なぜ子どもは「現金買取」で動くのか?
null
「え、オカネで解決!?」って驚かれるかもしれません。でも、ここがポイント。
親が「これは要らないでしょ」と言っても、子どもは納得しないんですよね。なぜなら、そのモノには本人にしかわからない価値があるから。「思い出」だったり、「なんとなく捨てにくい気持ち」だったり。
そんなときにふと頭に浮かんだのが、あの買取トラックの声。
「壊れていても、動かなくても、なんでもすべて買い取ります〜!」
……それだ!と思いました。
「価値があるなら、母さんが買い取ろうじゃないの!」
子どもの“執着”を、“お金に換える”ゲームにしてみたんです。
金額は1個1円。ずいぶん少額だけど、目的は「お小遣いを稼ぐこと」じゃなく、“手放すことへの納得感”を持たせること。
さあ、全部持ってこーい! と招集をかけると、最初は「え?」と戸惑っていた子どもたちも、すぐに目がキラッ。やっぱり人はオカネで動くのですねー(笑)。
捨てられない男代表 vs 折り紙王子
null


買取は、ダラダラやらずに時間を区切って集中型で。最初は戸惑っていた兄弟でしたが、だんだんテンションが上がっていきます。
“捨てられない男代表”の長男(小学高学年)。最初は疑いの目で見てたくせに、途中からノッてきて、机の前にドサドサと山が出現(笑)。
チラシ、教科書、お友だちからの手紙、カードゲームのパッケージ……。捨てられないタイプほど、積載量がすごい! その場で一つ一つ確認しながら、ガラクタ……いえ、“宝の山”を数えていきます。
査定金額、出ました!

長男の買取実績
- 点数:61点
- 買取価格:61円
- 私からのボーナス:100円
- 合計支払い:161円
お次、弟の次男(小学低学年)はというと、折り紙やぐちゃぐちゃの紙片が多かったですね。破れていても、ぐちゃぐちゃでも、何でも買い取らせていただきますよー!
次男の買取実績
- 点数:48点
- 買取価格:48円
- 私からのボーナス(キリ良く):102円
- 合計支払い:150円


みんな大満足! 得られたのは「取捨選択の力」
null結果は……全員大満足!
- 子どもスペースがスッキリしてうれしい → 私
- オカネをもらってうれしい → 息子たち
この方法のポイントは、「もったいない」「捨てられない」という気持ちを、親の価値観でねじ伏せないこと。自分の意思で“手放すことで、子どもが納得できるんです。
「捨て活」は、生きる力のひとつ
思い返せば、私自身も“捨て活”なんて習わずに大人になりました。「これ高かったし……」「まだ使えるかも……」って、つい取っておくタイプ。だからこそ、子どもたちには早いうちに、「要る」「要らない」を判断する力を身につけてほしいなと思うんです。
この“買取会”は、まさにその練習。ゲーム感覚で、楽しみながら“取捨選択力”が育ちます。
わが家の子どもグッズ収納ちょい見せ




次の作戦に向けて
この“買取会”、今後は半年に一度くらいのペースで開催予定。
ただね……ひとつ心配が。ズル賢い次男が、「買取会のために友だちからガラクタもらってきたらどうしよう」……。
ということで、今後はルール改正。「紙のモノは基本全捨て。ただし“思い出の品”だけは買取対象」など、
少しずつ基準を厳しくしていくつもりです。
モノを増やさない習慣も、同時に育てていけたらいいなと思っています。
子どもの“捨てられない問題”に悩むご家庭、ぜひ一度お試しを。スッキリ片づいた部屋と、清々しい笑顔。どっちも手に入りますよ!
kufura読者の皆様へ
null今回で、『kufura』での連載は最終回となります。これまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました! 「うちもあるある〜!」なんて笑ってもらえたなら、それだけで本望です。これからも、子育てを通じて見つけた小さな発見や工夫を大切に、楽しく暮らしていきたいと思っています。
皆さんの毎日が、笑顔と工夫であふれますように。
国井律子
二輪雑誌でのエッセイストデビュー後、オートバイ、旅、自転車、アウトドアなど多趣味をいかしたエッセイを執筆しています。私生活では二人の男児の母として、日々「いかに時短で、効率よく暮らすか」を追求中。グリーンアドバイザー、整理収納アドバイザー1級の資格も持ち、家事がラクになるアイデアや、家族が喜ぶ手抜きレシピを模索しています。
https://ameblo.jp/kuniritsu/
https://www.instagram.com/ritsuko_kunii/













