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「いわし」の種類や栄養・健康効果をじっくり解説!良質な脂質やカルシウムを上手に活用するには?

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昔は最も身近な魚だったいわしも、30年ほど前から漁獲量が激減し、今では大衆魚とは言えなくなってきました。漁獲量はこの10年で少しずつ増加したものの、一時期は「幻の魚」とまで呼ばれるように。
そんないわしは、さばやあじと並ぶ青魚の代表格。青魚に共通するDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を豊富に含みます。また、オイルサーディンや煮干しなど加工品が多いのも特徴で、これらを丸ごと食べることでカルシウムもたっぷり補給することができます。いわしの栄養上の特徴や健康効果について、管理栄養士がじっくり解説します!

知っていますか?いわしの種類

主に出回るのはマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシ

いわしには色々な種類がありますが、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種類をいわしと呼ぶことが多いようです。

ウルメイワシ:20cmを超えることもある。マイワシのような黒い斑点がなく、目が大きいのが特徴。
カタクチイワシ:成魚でも10cm前後の小型のいわし。下あごが短く、体の上半分が黒いのが特徴。

よくお魚屋さんで見かけるのが塩焼や煮付け、刺身などに調理して食べることが多いマイワシ。体が丸っこく、黒い斑点があるのが特徴です。

煮干しや目刺などの加工品にすることが多いウルメイワシやカタクチイワシと、利用法にも違いがあります。しらすはほとんどがカタクチイワシの稚魚です。

オイルサーディンもいわし!

オイルサーディンもいわしが原料となっています。油漬けにされているため脂質が多くはなるものの、そのまま食べられて栄養素はとりやすくなっています。

ちなみに、オイルサーディンはフライパンや圧力鍋、オーブンなどを使って、意外と手軽に作ることができます。好みの味付けができ、骨ごと食べられるのが魅力です。

オイルサーディンと似ているアンチョビは、三枚におろした生のいわしを塩漬けして発酵させ、オイル漬けにしたもの。塩気が強いので、そのままというよりは、ソースやドレッシングに混ぜたりトッピングしたり、他の食材に混ぜたりして使われます。

いわしの栄養情報

まいわし(生)100gあたりに含まれる栄養素 

・エネルギー:156kcal
・たんぱく質:19.2g
・脂質:9.2g
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB2:0.39mg
・ビタミンB6:0.49mg
・ビタミンB12:16.0μg
・ビタミンD:32.0μg
・カルシウム:74mg
・カリウム:270mg
・EPA:780mg
・DHA:870mg

それぞれの栄養素の働きをみていきましょう。

強い骨作りにカルシウム

カルシウムが不足すると骨が十分に成長できません。神経の刺激の伝達や筋肉の収縮にも必要不可欠なミネラルです。カルシウムは99%が骨や歯に貯蔵されており、ホルモンの作用により血液中のカルシウム濃度が一定に保たれています。

カルシウムとペアで働くビタミンD

体内で活性型ビタミンDとなりカルシウムとリンの吸収を促進する、骨の形成には欠かせないビタミンです。ビタミンDが不足していると、たとえカルシウムの摂取量が十分であったとしても、カルシウムの吸収が悪くなってしまいます。カルシウムとビタミンDが一緒にとれると、栄養の効率が良くなります。

EPA、DHA

EPA(イコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)は不飽和脂肪酸の中でもオメガ3系に分類される必須脂肪酸です。必須脂肪酸は人の体内で合成できないため、食物から摂取する必要があります。

EPAは血液をサラサラにする作用や生活習慣病予防に効果があるとされ研究が続けられています。また、DHAは人の脳や網膜の構成脂質であり、直接脳内に入って効果を発揮する成分として注目されています。

いわしの効果効能は?

血液と骨の健康をキープ

いわしに含まれている脂質には、酸化されにくい飽和脂肪酸、酸化されにくく動脈硬化予防に効果があるといわれる一価不飽和脂肪酸、酸化されやすいが血液サラサラ効果や生活習慣病予防、認知症予防などの好影響があるといわれているEPAやDHAなどの多価不飽和脂肪酸のいずれも豊富に含まれています。

さらに、バランスのとれたアミノ酸からなる良質なたんぱく質も有しています。
丈夫な骨や歯を形成する、カルシウムやマグネシウム、リンが豊富で、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも含んでいるため、成長期の子どもや骨粗しょう症予防が気になる人に最適な魚であるといえます。

いわしの栄養を丸ごととれるいわしの加工品

いわしの加工品である丸干しや目刺、煮干しは、そのまま食べることもおすすめです。骨ごと食べられるため、魚の身だけを食べるときよりもカルシウムの摂取量を格段にアップさせることができます。

干した小さいカタクチイワシを乾煎りし、しょうゆ・みりん・砂糖などで甘辛く調味した「田づくり」は、お正月やお祝い膳には欠かせない日本の伝統料理。そういった特別な機会だけでなく、普段からおやつやおつまみ、作り置きのおかずとして常備しておくと、手軽にカルシウム補給ができますよ。

 

・撮影/黒石 あみ(小学館)

【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「日本全国お魚事典」山田吉彦著 海竜社
・「旬を味わう魚の事典」 坂本一男監修 ナツメ社
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高著 高橋書店
・「からだにおいしい魚の便利帳 全国お魚マップ&万能レシピ」高橋書店
・「からだによく効く旬の食材 魚の本」講談社
・「旬の野菜と魚の栄養事典」吉田企世子/棚橋伸子 監修 X-Knowledge
・厚生労働省「e-ヘルスネット」ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カルシウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
・水産庁「水産物に含まれる主な機能性成分」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h29_h/trend/1/sankou_6_3.html
海と魚がもっと好きになるウェブマガジン umito.® いわし
https://umito.maruha-nichiro.co.jp/article23/

(最終参照日2022/6/24)

プロフィール

大槻 万須美
大槻 万須美

管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。大学卒業後、食品メーカー勤務を経て管理栄養士の道に進む。
食の大切さを伝えるため、コーチングを取り入れたバレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、親子クッキングや離乳食講座などの料理教室、レシピ・コラムの提供、栄養講座、研究機関協力など幅広く活動。
現場の生の声から多くを学びながら、おとなと子どもの食育サポートに力を注いでいる。

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