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うなぎとはどう違う?ビタミンAやカルシウムがたっぷり「あなご」の栄養情報をじっくり解説

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お寿司などでおなじみのあなご。うなぎよりあっさり味で、ふんわりとした食感ながら、意外なほどに栄養価の高い魚でもあります。うなぎとの違いを含め、あなごの栄養情報をお伝えします。

あなごとうなぎの違いって?

よく似ているあなごとうなぎですが、どんなところに違いがあるでしょうか。

一般的にあなごといえば「まあなご」を指しますが、まあなごの体の側面にはうなぎにない1列に並ぶ白い斑点があり、この点の列が棒はかりの目盛りに似ていることから、「はかりめ」とも呼ばれています。また、埋没したうろこのあるうなぎと違い、あなごにはうろこがありません。

あっさりとしたあなごはうなぎと比べて脂肪分が少なく、エネルギー(カロリー)もそれほど高くないことも特徴的です。うなぎの栄養情報については、「栄養豊富な魚」といえばうなぎ!その詳細と効果効能をじっくり解説もご参照ください。

また、生態にも大きな違いがあります。夜行性のあなごは、昼間は海底の砂や泥にあいた穴の中に身をひそめています。

あなごが海水魚であるのに対して、天然のうなぎは海でうまれて川や湖沼などの淡水で生息し、産卵の際に海に戻る降河性回遊魚であるといわれています。

あなごの栄養情報

あなご(生)100gあたりに含まれる栄養素

・エネルギー:146kcal
・たんぱく質:17.3g
・脂質:9.3g
・ビタミンA:500μg
・ビタミンE:2.3mg
・カルシウム:75mg
・カリウム:370mg
・EPA:560mg
・DHA:550mg

それぞれの栄養素の解説をしましょう。

免疫力アップに期待!ビタミンA

目の働きを助け、皮膚の健康を保つ役割があるといわれています。粘膜の働きを正常に保ち、消化器や呼吸器などの病気の予防や、免疫機能の強化や免疫力のアップにも効果が期待できる栄養素です。酸化されやすいビタミンですが、ビタミンEなどの抗酸化物質と共存させることで安定しやすくなります。

抗酸化作用が強いビタミンE

強い抗酸化作用を持ち、体内の酸化を防ぐといわれている脂溶性のビタミンです。過酸化脂質の生成抑制、血中LDLコレステロールの酸化抑制のほか、赤血球の破壊防止の作用もあることが知られています。細胞の酸化を防ぐため、アンチエイジングにつながる効果があるといわれています。

丈夫な骨に不可欠なカルシウム

神経の刺激の伝達や筋肉の収縮に必要不可欠なミネラルです。カルシウムは99%が骨や歯に貯蔵されており、ホルモンの作用により血液中のカルシウム濃度が一定に保たれています。

不足すると骨が十分に成長できませんが、逆にサプリメントなどによる過剰摂取は、マグネシウムやリンなどの吸収が妨げられてしまうというリスクもあるので注意が必要です。

EPA、DHAで必須脂肪酸を摂取

EPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は不飽和脂肪酸の中でもn-3系に分類される必須脂肪酸です。必須脂肪酸は人の体内で合成できないため、食物から摂取する必要があります。

EPAは血液をサラサラにする作用や生活習慣病予防に効果があるとされ研究が続けられています。DHAは人の脳や網膜の構成脂質であり、直接脳内に入って効果を発揮する成分として注目されています。

たんぱく質もしっかり補給!

たんぱく質は、筋肉や内臓などをつくる基本の栄養素。ホルモン・酵素などの原料でもあります。

多数のアミノ酸が結合された構造をしていますが、人間の体内で合成されない、もしくは合成されても必要量に達しないものを「必須アミノ酸」とよび、必ず食物から取り込まなければなりません。

たんぱく質が不足すると、筋肉などが失われるだけでなく、体力や免疫力も落ちてしまいます。適切な量をしっかり摂るように意識しましょう。

エネルギーはうなぎに比べて低め!

