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昆布の種類から出汁の取り方、食べ方まで丸わかり!「昆布の基礎知識」【乾物と仲良くなろう!】

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昔から身近にあるけれど、ちょっと手を出しにくいという人も多い乾物。でも実は、生の状態より水分が抜けて成分が凝縮されていることで栄養パワーがアップしていることが多く、長期保存も可能なため、使いこなせるとたくさんいいことがある食材なんです。

そんな乾物の栄養情報に加え、基本の戻し方やおいしいレシピを、栄養士であり料理家であるあーぴんさんが紹介してくれるシリーズです。

第9回目は「昆布」。利尻、日高などのいろいろな種類があるので選ぶときに迷ってしまう、出汁をとるのが難しそう……などのイメージもありますね、簡単な出汁のとり方や食物繊維豊富な昆布をおいしく食べるレシピまで、じっくりご紹介します。これを読めば昆布をもっと使ってみたくなること間違いなし!

まずは昆布の種類、産地を知ろう!

こんにちは。栄養士の道添明子です。料理家「あーぴん」として、時短簡単・おいしい・お洒落な、“みんなが笑顔になれる幸せごはん”の料理教室を主宰、簡単レシピを毎日SNSで発信しています。

今回は和食の出汁の定番、昆布についてご紹介します。基本の昆布出汁のとり方や、栄養、また出汁をとったあとの出汁ガラの利用法、手軽な切昆布についてなど、おすすめレシピとともにご紹介します。

まずは、意外と迷いがちな昆布の種類について解説します。

産地による違い

たくさんの種類がある昆布。使う料理によっても選び方が変わりますので、代表的なものを紹介します。

奥が日高、左が羅臼、手前が利尻昆布。

真昆布:代表的な昆布、肉厚で幅も広い。きれいに澄んだ出汁がとれます。

利尻昆布:味が濃く香りも高く、透明な澄んだ出汁がとれます。お吸い物や懐石料理に。

羅臼昆布:非常に濃厚なコクのある出汁がとれるため、煮物や鍋物に。

日高昆布:「三石(みついし)昆布」という種類の昆布の中で、特に日高地方でとれたものを指します。柔らかく煮えやすいので、昆布巻きや煮物に使われます。

がごめ昆布:表面にかごの目に似た凹凸があり、粘りが強く、とろろ昆布やおぼろ昆布、納豆昆布の原料です。

昆布の加工品

昆布には様々な加工品があります。

・とろろ昆布とおぼろ昆布
おぼろは昆布の面を薄く職人が手で削り上げ、とろろは甘酢に浸した昆布を重ねて圧縮し、機械で薄く削ります。

奥側右が塩昆布、左が納豆昆布、手前が細切り昆布。

・細切り昆布/納豆昆布/塩昆布

細切り昆布は日高昆布を機械で細く切っただけの塩味のないものですが、塩昆布は細切りにした昆布に塩や調味料で味をつけています。料理に使う際には塩分に注意してください。

また、納豆昆布は粘りの強いがごめ昆布を細く切ったもので、水分を含むと粘りが出ます。

ミネラル・食物繊維の宝庫!昆布の栄養情報

乾燥真昆布100gあたりに含まれる栄養

・食物繊維総量:32.1g
・カルシウム:780mg
・ヨウ素:20000μg

※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

海藻といえば食物繊維が豊富です。「フコイダン」、「アルギン酸」は、コンブ、ワカメ、モズクなどの海藻に含まれる水溶性食物繊維の一種。腸内環境を整えて、免疫力アップやコレステロールの上昇を抑える働きがあります。

また、骨や歯を作るカルシウムも豊富。ヨウ素は甲状腺ホルモンの形成に役立ち、肌や髪を美しくする女性には嬉しい食品ですが、摂り過ぎるとホルモンバランスが崩れやすくなるので注意が必要です。

さらに、昆布は旨味成分のグルタミン酸が豊富です。

難しくない!昆布出汁のとり方

基本の昆布だしは、水1L・昆布10〜15gを使用します。昆布の重さは水の1%くらいが目安です。昆布の表面の白い粉は旨味成分なので、洗わずに硬く絞った布巾などでサッと拭きます。

※昆布は戻すと4〜6倍の重さになります。

■水出し

昆布を水に浸して冷蔵庫に一晩入れるだけです。すっきりした出汁がとれます。

※水出しした昆布は捨てずにもう一度煮出して出汁をとったり佃煮にできます。

■煮出して出汁を取る

水出しより濃厚な出汁がとれます。鍋に水と昆布を30分くらい前に浸しておき、火にかけます。沸騰させてしまうとアクやえぐみが出てしまうので、沸騰する直前に昆布を取り出します。

※この昆布も二番だしや煮物、佃煮に使えます。

昆布とかつおの出汁のとり方/出汁ガラで作る佃煮

昆布出汁にかつお節を加えると、コクのあるあわせ出汁がとれます。

一番出汁をとった昆布はまだまだ旨味や栄養成分が残っているので、捨てずに活用しましょう。ここでは佃煮を作ります。昆布は厚さや種類によって加熱時間が変わるので、様子を見て、水を足しながら柔らかくなるまで煮てください。

