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紅茶教室の先生に聞いた「紅茶を本当においしく淹れる方法」【紅茶を楽しむ #1】

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普段、何気なく飲んでいる“紅茶”。身近なお茶のひとつであるにもかかわらず、茶葉の知識やおいしい淹れ方など、本当はよく知らないことがたくさん……。そこで、奥深い紅茶の世界について、人気ティーサロン『Cha Tea 紅茶教室』の立川碧さんに教えてもらいました。

ストレートティーのおいしい淹れ方 5ステップ

そもそも紅茶は、英国の上流階級者の社交場で発展してきたもの。紅茶の正しい知識を身につけることは、大人の女性のマナーにも通じます。

まずは、紅茶本来の風味を存分に味わえるストレートティーの淹れ方を教えてもらいました。実は、5つのステップでとっても簡単においしく淹れられます! ぜひ、動画を見ながら覚えてくださいね。

【用意するもの】

・ティーポット(抽出用)・・・茶葉の動きが見える透明なものがおすすめ。

・ティーポット(サーブ用)・・・テーブルに出してもよいサービス用を。

・砂時計・・・蒸らし時間を計るのに必須。

・コースター・・・ポットの温度を逃さずキープ。

・好みの茶葉・・・ダージリンなど、ストレートティーに合うものを選んで。

(1)2つのポットを温める

それぞれのポットに沸騰したお湯を少量注ぎ、円を描くようにポットを回します。そのまま少し置いて、ポットが温まったらお湯を捨てます。

【POINT】

紅茶の主成分は、80℃以上の高温でないと抽出力が弱まってしまいます。そのため、お湯の温度が下がらないよう事前にポットを温めておいて、紅茶の成分を抽出しやすくします。

(2)3gの茶葉を入れる

ティーカップ1杯分につき、3gを目安に茶葉を抽出用のポットに入れます。

目安は茶葉のチップの大きさによって変わってきますが、大きな茶葉はティースプーンに多めの山盛り1杯で3g、細かい茶葉はやや少なめの山盛り1杯で3gになります。

茶葉は古くなると風味が飛んでしまうので、開封後は2カ月を目安に使い切りましょう。

(3)170ccのお湯を注ぐ

1杯分170ccを目安に、ボコボコと沸騰したお湯を抽出用のポットに注ぎます。茶葉の抽出に必要な理想の温度は95〜98℃なので、しっかり沸騰したお湯を使うのがおいしく淹れるコツです。

(4)蓋をして蒸らす

風味が飛ばないよう、ふたをしてしっかり蒸らします。目安は3分間。1人分、2人分と人数で茶葉とお湯の量が変わっても、蒸らす時間は同じでOK。ポットを揺すったりせずにじっと待って、茶葉が下に沈んだら抽出されたサイン。蒸らし時間が長すぎると濃くなったり、渋くなったりするので注意して。

【POINT】

酸素をたっぷり含んだ熱湯を注ぐと、茶葉がゆったりと上下に動く“ジャンピング”という現象が起こります。茶葉がジャンプするように上下に動くことで、対流運動が起こり、茶葉がゆっくり開いて、色、味、香りが充分に引き出されます。

理想的な条件で注いだ場合は半分以上の茶葉が上に浮かび、上下に動いた後、水分を吸って静かに下に沈みます。酸素を含んだお湯ほどジャンピングが起こりやすいので、水はペットボトルのように汲み置いたものよりも、酸素をたっぷり含んだ汲みたての水道水を沸かしたほうがおいしく仕上がります。

(6)紅茶をポットに注ぐ

もう1つのサーブ用のポットに紅茶を注いで移します。サーブ用のポットには茶葉が入っていないので、紅茶がこれ以上濃くならず、最後までおいしく味わえます。

【POINT】

必ず、振らずに最後の一滴まで注ぐことがポイント。これは“ゴールデンドロップ”と呼ばれる、お茶の成分がギュッと凝縮されたエキスで、これが入ることで紅茶の味が引き締まり、おいしさを決めてくれる大切な一滴なんです。

でも、無理に出そうとしてポットを振るのはNG。紅茶が濁ったり、渋くなったりするので注意しましょう。

奥深い「茶葉」の世界…紅茶の品種は、中国種とアッサム種の2つ

おいしい淹れ方を覚えたところで、今度は茶葉について学びましょう。茶葉の特性を知っておくと、飲み方に合わせて選べるようになり、よりおいしく紅茶を味わうことができます。

紅茶の原料は、学名「カメリア・シネンシス」というツバキ科の常緑樹で、中国種とアッサム種の2種類があります。製造工程の発酵の違いで、紅茶、緑茶、ウーロン茶に分類されます。現在私たちが飲んでいる紅茶は、この2種類か、または、この2つの掛け合わせから作られるものが主流。