生のうなぎ(養殖・生)100gあたりのエネルギーは228kcal、あなごは146kcalと、あなごのほうが大幅に低いのがうれしい点。

ちなみに脂質もうなぎは19.3g、あなごは9.3gと約半分ですから、食べてガツンと元気を出したいときはうなぎ、あっさり食べたいときや体重コントロールが気になるときはあなごなど、体調や気分に合わせて選んでみるのもいいかもしれません。

あなごに期待できる効果効能は?

健康維持の強い味方!ビタミンA&カルシウム

あなごのビタミンAの含有量は、魚介類の中でも群を抜いて多いことでも知られています。ビタミンAには、目の働きを助け皮膚や粘膜の健康を保つ役割があり、ビタミンA欠乏による夜盲の症状の緩和や免疫力アップの効果があるといわれています。

日本人の1日のビタミンAの食事摂取基準の推奨量は、成人女性650μgRAE~700μgRAE、成人男性800μgRAE~900μgRAEと設定されています。あなごを100g食べれば1日のビタミンA必要量にもう少しで届くほどの量を摂ることができるんです。

また、カルシウムは骨の成長や骨粗しょう症予防に欠かせません。不足しがちなカルシウムは色々な食材から摂ることが推奨されています。メインにも副菜にもなるあなごは、カルシウムを補うことができる食品としてもおすすめですよ。

あなごのビタミンA・Eは美容面でも期待大

強い抗酸化作用をもち、アンチエイジングやスキンケアに欠かせないビタミンAとEが豊富なあなごは、美容面でも効果が期待できます。

ビタミンA・Eは、肌の免疫力アップ、肌荒れの予防、新陳代謝を高めて肌のターンオーバーを正常化する働きなどで知られ、ビタミンAとEが揃うと作用が安定しやすいといわれています。

さらにビタミンCを含む食品を一緒に摂ることで、抗酸化3大ビタミンであるビタミンA、C、Eが揃い、それぞれの効果もアップされると考えられます。あなごを食べる際は、ビタミンCを多く含む食品も献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。

また、あなごはn-3系不飽和脂肪酸であるDHA・EPAにも富んでいます。脂質は細胞やホルモンなどの構成成分であり、摂りすぎはよくありませんが、不足すると肌もカサカサ、髪もツヤがなくなってしまうため、良質・適量を補っておきたい栄養素。

体内で合成できないn-3系とn-6系の不飽和脂肪酸の積極的な摂取が推奨されていますが、あなごにはn-3系不飽和脂肪酸であるDHA・EPAが含まれているため、良質な脂質を効率的に摂れ、美容にも役立つというわけです。

 

撮影/黒石 あみ(小学館)

【参照】

・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「日本全国お魚事典」山田吉彦著 海竜社
・「旬を味わう魚の事典」 坂本一男監修 ナツメ社
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高著 高橋書店
・「からだにおいしい魚の便利帳 全国お魚マップ&万能レシピ」高橋書店
・「からだによく効く旬の食材 魚の本」講談社
・「旬の野菜と魚の栄養事典」吉田企世子/棚橋伸子 監修 X-Knowledge
・厚生労働省「e-ヘルスネット」不飽和脂肪酸
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」抗酸化物質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」たんぱく質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
・eJIM 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/02.html

(最終参照日2022/5/25)

プロフィール

大槻 万須美
大槻 万須美

管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。大学卒業後、食品メーカー勤務を経て管理栄養士の道に進む。
食の大切さを伝えるため、コーチングを取り入れたバレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、親子クッキングや離乳食講座などの料理教室、レシピ・コラムの提供、栄養講座、研究機関協力など幅広く活動。
現場の生の声から多くを学びながら、おとなと子どもの食育サポートに力を注いでいる。

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