意点
nullつっぱり棒というと、やっぱりうまく突っ張らずに、落ちてきたり倒れてきたりするのが心配ですよね。
縦つっぱり棒を倒れないように設置するには、どうしたら良いのでしょうか?
「一発でつっぱり切ってしまわずに、仮止めをして垂直かどうかチェックします」(漆原さん)
垂直かどうかをチェックするのには、「iPhone」に付属されている「計測」アプリが活用できるのだとか。今まで何に使えるのか知りませんでしたが、そんな風にも活用できるのですね!
「もしくは5円玉などの重りを糸にぶら下げたものをつっぱり棒に取り付けて、それを見ながら垂直を計ります。後は、グリップをしっかり回してつっぱります」(漆原さん)
設置面の注意点としては、斜面や湾曲面、凹凸のある場所に取り付けないようにとのこと。絨毯やカーペットなどの上はNGです。
「天井材、床材および下地に十分な強度がある場所に取り付けてください」(漆原さん)

倒れてこないか心配……
nullつっぱり棒はどれだけ正しく取り付けても、ネジや釘を使っていないので、「いつか倒れるのではないか」という不安があるもの……。
竹内さんは次のように話しています。
「私の場合、取り付けてから数日は、緩みがないか確認しますし、取り付けた後も緩んでないか確認するために、ゆすったり引っ張ったり、確認するようにしています。
そうすれば事前に締め直しをすることができ、突然バサッと倒れたり落ちたりしてくるのを防げますよ。
後は、心配の場合、万が一のことを考えて、倒れたり落ちたりしてもけがをしない場所にとりつけるのもよいと思います」(竹内さん)
このように強度の確認や定期的な締め直しを怠らないのは、つっぱり棒を使いこなす上で重要なポイントです。“つっぱり棒を過信しすぎない”ことが大切なのですね。
縦にも横にも使えるつっぱり棒「Tension Rod Pro」
null「DRAW A LINE」シリーズに、今年縦使いも横使いもできるつっぱり棒「Tension Rod Pro(テンションロッドプロ)」が新登場。今までのつっぱり棒よりもパイプが長く、幅3mの長尺にも対応。支柱の回転を解消したため安定感がアップしたそう。
また、壁との接地面にはEVAパッドを採用し、今までよりも壁に優しい仕様に。壁に穴を開けたり壁を傷つける心配がありません。
「『Tension Rod Pro』を含む『DRAW A LINE』シリーズは、これまでのつっぱり棒のイメージを一新したいという想いから誕生しました。縦の空間を活用でき、部屋をオシャレにしたい方にオススメです。
どう使えばいいか悩んでしまう方には、アクセサリーとセットでの販売も行っています。選び方ガイドを見てみてください」(漆原さん)
3mもあったら色々な場所に活用できそうです。
また、このシリーズは粉体塗装によるマットな質感や、
これから春に向けて、模様替えのアイディアが膨らみますね。
最後に、つっぱり棒の縦使い初心者さんへ、つっぱり棒博士からのメッセージです。
「つっぱり棒を上手に活用して、暮らしをもっと私らしく快適にアレンジしてくださいね」(竹内さん)



つっぱり棒博士こと竹内香予子さん。
竹内香予子(たけうちかよこ)さん
つっぱり棒博士。整理収納アドバイザー。
日本で初めてつっぱり棒を開発した『平安伸銅工業』の三代目代表取締役。さまざまなメディアでつっぱり棒の魅力や使い方を発信している。若い世代やインテリア好きなユーザーを意識して開発した「ラブリコ」や「DRAW A LINE」など、これまでのつっぱり棒の常識を覆す商品でも注目されている。

若い世代に向けて、

秋田生まれ。高校卒業後ドイツの大学の舞踊科へ。以後、海外を10年以上放浪し、現在は東京在住。ライターの他、ヨガインストラクターや振付家などもしている。