中国種は主に緑茶向きですが、インドのダージリンやスリランカの高地などでは、紅茶用に栽培されています。色は淡めで、香りが高く、スッキリとしたシャープな渋みが特徴。香りがよいので、ストレートで飲むのがおすすめです。

一方、アッサム種は高温多湿の熱帯地方で1年中採れるため、中国種に比べて生産量も多くなっています。色は濃くて、コクがあり、どっしりとした渋みがあるのが特徴。ほっこりと甘みのある香り、深いコクがあるので、ミルクティーにするならこちらが◎。

ストレートで茶葉の繊細な風味を味わうか、ミルクを入れて濃厚なコクを楽しむか、茶葉の種類で飲み分けるのがおいしく味わうポイントです。

「ダージリン」「アッサム」「ウバ」は産地の名前

一年間に世界で生産されている茶の総量は300万トン以上で、なかでも紅茶が80%を占めており、生産量第1位はインド。熱帯または亜熱帯で、高温時に雨量が多い地域が紅茶の栽培に適しています。

日本茶が宇治や静岡など産地によって味わいが変わるように、紅茶も茶葉の育つ産地によって味わいがそれぞれ異なります。特にインドは北部と南部で気候の差があるため、各地で個性的な紅茶が生産されるのも特徴です。よく皆さんが耳にする、「ダージリン」「アッサム」「ニルギリ」などの言葉は、実はインドの地名で、産地を表しているんです。

現在、世の中に手頃な価格で出回っている茶葉は、いくつかの産地の茶葉をミックスしたブレンドティーがほとんどです。ひとつの農園でとれた茶葉だけを使用している“単一農園”の茶葉は希少で高価。中でもダージリンは生産量も少ないため、専門店以外ではなかなか手に入りません。

街の喫茶店などで「ダージリンティー」と呼ばれているものは、ダージリン産の茶葉が少量ブレンドされているだけで「ダージリンティー」と呼ばれていることがほとんど。100%純粋なダージリンティーを味わうのは、実はなかなか難しいのです。

また、世界3大銘茶といわれるのは、ダージリン(インド)、ウバ(スリランカ)、キームン(中国)の3つ。味の特徴としては、ダージリンは中国種なので、香りが高く繊細。ぜひストレートで楽しみたいですね。ウバはシャープな渋みと軽快なコクがあるので、夏のあっさりしたミルクティーに。キームンは特に香りが強く、渋みやコクのバランスがよいので、どんな飲み方にも合いますよ。

実は品種じゃない!? フレーバーティー「アールグレイ」

もうひとつ、みなさんご存知の「アールグレイ」は、品種でも産地でもなく、実はフレーバーティーの一種。柑橘類であるベルガモットの果皮から抽出した香りを紅茶につけたものなんです。

そもそも「アールグレイ」とは、「グレイ伯爵」という意味。1830年代にイングランドのグレイ伯爵が、中国土産に献上されたお茶を気に入り、英国で再現させたことから、「Earl」(伯爵)「Grey」(グレイ)の名がついたと言われています。

以下に飲み方に合った茶葉をまとめたので、組み合わせの参考にしてくださいね!

飲み方別・おすすめ茶葉

【ストレートで飲むなら】

→香り高く、適度な渋みがある茶葉がおすすめ。

ダージリン(インド)、キームン(中国)

【ミルクティーで飲むなら】

→しっかりしたコクのある茶葉がぴったり。

アッサム(インド)、ウバ(スリランカ)

【アイスティーで飲むなら】

→色が鮮やかで、渋みの少ない茶葉を使って。

ニルギリ(インド)、アールグレイ

 

いかがでしたか? 基本にもかかわらず、知らないことがたくさんあって、改めて紅茶の世界の奥深さを感じますね。ぜひ、いつもとひと味違う本格的な紅茶を堪能してみてください。次回は、「ティーパーティー」のマナーについてご紹介します。


【取材協力】

『Cha Tea 紅茶教室』

‘02年に開校。日暮里・谷中にある代表講師・立川碧さんの自宅(英国輸入住宅)を開放してレッスンを開催。卒業生は2,000人以上にのぼる。教室でのレッスンの他、早稲田大学オープンカレッジをはじめとする外部セミナー、紅茶講師養成、紅茶専門店のコンサルタントなど幅広く活動。著書に『図説 紅茶 世界のティータイム』(河出書房新社)、『紅茶のすべてがわかる事典』(ナツメ社)など多数。紅茶教室ホームページ http://tea-school.com/

撮影/横田紋子(小学館)

取材・文/岸綾香

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