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旬の「キャベツ」を1玉使い切り!味わいも栄養も余さずいただく管理栄養士の3レシピ

管理栄養士ライターの川越光笑(あきえ)です。皆さんはキャベツを買う時はカット派? それとも丸ごと派でしょうか?
ゴロンと大きなキャベツは余りがちですが、使いきるコツさえ知ればコスパもよく断然お得です。1個のキャベツを3つに展開する簡単レシピをご紹介します。

まずはキャベツの栄養をチェック!

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キャベツと揚げ物が相性◎の理由

「キャベジン」という名前を聞いたことはありませんか? キャベジンは、別名ビタミンUと呼ばれるビタミンの一種。キャベツから発見されたため、キャベジンと名づけられたといわれています。キャベジンは、胃腸の粘膜を正常に保つ働きがあり、テレビCMでも胃腸薬として有名になりましたよね。

トンカツやコロッケなど油を使った揚げ物にキャベツの千切りを添えられることが多いですが、これも胃腸の働きを整える役割があるためです。

「美肌」や「腸活」にも効果的です

他にもキャベツには、ビタミンC・ビタミンK・葉酸・カルシウム・カリウム・食物繊維などが含まれます。ビタミンCの含有量をレタスと比べてみても生キャベツは41mg100gに対して生レタスは5mg100gのため、その差は8倍以上です。

ビタミンCは美肌づくりや抗ストレス作用があることで知られています。そしてビタミンKとカルシウムは、丈夫な骨づくりに欠かせません。葉酸は造血作用に適し、カリウムは体内のナトリウムの排出を促して血圧を下げる効果を持ちます。また、食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれる効果が期待されています。

切り方を変えれば使い道もいろいろ

キャベツは、切り方や調理法で食感や味わいを変えることができる優れた野菜です。たとえば、サラダなどは手でちぎることで、ドレッシングがよくからみます。また、大きめにカットして焼くことで食べ応えや甘みがアップします。

一般的にビタミンCは加熱に弱いといわれていますがキャベツのビタミンCは油との相性がよく、油炒めにすることで6mgアップすることが分かっています。

では、さっそく丸ごとキャベツを3通りの食べ方で楽しんでいきましょう。

1/2個を使って…ミートローフ

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1/2個をまるっと使いきるボリューム満点のミートローフです。牛肉の価格高騰で合いびき肉の値段の高さには驚かされます。そこで思いついたのが、比較的お値段が手ごろの鶏ひき肉と豚の加工品であるベーコンの合わせ技! シンプルに豚ひき肉と合わせてもよいのですが、鶏ひき肉のあっさりとした味わいにベーコンの旨味が深みを与えてくれます。

材料(作りやすい分量/4人分)

キャベツ・・・1/2

鶏ひき肉・・・約200g

ベーコン・・・約50g

玉ねぎ・・・1/2

卵・・・1

<調味料>

塩・・・小さじ1/3

ナツメグ、こしょう・・・各少々

あらびきガーリック(あれば)・・・適宜

<ソース>

カットトマト缶・・・1缶

塩・・・小さじ1/2

あらびき黒こしょう(好みで)・・・適宜

作り方

(1)キャベツは芯を切り取り、写真のように中心部分をはがして種を入れる空洞を作る。芯はみじん切りにし、はがしたキャベツはざく切りにする。玉ねぎはみじん切りにする。

(2)ベーコンは鶏ひき肉と同様に細かく刻む。

(3)ボウルに(1)と(2)、卵と調味料をすべて入れて粘りがでるまで混ぜる。

(4)空洞にしたキャベツに(3)を詰める(写真)。残った種は丸くまとめておく。

(5)フライパンにカットトマトと水200mlを加えて中火にかけ、沸いたらざく切りのキャベツと塩を入れて煮る。

(6)(5)に(4)入れ、周りに丸めておいた種を並べてフタをして15分ほど煮たら返して5分ほど煮込む(写真左)。

(7)竹串を刺してみて透明の汁が出てきたら中まで火が通ったサイン。味をみて足りないようなら塩、こしょう各少々(分量外)で調味する。

器に盛り、好みで粗びき黒こしょうをふる。適当な大きさに切り分けて熱いうちに召し上がれ。一緒に煮込んだ丸めただけの種は煮込みハンバーグとしても◎。翌日のお弁当やサンドイッチにはさんでも美味しいです。

1/4個を使って…キャベツと金柑のサラダ

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1/4個のキャベツは、手でちぎるだけで満足感のあるサラダに仕上げることができます。季節の果物と合わせればビタミンCも増し増しです。ここでは、金柑を輪切りにして合わせました。見た目もかわいいので食卓が華やかになりますよ。

 

材料(作りやすい分量)

キャベツ・・・1/4

金柑・・・6

<ドレッシング>

リンゴ酢(好みの酢)・・・大さじ1と1/2

オリーブ・・・油大さじ1

はちみつ・・・大さじ1

塩、こしょう・・・各少々

作り方

(1)キャベツは洗って手でひと口大にちぎり、塩少々(分量外)でもんでしばらく置く。水分がでてきたらしぼる。金柑は洗って輪切りにする(写真右)。

(2)ボウルにドレッシングの材料をすべて合わせ、輪切りにした金柑をつける(写真左)。

(3)(2)とキャベツを混ぜ合わせていただく。

1/4個を使って・・・焼きキャベツのポトフ

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大きめに切ったキャベツは、油で焼き色をつけることで香ばしく甘みを引き出すことができます。キャベツは油で炒めることでビタミンCを増やすこともできます。同じく油で炒めることでβーカロテンをアップさせるにんじんも炒めてスープ仕立てにすれば、水溶性と脂溶性の栄養素を余さず摂取することもできちゃいます。

ポトフは、フライパン一個で作ることができるので忙しい日にもおすすめ。食卓にフライパンごとサーブすれば、洗い物も減らせるお手軽レシピになります。

材料(作りやすい分量/3~4人分)

キャベツ・・・1/4

にんじん・・・小1

ソーセージ・・・8

ブイヨンキューブ(コンソメ可)・・・1

こしょう・・・少々

ローズマリーの枝(あれば)・・・1

オリーブ油・・・適量

粒マスタード・・・適宜

作り方

(1)キャベツは芯を外さず3等分のくし形に切り、にんじんは皮をむいて横3等分にしてから、写真のように縦に4等分ほどの大きさに切る。

(2)フライパンに油をひき、中火でキャベツに焼き目をつけ(写真左)、にんじんも同様に軽く炒める。

(3)(2)に水400mlを注いで沸いたらブイヨンを溶かし入れてソーセージ、ローズマリーを加えてフタをする。にんじんがやわらかくなったら味をみて足りないようなら塩、こしょう各少々(分量外)で調味する(写真右)。

好みで粒マスタードをつけて、どうぞ!

 

いかがでしたか? これからは春キャベツの時季。水分を多く含んだ葉はやわら
かく、さらに甘くなります。ぜひ、さまざまな料理に活用してくださいね!

 

【参考】

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

川越光笑
川越光笑

たべごとライター・編集者・管理栄養士。
「ヒトは食べたもので体がつくられる」をモットーに“食と健康”をライフワークとする。日本の食文化に関心が高く、著書に『おにぎり~47都道府県のおにぎりと、米文化のはなし~(グラフィック社刊)』がある。現在は、管理栄養士ライターとして二足の草鞋を履いて活動中。

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