【材料】(作りやすい量)
<出汁>
・昆布 10g
・けずり節 10g
・水 1L

<佃煮 調味料>
・水 2カップ
・しょうゆ 50ml
・砂糖 大さじ3
・みりん 大さじ2
・酢 大さじ1

・白いりごま 大さじ2

【作り方】

(1)<出汁>昆布は濡らしたキッチンペーパーなどでさっと拭き、分量の水に20〜30分浸ける。

(2)鍋を中火にかけて、昆布の周りに小さな泡が出て、沸騰する手前で昆布を取り出す。けずり節を一気に加えて、再沸騰の直前で火を止める。

(3)そのまま少し置き、けずり節が沈んだら、ふきんや厚手のキッチンペーパーなどでこす。

(4)<佃煮>だしガラ昆布は1cm角に切り、かつお節が大きい場合はハサミを入れて細かくしておく。

(5)鍋に<佃煮 調味料>の材料をすべて入れ、だしガラ昆布とかつお節を入れて、アクを取りながら昆布が柔らかくなるまで煮る。

(6)汁気がほとんどなくなるまで煮たら、水分を炒るようにしてとばし、白いりごまを混ぜてできあがり。冷蔵庫で1週間〜10日程度保存可能です。

放っておくだけでOK!昆布たっぷり五目豆

昆布そのものを食べる料理には、昆布巻き、おでんの結び昆布などがあります。ここでは昆布を具のひとつとして使った、昔懐かしい和風の煮物「五目豆」に。出汁をとった昆布を具材にも利用するため、昆布の風味が濃厚です。野菜がたっぷり食べられて、お弁当のおかずに、副菜の一品にと便利な常備菜に。

大豆は水煮缶を使えば簡単です(ドライパックの大豆でもOK)。大豆は早く入れると煮崩れてしまうので、最後に加えます。全部の材料を大豆と同じサイズに切るのがポイントです。

「五目豆」とは言いますが、5種類にこだわらずお好みの材料で作れます。これ以外にも油揚げ、干ししいたけ、厚揚げなどもおすすめ。干ししいたけを使った際はしいたけの出汁で煮てもおいしく作れます。

【材料】(4人分 大豆水煮缶1缶で作りやすい分量)

・大豆水煮缶 1缶(100g)
・にんじん 1本(100g)
・ごぼう 1本(100g)
・昆布 15g
・こんにゃく 1枚(200g アク抜き済み)

<調味料>
・昆布の出汁 300ml
・砂糖 大さじ2
・しょうゆ 大さじ2
・みりん 大さじ1
・酒 大さじ1

下準備

  • 昆布は1Lの水に浸けて、冷蔵庫で一晩おく(昆布15gは20cm角くらいの大きさです)。
  • 翌日昆布を取り出し、1cm角に切る。
  • にんじんは1cm角に切る。
  • ごぼうは1cm角に切る。
  • こんにゃくはアクを抜いて、格子状に切り込みを入れて1cm角に切る。

【作り方】

(1)鍋ににんじん、ごぼう、昆布、こんにゃくを入れ、<調味料>加えて蓋をし、中火で7〜8分加熱する。

(2)野菜が柔らかくなったら、大豆水煮缶の水気を切って加える。汁気が少し残るくらいまで煮たら完成!

切り昆布使用で旨味たっぷり!じゃばらきゅうりの浅漬け

切り昆布は煮物に使うことが多いですが、今回はポリ袋で簡単に作れる浅漬けに。乾物の昆布をそのまま入れるだけで、きゅうりや調味料の水分で昆布が戻ります。この時に塩昆布を使うと塩分が濃くなりすぎるのでご注意ください。塩昆布を使う場合は醤油の分量を減らします。お好みで一味唐辛子やラー油を加えても。

昆布の旨味にしょうがとごまを加えることでさらに風味豊かに仕上がります。きゅうりが1人1本は軽く食べられますよ。箸休めに、お酒のおつまみに、お弁当の隙間おかずに、作っておくと便利です。

【材料】(3人分)
・きゅうり 2本(200g)
・塩 小さじ1
・白炒りごま 大さじ1

<調味料>
・酢・しょうゆ 各大さじ1
・鶏がらスープの素 小さじ1
・砂糖 小さじ1
・おろししょうが 小さじ2(チューブの場合4cm分)
・細切り昆布 5g
・ごま油 大さじ1

(1)きゅうりは塩をまぶして板ずりし、さっと周りの塩を水洗いして水気を切る。きゅうりの両脇に割り箸か菜箸を置き、下まで切り離さないようにして薄く切り込みを入れていく。端まで切ったらひっくり返し、同様に斜めに切り込みを入れてじゃばら切りにする。これを2cm幅に切る。

(2)ポリ袋にきゅうり、<調味料>を入れ、液にきゅうりが浸かるようにして、10分以上おく。

(3)器に盛り、白炒りごまをかける。

「昆布」は「喜ぶ」、昆布の別名である「ヒロメ」は「お披露目」に通じる縁起物。お祝いの席ではよく使われる食材です。

出汁をとるのはハードルが高いという人もいるかもしれませんが、夜寝る前にポットに昆布をポンと入れ、冷蔵庫に置いておくだけ。翌朝その昆布水を使うと、格別においしいお味噌汁が作れます。

また、切り昆布や塩昆布などもすぐに使える便利な食材。栄養たっぷりの昆布を、まずは身近なところから活用していってみてくださいね。

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