子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

焼き時間も塩加減も迷わない!「さんまの塩焼き」【フライパンでパパッと魚料理#3】

健康のためにも週に何度かは魚料理にしたいけど、魚焼きグリルを使うと後片付けも大変だし、なかなか手を出せない。そんな人も多いのではないでしょうか。

「もっと気軽に魚を毎日の献立に取り入れてほしい!」というわけで、料理家の神田えり子さんに、手軽にフライパンで作る「魚料理のコツ」を教えてもらう連載です。

ここ数年値段が上がっていた「さんま」ですが、うれしいことに今年はだいぶ安く手に入りそうです。

せっかくなので、今回はそんなさんまを手軽においしく食べようと、「フライパンで塩焼き」にする方法を、下処理から塩加減、焼き方まで丁寧に解説してもらいました。ワタが苦手な人やお子さんのために、ワタ取りの方法もお伝えします。

旬を逃さず食べたい!「さんまの塩焼き」

null

フライパンで作る「魚料理のコツ」シリーズの第3回。今回は「さんまの塩焼き」の作り方をご紹介します。
塩焼きは、シンプルながら魚のおいしさを堪能できる調理法。これで秋が旬のさんまを存分に楽しんでください。

今回使ったフライパンはこちら

さんま2尾を焼くフライパンとして、直径26cmのテフロン加工のものを使用しました。

【材料】(2人分)

  • さんま 2尾
  • 塩 小さじ2/3(4g)
  • 大根おろし 適量
  • すだちなどの柑橘 適宜
  • 青じそ 適宜
  • 醤油 適宜

【コツ1】うろこ取りはきっちりと!

null

まずは、魚を皮付きのまま調理するときに必要な「ウロコ取り」をします。さんまのウロコは弱く、水揚げの際にほとんどが取れるので、売られているものは表面がツルッとしています。それでもウロコが多少残っていたり、汚れが付いているので、下処理は必要なんです。

包丁の刃先で、身を切ってしまわないように優しく全体をなでるようにしてウロコと汚れを取り除いてください。青く光っているものがウロコです。

ウロコ取りをしたら真水で洗います。ため水でも、流水でも構いません。

魚に残った水気は臭みの原因になるので、洗った後はペーパーでしっかりと拭き取ります。

苦手な人やお子さんには「ワタ取り」を

null

「さんまは、ワタの苦味こそおいしい」という人も多いですが、苦手な人やお子さんには、食べやすくなるようにあらかじめ除いておきます。

腹を手前にしてまな板に置き、右利きの人は頭を右、左利きの人は頭を左に置きます。頭の付け根に、包丁を寝かせて刃先を入れ、腹の穴(肛門)のあたりまで切り込みを入れます。

中の内臓を刃先でかき出したら、中骨の周りの黒っぽい血合いを刃先でこそげ取ります。血合いは完全には取れないので、さっとで構いません。こうすると、苦味だけでなく生臭みも取れ、より食べやすくなります。

ワタを取ったら、あらかじめペーパーで汚れを拭き取ってから、できれば真水ではなく、3%の濃度の塩水(水500mlに対し塩大さじ1程度を入れて溶かす)でしっかり洗った後、さらに真水で洗います。最後に外側も内側もしっかりとペーパーで拭き取ったら、ワタ取りの完了です。

【コツ2】フライパンのサイズに合わせて半分に切る

null

今回はフライパンで焼くため、サイズに合わせて半分に切ります。まっすぐ切るとワタが出てきやすいので、斜めに切るのがポイント。

腹の穴(肛門)の少し後ろに向かって切ると、ワタを避けられます。

【コツ3】塩は1尾あたり小さじ1/3!焼く10〜15分前にふる

null

下処理が終わったら、塩をふります。一般的なさんまは1尾200g程度。1尾につき、1%にあたる小さじ1/3(約2g)を全体にふります。塩辛めが好きな方はもう少し増やしてもOK! ただし、あまり多いと身がパサつく原因になります。

塩をふって10〜15分ほど置きます。暑いとき以外は、室温で問題ありません。

すると、塩の浸透圧でうっすら水分がにじみ出てきます。この水分と一緒に臭みも出てくるので、塩を拭き取ってしまわない程度に、ペーパーで優しくトントンと水分を取ります。

今回は塩味を効かせたいので、もし塩をたくさん拭き取ったなと感じたら、軽く振り直してください。

塩は味付けだけでなく、こうした臭み取り、そして表面のタンパク質を固めて焼いた時にパリッとさせる作用があります。

【コツ4】フライパン用ホイル使用で皮のくっつき防止

null

今回はテフロン加工のフライパンを使用するので、そのままでもくっつきにくいのですが、さらに安心なフライパン用ホイルを使用します。さんまの塩焼きのような脂が出やすいものでも、洗い物がささっと済むのも楽チンです。

フライパン用ホイルを使わない場合は、サラダ油を小さじ2程度ひいて焼きます。

【コツ5】蓋なし!触らず!じっくり表7分/裏7分

null

フライパン用ホイルをひいたら、盛り付け時に上になる面から焼いていきます。先に焼く面の方が均一な焼き色が付きやすいためです。

尾頭付きの魚は、頭が左、腹が手前に盛り付けることを考慮して、そちらの面を伏せて並べましょう。

火をつけるのは、並べてからでOK! 中火で30秒ほど加熱してフライパンが温まってきたら、弱めの中火で片面7分ずつを目安に焼きます。皮をパリっと仕上げるため、蓋はしません。

また、何度も触ると皮が剥がれたり、身が崩れる原因になるので、ひっくり返すのは一度だけ! じっくりと焼きましょう。

火が通ったら、頭が左になるように盛り付け、大根おろし、好みですだちなど好みの柑橘、大葉と一緒に盛り付けます。皮がパリッとして、脂の乗ったジューシーな身はたまらないおいしさ! 好みで醤油をかけても。

焼いたさんまの身をほぐし、千切りした青じそ、白ごまと一緒に混ぜごはんにしても絶品です。

さんまの旬は9〜11月と短く、気づけば終わっていることも。ぜひ、おいしい時季にフライパンで気軽に調理して、楽しんでくださいね。

神田えり子
神田えり子

料理家・フードエッセイスト。
大学卒業後、広告代理店で営業として勤務。大手料理教室講師を経て、兵庫県宝塚市にて料理教室主宰。その後拠点を東京に移し、料理家活動を開始。旬の野菜を使ったおばんざいを得意とする。

レシピ開発、フード関連のエッセイやコラムの執筆のほか、イベントやテレビショッピング、企業Instagramへの出演、司会進行など幅広く活動。

KEITA・服部みどりとともに料理家ユニット<C (クレッシェンドシー) のメンバー。食品メーカーへのレシピ提供、食イベント対応なども行う。

著書「カラダよろこぶ オイルおにぎり」(辰巳出版)
Instagram:@erikocookingsalon
ブログ:https://eriko-kanda.com/

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載