「もともと料理が苦手。娘のごはん作りが憂鬱です」(東京在住Sさん/32歳の専業主婦、子どもは2歳の女の子)
結婚を機に料理をするようになったのですが、不安と苦手意識からレパートリーもあまり広がらないまま、コロナ禍に突入。そんな中で女児を出産しました。 本格的に焦り始め、離乳食は市販のレトルト食品にも助けてもらいながらなんとか乗り切りましたが、娘が2歳になったいま、栄養も考えなきゃ、野菜を食べさせなきゃ……と気持ちだけが先走りして献立は増えず、なかなかうまくいきません。 今後、お弁当を作るようになったら……と考えるとさらに憂鬱です。どうやったら、料理をもっと気軽に楽しんでできるようになりますか?
「 “子どものごはん”じゃなくて、家族で同じ素材を“おいしいね”と楽しんで」
null結論から言っちゃうと、こうやって悩んでいる時点でね、あなたはすでに“デキてる人”なの!
娘ちゃんのために「おいしくって栄養のあるものを」って、ちゃんと考えて作っているはず。でも、もっとおいしく、手際よく……って、頑張っちゃってるんだと思う。でもね、いいのよ、そのままで。 レパートリーって言うけれど、今の時代、ネットで探せばわんさかレシピが出てくるんだから、心配する必要はありませんよ。
あえてアドバイスするとしたら、「自分が食べたい料理を作る」こと。大人と子どもの料理を別々にしなくてOKよ。
「子どもの成長とともに、家族の味も育っていくの」
昔、『あかちゃんといっしょごはん かんたん取り分け離乳食』(金の星社)っていう離乳食の本を作ったんだけど、これは、お父さん、お母さんが食べる料理を調味料入れる前に取り分けて、赤ちゃん用に食べやすくするっていうのがコンセプトだったの。
親も子どもも一緒に、「おいしいね」って同じ素材を楽しんで、娘ちゃんの成長とともにSさんちの“家族の味”も育っていく。素敵じゃない?
野菜でも肉でも、「食べさせなきゃ」じゃなくて、もっと自由に気楽に、親が食べたい料理をベースに、子どものごはんを作ればストレスにならないと思うの。たとえ、そのとき子どもが食べなくても放っておいてOK。お腹減ったら絶対に食べるから(笑)。
「台所は五感がわくわくする場所。料理する姿を子どもに見せてあげて!」
nullそれから、私が子育て時代に心がけていたのは、ふたりの息子たちに、私が料理する姿を見せるということ。
学校に行くようになって、「ご飯よ!」で自分の部屋から出てきて、「ごちそうさま」でまた部屋に戻る……っていうのは断固として嫌だった。愛情をたっぷり注いで、おいしいご飯を作っているのに、私の立場はどうなるのよ!って(笑)。
だから、宿題はキッチンでやりなさいと。菜っ葉を刻んでる音とか、お肉を炒めてるにおいとか、全部聞かせて嗅がせて、「お母さん、お腹空いた!」「もうちょっと待って」とか言いながら、ごはんを作っていましたね。ライブ感満載、五感が刺激されてワクワクするでしょ?で、「できたよ!」って、テーブルに並べたら、大人だって「いただきます!」の感動もひとしおよ。そうして味覚も育つのよね。
娘ちゃんにとってはあなたが作るごはんが一番のごちそうなの。大丈夫、大丈夫。肩の力を抜いて、子どもと一緒に料理を楽しんでちょうだいね!
構成・文/神史子 イラスト/やまなかゆうこ
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料理愛好家・シャンソン歌手。1972年にイラストレーターの和田誠さんと結婚後、主婦として家庭料理を作り続けた経験を生かし、「料理愛好家」として活躍。数々のアイディア料理を発信中。また、「レミパン」やエプロン、調味料などの開発も手がける。エッセイ『おいしい子育て』(ポプラ社)は、第9回 料理レシピ本大賞のエッセイ賞を受賞。近著『エプロン手帖』(ポプラ社)『平野レミのオールスターレシピ』(主婦の友社)も好評発売中。https://remy.jp/