素人の犯行には「威嚇する」防犯が有効だった
null年末年始に向けて、改めて家庭の防犯を見直すべく、2024年12月4日に行われたパナソニックの「防犯力 スキルアップ体験会」に参加してきました。
登壇したのは元警察官で犯罪コメンテーターとして活躍する佐々木成三さん。佐々木さんは警察官として22年間勤務し、主に刑事として捜査に尽力してきたというプロの犯罪評論家。最近の犯罪の手口は巧妙に変わっていくので、それに合わせて防犯もアップデートする必要があると熱く語ります。
なかでも、特にいま問題視されているのが「闇バイト」による犯行。連日ニュースでも報道されていますが、「闇バイト」はSNSやインターネットなどで一般のアルバイトに偽装して、短時間で高収入が得られるなどと呼びかけ、詐欺の受け子や出し子、強盗の実行犯を募るもの。
「闇バイトには指示役が居て、犯罪を実行するのはバイトの若者。つまり、慣れていない素人の犯行が多いため、全国で手荒な犯罪が急増しているのです。なかでも、高齢者だけで住んでいる家に事前に電話をかけて情報を入手してから、リフォーム業者や宅配業者を偽って侵入するなどのケースが多発しています。こういった被害は、実は治安がよいと言われる“地方”が特に狙われているんです」(以下「」内、佐々木さん)
地方では、都心に比べて高齢者だけで住んでいる一軒家が多く、家と家との間隔が広く、街灯なども少ない。そのため、素人でも侵入しやすい家が多いそうです。
「素人の犯行が多いということは、相手は慣れていないため、“攻める防犯”が有効であるということ。私は映画の『ホームアローン』によく例えるのですが、あの映画の主人公の少年のように、こちらからも分かりやすく侵入者を“威嚇する”ことが、効果的なのです」
実は筆者の実家にも不審な電話がかかってきて、すぐに警察に通報した経験が。親は「オレオレ詐欺」だと話していましたが、佐々木さんの話にあったように犯行の手口がアップデートしていることを考えると、特殊詐欺の予兆電話だったのかもしれない……と思い、聞いていて怖くなりました。
今どきドアホンで不審者を威嚇して追い払う!
nullさらに、佐々木さんは威嚇できるドアホンや防犯カメラなどの備えがあれば、侵入者を玄関先で追い払うことに有効だと話します。そこで、なかでもおすすめのドアホンとその機能を紹介します。
(1)高画質&広角レンズで広く映せる
左右約170°、上下約100°見渡せる広角レンズを搭載し、画面に映る人物だけでなく、共犯者が周囲に隠れていても、広範囲で映すことができます。こんなにワイドに撮れるなんて、びっくり!
(2)自分のスマホに通知して、スマホから威嚇できる
親が住んでいる家の玄関にドアホンを設置して、自分のスマホと連携しておけば、来訪者があった場合、自分のスマホでも対応できます。その場に居なくても、自分が対応することで、「高齢者だけで住んでいるのではないのかも?」と、相手に悟らせることが可能です。
(3)録画していることを相手にアナウンスできる
インターホンが鳴ると、「録画しています」というアナウンスが流れ、相手に録画していることを伝えます。素人の犯行の場合、「録画されるとまずい!」と感じて、逃げるケースも多いとのこと。
(4)ボイスチェンジャーで声を変えられる
たとえば女性ひとり暮らしの場合、ボイスチェンジャーで男性の声に変えることができ、男性も住んでいるように思わせることができます。まさに『ホームアローン』の世界!
特に私が便利だと思ったのは、遠方にいる自分もスマホから来訪者に対応できること。不法侵入はもちろんですが、悪質なセールスなどの勧誘にも、これなら代わりに対応することができますね。
佐々木さんは、「高齢になった親の防犯は、子どもが備えるべき」と話します。ご自身も岩手県で単身で暮らす84歳の父親に、迷惑電話を防止する機能付きの電話をプレゼントしたそう。
親は長く住んでいる場所だから安心だ、そんな犯罪がここで起こるはずはないと、なかなか自分で備えようとはしないもの。でも、狙われやすいのは高齢者。だからこそ、前もって子どもである私たちが備えるべきだと、改めて感じました。
工事不要ですぐに使える「モニター付きドアカメラ」も便利!
nullさらに、もうひとつ便利な防犯カメラを発見! こちらは賃貸マンションなどで、玄関にモニター付きインターホンが付いていない場合でも、簡単に取り付けられる優れもの。
ドアの上にかぶせるだけなので、工事が不要。購入してすぐに自分で簡単に取り付けることができます。パナソニックの充電式単三乾電池(エネループ ハイエンドモデル)を4本使用した場合、電池は約半年くらい持つそうです。
私は大学時代、オートロックもモニター付きインターホンも何もない6畳一間の賃貸アパート(◯◯荘というまさに昭和のアパート!)に下宿していましたが、今思うとセキュリティゼロでむき出しの状態……(汗)。
オートロック付きのマンションは家賃が高いし、下宿させるだけでも大変なのに、親はさぞかし心配だったろうな……と、私も親になった今、しみじみ思いました。
こういったドアカメラなら、賃貸物件にも簡単につけられるので、ありがたいですね!
何かと物騒な時代、自分の身は自分で守る必要があることを改めて感じた体験会でした。佐々木さんいわく、10〜12月は特に犯罪が増加する季節とのこと。この機会に、実家の防犯を見直してみるのはいかがでしょうか。
ライター&エディター。『女性セブン』(小学館)で約 20年、料理、家事、美容、旅、タレント取材など、実用記事を中心に幅広いジャンルで取材&執筆を行う。『kufura』では2017年のローンチより、料理やヨガなどを中心に動画記事を350本以上作成。好きなものは絵本、美術館、音楽フェス、自転車。週刊誌で鍛えられた体力&根性で 40代から子育て奮闘中。