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【夏こそ野菜丸ごと冷凍のススメ】きゅうり&ピーマン編!調理時間を短く&旨味もアップ

夏野菜が美味しい季節。家庭菜園がある人は、どんどん育つ夏野菜の消費に困っている人も多いのではないでしょうか? そんな時は、潔く「丸ごと冷凍する」のが実はおすすめ! 

調理がグンと早くなり、美味しさもアップ。そのノウハウを1冊にまとめた『野菜まるごと冷凍レシピ』の著者であり、kufuraの動画記事でおなじみ、沼津りえさんに手軽なレシピと共に便利な丸ごと冷凍法を教えてもらいました!

冷凍するとメリットいっぱい!“丸ごと”凍らせるのがポイント

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いろいろな冷凍法がありますが、沼津さんの方法が画期的なのは、野菜をカットせず、「丸ごとそのまま冷凍する」こと。まずは、驚きのメリットを紹介します。

1:冷凍前の下処理が不要

冷凍する前に、洗ったり、切ったりする手間が一切不要。切らずに丸ごと冷凍した方が美味しさをキープできます。表面が汚れていたら、ペーパーなどでさっと拭き、ポリ袋に入れるだけでOK! 作業時間はたったの10秒です。

2:冷凍することで美味しさアップ!

冷凍すると、適度に水分が抜けて味がギュッと凝縮されます。野菜本来の甘味が引き立ち、クセが和らいで、グンと食べやすく。トマトやきのこに関しては、旨味もアップします。

冷凍すると皮がスルスルとむける!

3:調理前の下ごしらえがラクになる

冷凍室から出すと葉野菜はしんなりしてくるので、熱湯をかけるだけで下ゆでと同じ効果が。トマトは水に浸けると皮がつるんとむけて、わざわざ湯むきする必要なし。里いもや玉ねぎも、水に少し浸すだけで、簡単に皮を薄くむくことができます。

4:火の通りが早く、味が染み込みやすい

冷凍すると細胞内の水分が凍って膨張するため、細胞内の組織が壊れた状態に。そのため、加熱すると水分がいち早く出てきます。すぐにやわらかくなり、壊れた細胞に調味料が素早く入るので、味が染み込みやすくなって一石二鳥!

5:生とは違った食感を楽しめる

いも類や根菜類は、ギュッと肉質が締まって、加熱するとねっとり感が増して濃厚な味わいに。キャベツやズッキーニは凍ったまま食べると、シャリシャリ、ひんやりして新感覚の美味しさです。

これだけ守ればOK!丸ごと冷凍「5つのルール」

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美味しく仕上げるために、守るべきルールはたったの5つ。とっても簡単なことなので、これさえ守ればOKです。

1:買ったらすぐに冷凍せよ

鮮度を保つために、早めの冷凍を。食材を購入した日に使わない分は、調理を始める前にさっと冷凍してしまいましょう。洗ったり切ったりする必要がないので、野菜がキレイなら、買ってきた袋のまま、冷凍庫へGO!

2:水気は禁物!

野菜に水分がついていると、変色や腐食することも。水洗いはできるだけ避け、汚れを拭き取ってから冷凍するのがおすすめ。もし水気がある時は、しっかり拭いてから冷凍を。

3:冷凍室から出したらすぐに調理を

冷凍野菜は外気に触れると解凍が始まり、次第に水分が出てきます。水分には旨味も含まれているため、早めの調理が原則です。調理の準備を整えてから、冷凍庫から野菜を取り出しましょう。

にんじんなどの根菜類は水に1分浸すとすぐにサクサク切れる。
焼く時は冷凍のままフライパンに入れればOK!

4:保存期間は基本1カ月を目安に

丸ごと冷凍した野菜を美味しく食べ切るなら、冷凍保存期間は1カ月を目安に。ただし、スナップエンドウは食感が落ちるので、2週間程度が◎。冷凍した日付けを書いたメモを野菜と一緒に入れておくと、いつ冷凍したかひと目で分かって便利です。

5:再冷凍はNG!

解凍して水分が出てしんなりした野菜を再冷凍しても、既に旨味が溶け出しているので、あまり美味しくありません。使う分だけを取り出して、すぐに調理を心がけましょう。

以上、丸ごと冷凍のルールが分かったところで、今回は夏野菜の代表格「きゅうり」と「ピーマン」について沼津さんに詳しく解説してもらいました。

【きゅうり】冷凍すると天日干ししたような新食感に!

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夏はヘビロテ必至のきゅうり。大人も子どもも大好きな人気の夏野菜です。家庭菜園でも育てやすく、どんどん消費しないとすぐに大きく育ってしまいますよね。そんな時に便利なのが、丸ごと冷凍!

