ふっくらおいしい「さばの味噌煮」
null甘めの味噌味でこっくり煮込まれた「さばの味噌煮」、おいしいですよね。でも煮魚は何となくハードルが高いと感じる人も多いかも。今回は、臭みをしっかり抑えつつ、子どもから大人まで食べやすい、甘めの味付けで作る味噌煮レシピをご紹介します。煮込み時間も短く、案外手軽に作れますよ!
まずはさばの選び方から。一般的に流通しているさばには、日本で水揚げされる「真サバ」、「ゴマサバ」の他、「ノルウェーサバ」とも呼ばれる「タイセイヨウサバ」があります。
さばの味噌煮には、秋から冬が旬の脂乗りのいい「真サバ」や、春から夏に手に入りやすい「ゴマサバ」を使用しましょう。

今回使ったフライパンはこちら
直径26cmのテフロン加工のフライパンを使用します。
【材料】(4人分)
・さば(三枚おろし)2枚
※できあがりは4切れ
・しょうが(皮付き・薄切り)20g
・味噌 大さじ3
・しょうが(千切り)適宜
・白髪ねぎ 適宜
<調味料>
・水 300ml
・酒 大さじ4
・みりん 大さじ2
・砂糖 大さじ2
・しょうゆ 大さじ1
※さばを半量で作る場合も、他の調味料や材料は同量で作ります。
【コツ1】切り込みを入れて「火通りよく&煮崩れ防止」
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三枚おろしは魚を上身と下身、そして骨の部分に切り分けることを言います。今回はこの三枚おろしのさば2枚を用意します。それぞれ半分に切って、4切れ分にしましょう。
皮目に浅く、4〜5cmほどの長さの切り込みを2本交差、または縦に2〜3本入れます。これは火通りをよくするのと、加熱中に皮が破けたり、煮崩れしたりするのを防ぐためです。
【コツ2】「霜降り」で臭みを軽減!
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臭みの原因になる血合いやぬめりを取り除くため、熱湯を全体にまわしかけ、冷水に取る「霜降り」を行います。さばのほか、ぶりなど、魚を煮付けにする時の下ごしらえ法です。

冷水に取った際、血合いが残っていたら箸や手で取り除きます。その後、ペーパーでしっかりと拭き取ってください。
【コツ3】先に甘辛く煮て、下味を付ける
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味噌を入れて煮る前に、酒、しょうゆ、みりん、砂糖で煮て、さばに味を染み込ませ、下味をつけます。味噌の種類にもよりますが、さばには少し甘めの味付けが合います。酒は臭み取りのため、やや多めの配合になっています。
<調味料>、皮付きのまま薄切りにしたしょうがをフライパンに入れ、中火にかけます。

煮立ったらさばを入れます。再び煮立ってアクが出たら取り除き、落し蓋をして中火で6〜7分煮ます。

落し蓋は木製のものやホイルでもOKですが、魚の皮がくっつきにくいクッキングシートがおすすめ。火にかからないサイズに切り取り、加熱時に浮いてこないよう、真ん中に切り込みを5cmほど入れてください。
また、さばを半量で作る場合も、加熱すると煮詰まるので、調味料などの材料はレシピ通りの方が作りやすいです。
【コツ4】味噌は後入れ!香りや風味を飛ばさない
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味噌は、最初に入れて煮ると香りや風味が飛んでしまうので、後入れします。お味噌汁でよく使われる「淡色味噌」がさばの味噌煮にはよく合います。
溶けづらい味噌はまずボウルに入れ、フライパンの煮汁を大さじ2ほどすくい入れてよく混ぜ、フライパンに戻し入れます。

落し蓋を取り除き、スプーンで煮汁をすくいかけながら、とろみが出るまで強めの中火で2分ほど煮てください。
器に盛り付けて煮汁をかけ、好みで千切りのしょうが、白髪ねぎをのせたら、ごはんがすすむ「さばの味噌煮」の完成です。
【コツ5】短時間で煮る!
null煮魚というと長時間かけて煮るイメージがありますが、短時間でさっと煮ることが大事! 味をもっとしっかり染み込ませたいなら、【コツ3】で最初に煮た後、味噌を入れる前に火を止めて1時間以上おき、その後改めて味噌を入れて仕上げるのが良いでしょう。

時間がかかるイメージの「さばの味噌煮」ですが、意外と簡単に感じるかも! 時間をかけすぎずに、さっと煮ることがふっくらおいしく仕上げる鉄則です。
フライパンで手軽にできるので、煮魚もレパートリーに入れてもらえたらうれしいです。

料理家・フードエッセイスト。
大学卒業後、広告代理店で営業として勤務。大手料理教室講師を経て、兵庫県宝塚市にて料理教室主宰。その後拠点を東京に移し、料理家活動を開始。旬の野菜を使ったおばんざいを得意とする。
レシピ開発、フード関連のエッセイやコラムの執筆のほか、イベントやテレビショッピング、企業Instagramへの出演、司会進行など幅広く活動。
著書「カラダよろこぶ オイルおにぎり」(辰巳出版)
Instagram:@erikocookingsalon
ブログ:https://eriko-kanda.com/