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うま味の宝庫「干しえび」を使いこなして料理をワンランクアップ【乾物と仲良くなろう!】

昔から身近にあるけれど、ちょっと手を出しにくいという人も多い乾物。でも実は、生の状態より水分が抜けて成分が凝縮されていることで栄養パワーがアップしていることが多く、長期保存も可能なため、使いこなせるとたくさんいいことがある食材なんです。

そんな乾物の栄養情報に加え、基本の戻し方やおいしいレシピを、栄養士であり料理家であるあーぴんさんが紹介してくれるシリーズです。

第12回目は「干しえび」。中華料理やエスニック料理に使われることの多い食材ですが、おいしい「えび出汁」の素と考えれば、活用の幅が広がりそうです!

干しえびの基礎知識

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こんにちは。栄養士の道添明子です。料理家「あーぴん」として、時短簡単・おいしい・お洒落な、“みんなが笑顔になれる幸せごはん”の料理教室を主宰、簡単レシピを毎日SNSで発信しています。今回は、「干しえび」を取り上げます。

これは、「干しえび」?

■干しえび

小えびを乾燥させたもので中華料理によく使われ、生のまま乾燥させた「素干し」と塩茹でして乾燥させた「煮干し」があり、水やぬるま湯で戻して使います。スープ、炒め物、中華のおこわなどに使われます。今回取り扱うのはこちらです。

■桜えび

桜えび類を素干しにしたもので、水戻しせずにそのままお好み焼き、かき揚げなどに使われます。国産が多いです。

■あみえび

えびではなく「おきあみ」ですが、赤く着色されて「あみえび」とか「干しえび」として売られています。桜えびよりも小さく価格も安いです。

買うときに、この3つは間違えやすいのでご注意くださいね。

干しえび10gあたりの栄養情報

・エネルギー:21kcal
・たんぱく質:4.86g
・カルシウム:710mg
・マグネシウム:52mg
・鉄:1.5mg

カルシウムは骨や歯を作るのに欠かせない栄養素。マグネシウムもカルシウムと共に骨や歯を作ります。カルシウムやマグネシウムは、ビタミンDやビタミンKと一緒に食べると、より効率よく吸収されます。ビタミンDはきのこや魚介類、ビタミンKは青菜類に多く含まれるので、食材の組み合わせを考えるときはぜひ参考にしてみてください。

参照:「日本食品標準成分表2020年版八訂」

干しえびの扱い方

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水やぬるま湯で戻して使います

さっと水洗いして水やぬるま湯につけて戻します。戻し汁にも旨味が出ているので、出汁として使います。

15分以上ぬるま湯に浸けると早く戻りますが、水でじっくり戻すとエビがふっくら戻り、旨味が増します。急ぐ場合には電子レンジで戻すこともできます。戻すと大きさは約1.5倍になります。

スープなどにする際には戻さずにそのまま使えます。また、刻んで使う場合は刻んでから戻すと早く戻り時短になります。

フードプロセッサーで細かくして、青のりやごまを混ぜてふりかけにしてもおいしいですよ。

旨味トリプル!干しえび・きのこ・ツナの炊き込みご飯

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干しえびのグルタミン酸、ツナ缶のイノシン酸、きのこのグアニル酸と、トリプルの旨味の相乗効果が味わえる中華風の炊き込みご飯。。具材は下煮の必要もなく、炊飯器に入れるだけ。米をもち米にすれば中華風おこわになります。おにぎり、焼きおにぎりにしても。秋の行楽のお弁当にも最適です!

干しえびは軽く戻して使いました。時間がある場合にはじっくり時間をかけて戻すとよりおいしくなります。しめじを使いましたが、舞茸、エリンギ、しいたけ、などお好みのきのこで。

ツナ缶は水煮タイプも使えますが、その場合はごま油を大さじ1.5に増やすとコクが出ます。

【材料】4人分(米2合分)

・米 2合(360ml)
・ツナ缶(油漬けタイプ) 小1缶(170g)
・しめじ 1パック(100g)
・干しえび 15g(ぬるま湯100mlで戻す)
・水 干しエビ戻し汁とあわせて300ml
・青ねぎ(小口切り) 2本
・すだち 2〜3個(お好みで)
・白いりごま 適量
<調味料>
・白だし 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
・ごま油 大さじ1

下準備

・米は研いでザルに上げておく。
・しめじは石づきを取り小房に分ける。
・干しえびはぬるま湯に5分程度浸けて戻す。
・青ねぎは小口切り。
・干しえびの戻し汁に水を加えて300mlにし、<調味料>をあわせる。
※これで合計360mlになります。

