子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

秋の味覚の代表!旬の「さんま」はDHA・EPAが豊富だけど脂質量には注意!?栄養情報を詳しく解説

秋の味覚といえばさんま。生でも焼いてもおいしいのはもちろん、良質な脂質をはじめとして健康にうれしい栄養素がたっぷり含まれる健康食材。今回は、さんまの魅力や栄養面について知って得する情報を管理栄養士がお伝えします。ぜひ、さんまを食べる前に読んでみてくださいね。

さんまの栄養情報

null

さんま(皮付き/生)100gあたりに含まれる栄養素

・エネルギー:287kcal
・たんぱく質:18.1g
・脂質:25.6g
・ビタミンD:16.0μg
・ビタミンE(α-トコフェロール):1.7mg
・ビタミンB6:0.54mg
・ビタミンB12:16.0μg
・カルシウム:28mg
・マグネシウム:28mg
・DHA:2200mg
・EPA:1500mg

さんまに含まれるビタミン類とその働き

カルシウムとペアで働く!ビタミンD

歯や骨の健康に欠かせないカルシウムの吸収を助けるビタミンです。日光を浴びると皮膚でもつくられますが、食べ物では魚、きのこなどに含まれます。脂溶性ビタミンなので、さんまに含まれる脂質が吸収を高めてくれます。

抗酸化作用に注目のビタミンE(α-トコフェロール)

抗酸化作用があり、老化や動脈硬化の予防に役立ちます。末梢血管を拡張する、性ホルモンの分泌に関わるなどさまざまな働きがあります。

チームで働くビタミンB群

さんまにはビタミンB群が含まれています。ビタミンB群の働きで大切なのがチームワーク。複数を組み合わせて摂ることで作用が高まる特長があります。

ビタミンB6はエネルギー代謝やたんぱく質の分解を助けるため、さんまに含まれるたんぱく質の利用効率もUPします。ビタミンB12は葉酸と力を合わせて働き、赤血球を作るために必要で貧血が気になるときにおすすめです。

カルシウム・マグネシウムも!

さんまに含まれるカルシウムは骨や歯を健康で丈夫に保つことはよく知られていますが、そのほかにも神経の情報伝達に関わる、筋肉の動きを調整するなど、さまざまな役割をもっています。

さらに、さんまはカルシウムの吸収を助けるビタミンD、カルシウムとともに骨や歯を作るマグネシウム、歯や骨の材料となるたんぱく質などが含まれているのもうれしい点です。健康で丈夫な身体づくりのため、子どもにも大人にもおすすめの魚です。

DHA&EPA

DHAとEPAは、どちらも不飽和脂肪酸という部類のなかで特に健康効果が期待されているオメガ3脂肪酸です。さんまのほかにもさばなど青魚に多く含まれ、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし血中脂質のバランスを整えることで動脈硬化予防などが期待されています。

さらに、DHAは脳や神経の働きを向上する働きがあるともいわれています。

さんまに期待できる効果・効能と注意点

null

生活習慣病予防にDHA&EPA

前述したように、DHAとEPAは血中脂肪のバランスをコントロールする働きがあり、悪玉コレステロールの数値をはじめ動脈硬化、高血圧など生活習慣病が気になる人におすすめです。

魅力的な働きを持つオメガ3脂肪酸ですが、実は光や熱に弱く酸化しやすいという弱点があります。そのため、効率よくこれらの効果を得たいときは新鮮なお刺身を選ぶのがベストです。

トロ並み!?さんまはエネルギー(カロリー)が高め

皮付きのさんま100gあたりのエネルギーは287kcal、脂質は25.6g。脂がのった魚は脂質が多くエネルギーも高いものが多いですね。

そのなかでもさんまはかつおやさばよりもエネルギー・脂質ともに高く、実はまぐろのトロに近い値です。決して低カロリーとはいえませんから、健康によいDHAとEPAを含むものの、食べすぎには注意が必要です。

魚100gあたりに含まれるエネルギー/脂質量

・さんま(皮付き):287kcal/25.6g
・まぐろ(トロ):308kcal/27.5g
・さば(まさば):211kcal/16.8g
・かつお(戻りかつお):150kcal/6.2g

 

脂質やエネルギーは高めですが、もちろん不飽和脂肪酸などの健康にうれしい成分もたくさん。おいしいからといって食べすぎることのないよう、またバランスの良い献立になるように気をつけて、秋の味覚を楽しんでくださいね。

 

撮影:黒石 あみ(小学館)

 

【参照】

・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高監修 高橋書店
・「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子 寺本あい監修 西東社
・「あたらしい栄養学」吉田企世子 松田早苗監修 高橋書店
・厚生労働省 令和元年(2019年)「国民健康・栄養調査」の結果 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カルシウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」不飽和脂肪酸
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html

(最終参照日:2022/08/10)

小嶋絵美
小嶋絵美

フードライター×管理栄養士。好きな食べものは野菜とフルーツ。食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。
「食材をシンプルにおいしく」誰にでも作れる簡単レシピを提案している。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載