「サイズを測る」ことから始めましょう
null心地よく整理収納された部屋をつくるには、「まずは、お部屋と収納したいモノのサイズを測って、収納家具や収納グッズをそろえてゆきましょう」と、ひでまるさん。
なぜなら家具は、部屋の印象が決まる大きな要因の一つ。だからこそ、「見た目が好きでも、スペースやモノに対して大きすぎるものは避けたほうがいいです」と続けます。大きすぎると導線の邪魔になったり、圧迫感を与えたりしてしまいます。また、背が高すぎる家具も、部屋がせまく見える原因になるのだとか。
「高さでいうと、人が心地よく過ごせたりモノを出し入れしたりしやすいのは、75〜135cmといわれています。これを目安に、収納家具のサイズやモノを収納する場所などを決めていくとよいですね」(以下「」内、ひでまるさん)
テレビ台を選ぶなら
ちなみに、大きすぎるモノを選びがちといえば、テレビ台なのだそう。
「お客様のお悩みで、よく伺うのがテレビ台です。大きすぎると台の上に空白ができるため、余計なモノを置いて物置状態になるケースも。ただ、小さすぎるテレビ台も見た目のバランスが悪いだけでなく、防災の観点から言っても不安定でおすすめできないです。
ちょうどいいテレビ台の目安は、テレビに対して1.5〜1.6倍の幅のものといわれています。選ぶときはテレビのサイズを測って、理想を探しましょう」
ぴったりサイズを探すなら「測った数字で検索」が便利!
置くモノとサイズが合っていることがいちばん大事。サイズが合っていると、ぐっと空間のバランスがとれて、収納しやすくなったりするということは分かりました。
とはいえ、サイズがぴったりの収納は、どのように探せばよいのでしょう? 実際に探すとなると、棚ひとつをとっても種類が豊富で、気が遠くなります……。
「もし、このブランドのこれという目星がついていないのなら、ネットでのサイズ検索がおすすめです。方法はとっても簡単。『奥行き○○cm 引き出し』などと入力するだけ。これでぐっと絞り込めるので、あとは価格、色み、素材感などをチェックしていきます」
一つ買ってみるのも手
さらに、収納グッズを複数買う場合は、まず一つ買って試すのもおすすめとのこと。
「引き出しの中をぴったりの収納で仕切るととても使いやすいですが、収納家具の中を測って、ぴったりのモノを探して、選んで、組み合わせて……とやっていくのは、私でもけっこう大変です(笑)。
リーズナブルだったり、買ってもいいと思っているのなら、まず一つだけ買って入れてみましょう。すると、『これが横に何個並ぶな』とか『こういうふうに組み合わせられそう』などと、目星がつきます」
最初に一気に収納グッズを購入してしまいがちですが、まずは1つ購入してから足していくというのは理にかなっています。
「見えるか、見えないか」でモノを選ぶ
null部屋づくりにかけられる予算は、きっと多くの人が限られているはずですよね。だからこそ、モノ選びは「見えるか、見えないか」で考えると、予算が決めやすくなります。
「部屋で過ごすとき、常に目に入るモノが大好きなほうが、気持ちも上がります。
だから“見えるモノ”なら、サイズが合っていることは大前提で、次に見た目が好きかどうかで決めるとよいです。このとき絶対に妥協せず、作りが良くて長年使える、自分が納得できるモノを選びましょう」
「私は“見えるモノ”を探すとき、『ライクイット』『無印良品』『IKEA』などへ行くことが多いです。また、この中で似たようなアイテムがある場合も、好き!と思えるほうを選びます。
たとえば我が家で防災備蓄用品を入れているコンテナーは、『ライクイット』のモノ。実は『無印良品』にも似たような頑丈なコンテナーがありますし、こちらのほうがリーズナブルですが、私は見た目に惹かれて『ライクイット』を選びました」
そして、引き出しや扉の中などを仕切る“見えないモノ”なら、100円均一や『3COINS』、『無印良品』などの、手に取りやすい価格でサイズがぴったりのモノを選びます。
「やはりぴったりなほうが収納しやすく、生活の質が上がるように感じます。ちなみに私は見えない場所の収納グッズも、同じシリーズでそろえたり色みも統一することで、心が落ち着く収納にしています」
毎日すごす部屋を、もっと心地良くしたい!そう思っている方は、今回教えていただいた整理収納の基本をまず試してみてはいかがですか?
【取材協力】
安藤秀通さん
ルームスタイリスト、整理収納アドバイザー。「ひでまる」として、東京都杉並区の築35年、47平米のリノベマンションでの男性パートナーとの2人暮らしをSNSを中心に発信。幅広い世代に話題を呼ぶ。ディズニーストアや美術館、水族館のミュージアムショップで8年間VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)を学んだ経験を活かしたルームスタイリングは、数カ月先まで予約が埋まるほど。部屋作りの情報を詰め込んだルームツアー付きセミナーを自宅にて開催し、人気を博している。セミナー、コラム執筆など、多方面で活躍中。2023年11月に初となる著書『47㎡、2人暮らし 大好きだけが並ぶ部屋作り』(小学館)を発売。
著/安藤秀通(ひでまる) 価格/1,650円(税込み) 発行/小学館
センスはいらない、部屋はルールで整える! インテリアの提案がツボすぎる!と、SNSでも大人気のルームスタイリスト・整理収納アドバイザー、ひでまるさん。『NHK WORLD-JAPAN』 でも話題になり、インスタグラムのフォロワーは11.8万人! 注目の集まる中、本名の安藤秀通として、初の書籍です。
この本では、45個の“ひでまルール” をご紹介。今より必ず部屋が大好きになれる“ルール” です。読みながら自分と向き合う、癒しの時間を過ごしませんか?
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote