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丸ごと冷凍で「トマトの皮むき&飴色玉ねぎ」が驚きの早さで!【夏こそ野菜丸ごと冷凍のススメ】

料理研究家の沼津りえさんがおすすめする、野菜の旨味がアップして、調理がラクになる「丸ごと冷凍野菜」。前回に続いて第2弾は、「トマト」と「玉ねぎ」の冷凍法を紹介します。今回はどちらも普段の料理に欠かせないおなじみの野菜。実は凍らせておくと、夏の調理の時短にも繋がるんです!

大活躍する冷凍野菜は「トマト」と「玉ねぎ」だった!

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前回は丸ごと野菜を冷凍する際のメリットやルールを紹介しながら、「きゅうり」と「ピーマン」の冷凍法やレシピを紹介しました。

今回は、夏野菜の代表格「トマト」と、常備野菜のひとつ「玉ねぎ」について。特にこの2つは「冷凍庫にあると便利!」と沼津さんイチオシ。その理由をそれぞれ紹介していきます。

ちなみに、kufuraの動画で紹介した「旨味溶け出すキーマカレー」も冷凍したミニトマト&玉ねぎを使用して、まるで2日目のカレーのような濃厚な味に格上げ! ぜひ、こちらもチェックしてみてください。

【トマト】冷製パスタのソースに便利!皮むきもツルンと手軽に

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特に夏場はトマトを冷凍しておくと、「栄養のある氷のように使えるんです」と沼津さん。トマトは冷凍すると酸味が和らぎ、甘味がアップするので、潰すだけで冷製パスタのソースに早変わりするそう。

「私が夏によく作るのは、凍ったトマトを使った冷製パスタ。大きめに切った冷凍トマトに塩、こしょう、バジルを絡め、パスタと和えるだけ。好みで生ハムやサラダチキンを添えても。凍ったトマトがシャリッと溶けて、麺がキンキンに冷えて引き締まり、とっても簡単なのに感動の美味しさなんですよ」(以下「」内、沼津さん)

さらに、氷感覚でめんつゆに凍ったトマトを入れて、崩しながらそうめんを食べても美味しいそう。凍っているのですぐに水分や旨味が溶け出しやすく、旨味たっぷりのスープになります。もちろん煮込み料理にもおすすめとのこと。

わざわざ湯を沸かす必要なし。水に浸けるだけで皮がスルスルむける!

また、湯むきが必要な料理では、凍ったまま水に浸けるだけで皮が簡単にむけるため、調理の時短にも一役。

「暑い夏に湯を沸かす必要がなく、水に入れるだけで皮がツルンとむけて気持ちいい! トマトだけでなく、ミニトマトも同様に凍らせて使えます。ミニトマトは好きな個数で使えるので、何個か冷凍庫に入れておくと便利ですよ」

【冷凍法&使い方のコツ】保存期間:約1カ月

キッチンペーパーで表面の汚れをさっと拭き、ポリ袋に入れて冷凍します。

使う時は、水に浸すだけで皮がツルンとむけます。煮込み料理には、皮付きのままゴロッと入れてソース代わりに。ざく切りにした冷凍トマトにしょうゆを合わせれば、手軽なトマトポン酢にも。

【冷製トマトパスタ】冷やす手間なし!そうめんやうどんでも美味

【材料】(2人分)

冷凍トマト・・・2個

スパゲッティー・・・150g

バジル・・・4〜5枚

塩・・・小さじ2/3

こしょう・・・少々

オリーブオイル・・・大さじ2

【作り方】

(1)鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩適量(分量外)を加えてスパゲッティーを袋の表示時間通りにゆでる。

(2)冷凍トマトは水に2〜3分浸し、手で皮をむいてからざく切りにする。ボウルに入れ、バジルをちぎって加え、塩、こしょうで調味する。

(3)スパゲッティーがゆで上がったら流水で洗って水気を切り、(2)に加えて混ぜる。器に盛り、オリーブオイルを回しかける。

【玉ねぎ】飴色玉ねぎが5分で完成!ハンバーグもふっくら

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そして何と言っても丸ごと冷凍に適しているのが、実は「玉ねぎ」なんだとか!

「冷凍することで玉ねぎ特有の尖った辛味が抜け、クセも和らぎます。凍っているので成分が飛び散らないから、みじん切りにしても涙が出ない! しっとりしているので、切る時に飛び散りにくいのも嬉しい」

さらに、ぜひ試してほしいのが「飴色玉ねぎ」と沼津さん。なんと飴色玉ねぎが5分前後で完成するそう!

「通常はじっくりと生の玉ねぎを1時間近く炒めて作る飴色玉ねぎが、凍らせることで細胞が壊れ、水分がすぐに出てくるので、なんと5分程度で完成します。オニオングラタンスープや濃厚なカレーを作る時におすすめですよ」

そして、冷凍玉ねぎはハンバーグにもぴったり。凍った玉ねぎを使うことで、ひき肉を冷やしながら混ぜることができるため、肉の脂が溶け出しにくく、驚くほどジューシーに。パン粉や牛乳を使わなくても水分が出るので、ふんわりやわらかく仕上がります。

【冷凍法&使い方のコツ】保存期間:約1カ月

キッチンペーパーで表面の汚れをさっと拭き、ポリ袋に入れて冷凍します。

水に30秒〜1分浸すと表面が溶け出して、皮がツルンとむけます。硬い時はさらに30秒〜1分浸すと切りやすくなります。凍ったまますぐに調理しましょう。

【ジューシーハンバーグ】冷凍玉ねぎの力で、肉の旨味を閉じ込める

【材料】(2人分)

冷凍玉ねぎ・・・1個(150g)

合いびき肉・・・200g

サラダ油・・・小さじ1/2

添え野菜(冷凍ピーマン、冷凍ミニトマトなど)・・・適量

 

[A]

塩・・・小さじ1/3

こしょう・・・少々

ナツメグ・・・少々

 

[ソース]

トマトケチャップ・・・大さじ2

水・・・大さじ2

完全に解凍しなくてもサクサク切れ、涙が出る心配もナシ。冷たいままひき肉と合わせるので肉の温度が上がらず、脂が閉じ込められてジューシーに仕上がります。

【作り方】

(1)冷凍玉ねぎは水に少し浸して皮をむき、さっと洗って粗めのみじん切りにする。

(2)ボウルに(1)とAを入れて混ぜ、ひき肉を加えて粘りが出るまでよく混ぜ(スプーンで混ぜると手が汚れず、手の熱で脂も出ないのでよりジューシーになる)、2等分して小判形にする。

(3)フライパンにサラダ油を熱し、(2)を並べて強火で1分焼いて返す。添え野菜を加えてふたをし、弱火で8分蒸し焼きにする。器にハンバーグを盛り、野菜を添える。

(4) (3)のフライパンにソースの材料を入れて火にかけ、とろみがついたら(3)のハンバーグにかける。

いかがでしたか? 早速、「丸ごと冷凍野菜」を始めたくなった人は、まずは2〜3個、冷凍庫に忍ばせてみてください。何個も冷凍するとスペースを取るので、調理の下ごしらえという感覚でまずは少量ずつ始めてみるのがおすすめです。夏の調理の時短にも繋がるので、ぜひお試しを!


【参考書籍】

『野菜まるごと冷凍レシピ』

著/沼津りえ 1,287円(Kindle版) 主婦の友社

野菜は、洗う、切るなどの下処理なしで、そのまま「丸ごと冷凍しておく」のが正解でした! 毎日のおかず作りが超ラクチンになるうえ、節約にも一役。

本書をパラパラめくると、野菜を丸ごと冷凍することのメリットが盛りだくさんで、すぐに始めたくなること間違いなし。

毎日のごはん作りを助けてくれる、「冷凍野菜だからこそ!」の便利で美味しい食べ方が満載です。

沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)、『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

岸綾香
岸綾香

ライター&エディター。『女性セブン』(小学館)で約 20年、料理、家事、美容、旅、タレント取材など、実用記事を中心に幅広いジャンルで取材&執筆を行う。『kufura』では2017年のローンチより、料理やヨガなどを中心に動画記事を350本以上作成。好きなものは絵本、美術館、音楽フェス、自転車。週刊誌で鍛えられた体力&根性で 40代から子育て奮闘中。

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