鶏肉の部位別の栄養素の違いをじっくり解説!
null前回は鶏肉全体での栄養上の特徴について見てきました。今回は、部位別の栄養の違いについて解説します。
それぞれにカロリーやたんぱく質量、ビタミン類の量などが異なるため、主な部位について比較してみました。むね、ももは皮つき・皮なしで比較しています。
※以下はすべて、若どり/生/100gあたりの数値です。
特にむねやももでは、皮があるかないかでカロリーや脂質の量に大きな差が出ることが分かりますね。
使う料理や目的別にどの部位を選べばいい?
nullむね肉:低脂肪・低カロリー・高たんぱく
むねの部分の肉で、脂肪が少なく低エネルギーで高たんぱくなのが特徴です。白っぽい色をしている肉質はやわらかくて味は淡白。とり天やチキンカツなど油を使った調理や蒸し料理などに向いています。
もも肉:しっかりした食感・高たんぱくだが脂質も多め
ももの部分の肉で、ほかの部位に比べて筋肉がしっかりとしているため、かためな肉質をしています。たんぱく質と脂肪が多く、味にうま味とコクがあります。鶏肉の中でも鉄分が豊富で、肉色も赤みがはっきりとしています。唐揚げやローストチキン、照り焼きなど、幅広く使われます。
ささみ:やわらかい食感・高たんぱく・低脂質
鶏の深胸筋で「第二の胸筋」といわれ、もっともやわらかい部位で左右に一つずつあります。牛肉や豚肉の「ヒレ」に相当し、たんぱく質は鶏肉の中で一番多く脂肪が少ないのが特徴です。あっさりとした風味を活かして、サラダや和え物、ささみフライなどの用途があります。
手羽先:やわらかめ・ゼラチン質が多くコクがある
腕から羽までの部分である「手羽」は「手羽元」と「手羽先」に分かれます。手羽先は、さらに、「手羽はし」と呼ばれる先の方と「手羽中」に分けられます。肉は少ないもののやわらかく、ゼラチン質や脂肪が多いため、コクのある濃厚な味わいを楽しめます。スープやカレーなどの煮込み料理や揚げ物のほか、焼き物や水炊きなどに使われます。
手羽元:ボリュームあり・うま味たっぷり
手羽の中で胸に近い上腕部分で、ウイングスティックともよばれます。やわらかで肉付きがよく食べ応えがあり、手羽先と比べると脂肪分が少なくあっさりとしています。骨からもよいだしが出るので、煮込み料理やスープにも向いている他、焼き物にもおすすめです。
以上、よく使われる鶏肉の部位ごとに、栄養や味の上でどんな特徴があるか調べてみました。和洋中幅広い調理法がある鶏肉。美容や健康を考える際に必要な栄養などを意識して、選ぶ際の参考にしてみてください!
撮影:黒石 あみ(小学館)
【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・「食材の基本がわかる図解事典」成美堂出版
・「知っておいしい肉事典」実業之日本社
・「農林水産省webマガジン」鶏の部位図鑑
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2009/pdf/aff2009_02_poster05.pdf
・「日本食肉消費総合センター」
http://www.jmi.or.jp/
(最終参照日2023/3/22)
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。大学卒業後、食品メーカー勤務を経て管理栄養士の道に進む。
食の大切さを伝えるため、コーチングを取り入れたバレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、親子クッキングや離乳食講座などの料理教室、レシピ・コラムの提供、栄養講座、研究機関協力など幅広く活動。
現場の生の声から多くを学びながら、おとなと子どもの食育サポートに力を注いでいる。