【作り方】

炊飯器の内釜に米と混ぜ合わせた調味液を入れ、しめじ、ツナ缶(缶の油ごと)、干しえびを乗せて炊飯モードで炊く。

鍋で炊く場合は、中火にかけて沸騰したら弱火にして10分加熱し、火を止めたあと10分蒸らす。

炊き上がったら底からご飯を混ぜ、器に盛り、青ねぎ、すだち、白いりごまを添える。

モチモチ食感!肉汁ジューシー大葉餃子

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生春巻きの皮を使う焼き餃子です。餃子の皮で作るよりモチモチに仕上がります。春雨と干しえびはレンジ加熱で戻すから簡単! 豚ひき肉と干しえびの旨味が春雨にしみこみ、たまらないおいしさです。大葉の香りも爽やかなエスニック餃子に仕上がりました。

肉汁ジューシーのポイントは肉だけの段階で調味料をしっかり混ぜ、水分を肉に吸わせることです。ねぎを2種入れていますが、長ねぎのみでも。また、ねぎをにらに変えてもOKです。

【材料】3人分(10×4cmの餃子8個分)

・豚ひき肉 100g
・春雨 40g
・干しえび(粗く刻む) 10g
・水 100ml
・長ねぎ(みじん切り) 1/2本
・小ねぎ(小口切り) 3本
・大葉 8枚
・生春巻きの皮 8枚(各10g)
・ごま油 大さじ2

<調味料>
・しょうゆ 大さじ1
・酒 大さじ1
・ごま油 大さじ1
・鶏がらスープの素 小さじ1
・おろしにんにく 小さじ1
・おろししょうが 小さじ1
・オイスターソース 小さじ1
・片栗粉 大さじ1

【作り方】

(1)耐熱ボウルに、干しえび、春雨、水を入れてラップをして、電子レンジ(600W)で1分半加熱する。春雨が長い場合にはハサミで切る。

(2)ボウルに豚ひき肉、<調味料>をすべて入れて混ぜてから、(1)、長ねぎ、小ねぎを加えて混ぜ、肉だねを作る。

(3)生春巻きの皮はさっと水で湿らせて、まな板の上に置き、(2)を8等分して乗せる。

※生春巻きの皮は水に浸けすぎると破れるので、さっとくぐらせる程度にします。

(4)春巻きの皮を下から折り上げてから両端を折り、最後に大葉をのせて包む。同様に8本作る。

(5)フライパンにごま油を中火で熱し、両面をこんがり焼く。器に盛り、お好みでポン酢を添える。

【レンジで2分】小松菜と干しえびのうま塩ナムル

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小松菜は、干しえびのカルシウムの吸収を良くするビタミンKが豊富。電子レンジで簡単に作れるナムルに仕上げました。お弁当に入れる場合にはにんにくの代わりにおろししょうがを入れるとにおいが気になりません。

小松菜をレンジで蒸す際に、干しえびを戻した汁を使います。えびの旨味が存分に味わえます。

【材料】(2〜3人分)

・小松菜 1袋(200g)
・干しえび 10g
・ちくわ 2本(50g)
・白いりごま 大さじ1

<調味料>
・ごま油 大さじ1
・しょうゆ 小さじ1
・鶏がらスープの素 小さじ1
・砂糖 小さじ1
・おろしにんにく 小さじ1
・塩 ひとつまみ
・白すりごま 大さじ1

下準備
・小松菜は4cm長さに切り、葉先と茎に分けておく。
・干しエビは10分程度水大さじ2に浸けておく。
・ちくわは縦に開き、斜めに5mm幅に切る。

(1)小松菜の茎、干しえびを耐熱ボウルに入れ、干しえびの戻し汁大さじ1を加えて、ラップをして、電子レンジ(600W)で1分加熱する。

(2)ちくわ、小松菜の葉、<調味料>を加え、ラップをして電子レンジ〈600W〉で50秒加熱する。器に盛り、白いりごまを散らす。

カルシウム、マグネシウムなどが豊富で骨や歯の健康、骨粗しょう症の予防にも役立つ干しえび。ほんの少し加えるだけで旨味が増し、お料理がワンランクアップします。スープなどは戻さずに使うこともできるのでより手軽。

これまで使ったことがないという人も、ぜひ一度試してみてくださいね。

道添明子(あーぴん)
道添明子(あーぴん)

栄養士、料理家。
日本女子大学食物学科卒業。大手食品会社にて新製品の企画開発などに携わる。その後企業向けの料理レシピ開発、シルバー大学や料理教室講師、企業の健康栄養セミナーなどで幅広く活躍。
「健康な体は毎日の食生活から」をモットーに、初心者でも作りやすいよう調理法を工夫し、素材を生かしたメニューを得意とする。各種SNSで日々レシピ情報を更新中。

https://lit.link/apinakikomichizoe

新刊『旬と野菜を愉しむあーぴんの絶品おかず』(宝島社)2023年9月13日発売!

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