「きゅうりは冷凍すると水分が抜けやすく、天日干しにしたような食感になります。すぐに水分が抜けるので炒めものに最適で、鶏肉や豚肉、いかやえびと炒めても美味しいですよ。

生のまま炒めると外だけ火が入って、なかなかしんなり炒めることができませんが、冷凍きゅうりなら炒め始めるとすぐに水分が抜け出して、適度な歯応えが残って絶妙です。

さらに、漬け物にすると水分が抜けやすく、細胞が壊れたところに調味液がすばやく染み込むので、通常よりも早く漬けることができます」(以下「」内、沼津さん)

先日、kufuraの動画記事で公開した沼津さんの「悪魔的きゅうりの一本漬け」は冷凍きゅうりでも同様に作ることが可能です。凍ったきゅうりを使えば、漬ける時間が通常の半分(30分くらい)になるそう。ぜひ、こちらも試してみてください。

【冷凍法&使い方のコツ】保存期間:約1カ月

キッチンペーパーで表面の汚れをさっと拭き、ポリ袋に入れて冷凍します。

使う時は、冷凍室から取り出してさっと洗い、すぐに調理を。炒める時は、きゅうりの水分がある程度飛んだ後に、油を加えるのがコツ。初めから油を入れて炒めると、すぐに水分が出るので油がはねる恐れが。後から油を加えることで、油はねせずに、水っぽくなるのを防げます。

【きゅうりチャーハン】ほどよく水分が抜けたきゅうりがアクセント!

【材料】(2人分)

冷凍きゅうり・・・1本

卵・・・1個

ちりめんじゃこ・・・20g

温かいごはん・・・茶碗2杯分

塩・・・少々

こしょう・・・少々

しょうゆ・・・小さじ2

ごま油・・・小さじ1

冷凍室から出して洗うと、すぐに切れます。切ったら、すぐに炒めるのが水っぽくならないコツ!

【作り方】

(1)冷凍きゅうりはさっと洗い、乱切りにする。卵は溶きほぐす。

(2)フライパンを熱し、きゅうりを強火で焼きつける。出てきた水分が飛んだら、ごま油を加え、じゃこ、溶き卵、ごはんを順に加え、ごはんをほぐしながら炒め合わせる。

(3)塩、こしょう、しょうゆで味付けする。

【ピーマン】冷凍すると苦味や青臭さが和らぐ

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意外と火が入りにくいピーマンは、実は丸ごと冷凍にもってこいの野菜です。

「凍ることで水分が膨張して野菜の細胞が壊れるため、すぐに水分が出て、火の通りが劇的に早くなって驚きます! 火の通りが早くなるので、朝の忙しい時のお弁当作りにも便利。ウインナーとチャッチャと炒めたら一品完成です。

切る時もサクサク切れて、種が飛び散ることもありません。調理の手助け、下ごしらえの一環として、前日に冷凍庫に1つ忍ばせておくだけで、翌朝ラクになりますよ」

さらに、ピーマンだけでなく、ゴーヤーなど苦味のある野菜は、冷凍してから調理すると、苦味や青臭さが和らぐそう。いいこと尽くしの冷凍野菜ですね!

【冷凍法&使い方のコツ】保存期間:約1カ月

キッチンペーパーで表面の汚れをさっと拭き、ポリ袋に入れて冷凍します。

使う時はさっと洗うだけで、すぐに切れて快適。食感を残したい時は縦に、やわらかく仕上げたい時は横に切りましょう。種まで美味しく食べられますよ。

【丸ごと焼きピーマン】種までやわらかい!ごま油で焼いても美味

【材料】(2人分)

冷凍ピーマン・・・2個

塩・・・少々

こしょう・・・少々

オリーブオイル・・・小さじ1/2

冷凍のまま丸ごと焼き始めることで、水分が出て空洞部分が蒸され、中までやわらかく仕上がります。水分が飛んだら、油を加えて香ばしく焼きつけてください。

【作り方】

(1)冷凍ピーマンはさっと洗い、フライパンに並べて火にかける。

(2)水分が飛んだらひっくり返し、塩、こしょうを振る。オリーブオイルを回しかけ、全体に焼き色をつける。

いかがでしたか? とっても便利な丸ごと冷凍野菜。調理がラクになり、美味しさもグンとアップするので、消費できずに腐らせてしまう前に、この夏は思い切ってそのままぜひ冷凍を! きっと新感覚の美味しさに出合えるはずです。次回は「トマト&玉ねぎ」の冷凍法をお届けします。


【参考書籍】

『野菜まるごと冷凍レシピ』

著/沼津りえ 1,287円(Kindle版) 主婦の友社

野菜は、洗う、切るなどの下処理なしで、そのまま「丸ごと冷凍しておく」のが正解でした! 毎日のおかず作りが超ラクチンになるうえ、節約にも一役。

本書をパラパラめくると、野菜を丸ごと冷凍することのメリットが盛りだくさんで、すぐに始めたくなること間違いなし。

毎日のごはん作りを助けてくれる、「冷凍野菜だからこそ!」の便利で美味しい食べ方が満載です。

沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)、『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

岸綾香
岸綾香

ライター&エディター。『女性セブン』(小学館)で約 20年、料理、家事、美容、旅、タレント取材など、実用記事を中心に幅広いジャンルで取材&執筆を行う。『kufura』では2017年のローンチより、料理やヨガなどを中心に動画記事を350本以上作成。好きなものは絵本、美術館、音楽フェス、自転車。週刊誌で鍛えられた体力&根性で 40代から子育て奮闘中。

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