部位別の栄養を比較してみた!
null前回は、豚肉に含まれるビタミン類やアミノ酸などの作用、また栄養を効率よく摂取するための調理法などについて解説しました。
今回は、部位ごとの特徴について見ていきましょう。豚肉は大まかに以下のような部位に分かれて販売されています。それぞれにカロリーや脂質などの量が異なるので、比較してみます。
カロリーが高い順に並んでいます。同じ豚肉でも特にカロリーや脂質、たんぱく質の量は大きく異なることが分かりますね。
※すべて100gあたりの数値。文部科学省「食品標準成分表2020年版(八訂)」 内、肉類/畜肉類/ぶた/大型種肉の数値を参照しています。
では、それぞれの部位の特徴や、代表的な調理方法について見ていきましょう。
ばら:脂身が多く高脂質・高カロリー
今回取り上げる中で、もっとも脂質が多く、高カロリーな部位。赤身と脂肪が折り重なり、層になって見えるのが特徴です。薄切りは、炒め物、煮物、鍋など幅広い料理に使われます。骨付きのばら肉は「スペアリブ」と呼ばれ、煮たり焼いたりして食べられます。
ロース:ジューシーな脂身が特徴!
ほどよく脂肪がのった部位。かたロースよりも脂質はやや高く、ばらに次いで高カロリーです。特徴は、きめ細かい肉質。価格としては、豚ヒレ肉と並ぶほど、最上級の部位でもあります。すき焼き、トンカツなどに使われ、贅沢でジューシーな食べ応えです。
かたロース:脂質と赤身のバランスが良好
ロースよりやや低脂質・低カロリーです。価格はロースに次いで高価。脂肪が粗く網目のように赤身に混ざっているのが特徴です。コクのある味わいで、薄切りなら、しょうが焼きや肉じゃがに向いています。ブロックでは、チャーシューや煮豚が作れます。
もも:低カロリー・低脂質・高たんぱく!
赤身であるヒレに次いで低カロリー・低脂質・高たんぱくで、ビタミンB1も豊富です。もものブロックは低温でゆっくり加熱するとやわらかくなる特徴を活かし、ボンレスハムやローストポーク、焼豚などに使われています。
ヒレ:低脂質でヘルシー!ビタミンB1を多く含む
最上級の赤身の部位。レバーを除いた部位のなかで、もっとも低カロリー・低脂質・高たんぱくです。ほかの部位に比べ、ビタミンB1は桁違いに多く含まれています。きめ細やかな肉質で、油を使う料理に向いています。また、低脂質のため、加熱しすぎると硬くなりやすい特徴もあります。
豚小間切れ肉ってどんな肉?
豚小間切れ肉は、豚肉のカット加工の際にでる切れ端を集めたもの。「豚肉の切り落とし」ともいわれています。リーズナブルな価格ですが、高級部位が含まれていることも。炒め物や煮物など、幅広く使えるため、節約食材としても人気です。
豚肉を上手に活用しよう!
豚肉の各部位の特徴と選び方を解説しました。豚肉は部位によって栄養価が変わり、肉質や味もさまざま。豚肉の脂質が気になるときは、脂身を切り落とすことで、カロリーダウンすることもできますよ。豚肉の選び方を参考に、上手に豚肉を活用してくださいね。
撮影:黒石 あみ(小学館)
【参照】
・文部科学省「食品標準成分表2020年版(八訂)」
・農林水産省webマガジンaff(あふ)「豚の部位図鑑」日本食肉消費総合センター監修
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2009/pdf/aff2009_02_poster03.pdf
(最終参照日:2023/3/12)
フードライター×管理栄養士。好きな食べものは野菜とフルーツ。食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。
「食材をシンプルにおいしく」誰にでも作れる簡単レシピを提案している。