ティーバッグのおいしい淹れ方5ステップ
null【用意するもの】
・ティーカップ&ソーサー・・・マグカップは容量が多く、お湯を注ぎすぎて薄まりやすいので、紅茶専用のティーカップを用意したほうがおいしく淹れられます。
・ふた(お皿など)・・・紅茶を蒸らすためにふたをします。カップにふたができるサイズのお皿などを用意して。もちろんソーサーでもOKです。
・ティーバッグ・・・好みのものを用意します。
・砂時計・・・蒸らし時間を計るのに必須。キッチンタイマーや、スマホのタイマーでもOK。
(1)ティーカップを温める
少量のお湯をカップに注ぎ、少し置いて温めます。全体にお湯を回し、カップに馴染ませてからお湯を捨てます。
【POINT】
紅茶の主成分は、80℃以上の高温でないと、抽出力が弱まってしまいます。お湯の温度が下がらないよう、事前にカップを温めておくと、紅茶の成分を抽出しやすくなります。
(2) ティーバッグを入れる
ティーバッグは通常1個で1杯分です。好みの味を選んでくださいね。
(3)170ccのお湯を注ぐ
ティーポットで淹れる時と同様に、1杯170ccのお湯を注ぎます。お湯はしっかりと沸騰したものを使いましょう。
(4)ふたをして蒸らす
蒸らし時間はティーバッグのパッケージなどに書いてある表記に従ってください。
【POINT】
カップにふたをして蒸らさないと、お湯の温度が下がり、紅茶の成分が充分に抽出されません。また、香りも蒸発してしまいます。必ずふたをするのを忘れずに!
(5) 引き上げる
蒸らし時間が過ぎたら、濃くなる前に静かに引き上げます。
【POINT】
ティーバッグはチャプチャプ振ってしまいがちですが、こうすると雑味が出て、紅茶が渋くなったり、濁ったりしてしまいます。そっと静かに引き上げるのがポイントです。
これで、おいしく完成!
ティーバッグはアメリカで誕生
null茶葉を計量する必要がなく、1杯分を手軽に抽出できるティーバッグは、今や世界中で愛されていますが、もともとはアメリカで誕生しました。
20世紀にアメリカの茶商が絹の袋に茶葉を入れたところ、これがとても好評で、絹ではなくガーゼの袋に入れて商品化したそう。日本では1960年代後半に、『神戸紅茶』が初めてティーバッグの生産を開始しました。
世界各地で、四角くシンプルなシングルバッグ、底がW字になっているダブルバッグ、また、ろ紙やナイロン素材を用いたものなど、形状も素材も進化してきました。最近は茶葉がジャンピングしやすいテトラ型のティーバッグが人気です。
ちなみに、ティーバッグに紐がついているものとついていないものに違いはあるのでしょうか。実は、日本のように水が軟水の国では、茶葉の抽出が早いので引き上げるための紐がついていますが、硬水の国では茶葉の抽出がゆっくりで時間がかかるので、ティーバッグを引き上げずそのまま飲むことも多いため、紐がついていないものも多いのだそうです。知っていましたか?
茶葉や形、カップなど、ぜひ自分の好みにあった“こだわりの一品”を探してみてくださいね!
【取材協力】
『Cha Tea 紅茶教室』
‘02年に開校。日暮里・谷中の代表講師・立川碧さんの自宅(英国輸入住宅)を開放してレッスンを開催。卒業生は2000人以上にのぼる。教室でのレッスンの他、早稲田大学オープンカレッジをはじめとする外部セミナー、紅茶講師養成、紅茶専門店のコンサルタントなど幅広く活動。著書に『図説 紅茶 世界のティータイム』(河出書房新社)、『紅茶のすべてがわかる事典』(ナツメ社)など多数。紅茶教室ホームページ http://tea-school.com/
撮影/横田紋子 取材・文/岸綾香