そのししゃも、「ししゃも」じゃないかも…?
そのししゃも、「ししゃも」じゃないかも…?「ししゃも」として流通している魚には2種類あるってご存じでしたか? いつも食べているそのししゃもは、本当の「ししゃも」じゃないかもしれません。
・ししゃも:北海道でとれる国産のししゃも。秋が旬で鮮魚も出回り、近年では高級魚に。
・からふとししゃも:ノルウェーなどでとれる輸入物。国内に多く出回り、手頃な価格。
流通量が多いのは圧倒的にからふとししゃもです。どちらもおいしいですが、店頭でラベルをチェックしてみると新たな発見があるかも!
ししゃもの栄養情報
ししゃもの栄養情報ししゃも(生干し/生)100gあたりに含まれる主な栄養素
・エネルギー:152kcal
・炭水化物:0.2g
・たんぱく質:21.0g
・脂質:8.1g
・鉄分:1.6mg
・カルシウム:330mg
・マグネシウム:48mg
・ビタミンD:0.6μg
・ビタミンB12:7.5μg
・葉酸:37μg
・塩分:1.2g
なんといってもカルシウム・マグネシウム!
「おいしくカルシウム補給」というイメージの通り、ししゃもはおいしくてカルシウムが豊富な魚です。カルシウムは骨や歯を健康で丈夫に保つ、神経の情報伝達に関わる、筋肉の動きを調整するなど、さまざまな役割を持ちます。さらに、ししゃもはカルシウムとともに骨や歯を作るマグネシウムも含まれています。健康で丈夫な身体づくりのため、子どもにも大人にもおすすめの食材です。
鉄分もしっかり
血液の材料となるほか、全身に酸素を運ぶ働きがあります。野菜など植物性食品に含まれる非ヘム鉄に比べて、ししゃもに含まれるヘム鉄は吸収率が高いのが特長です。不足しがちな鉄分は貧血予防のためにも、バランスよくいろいろな食品から補いたいですね。
ししゃもに含まれるビタミンD・B群
ししゃもには次のようなビタミン類が含まれています。
・ビタミンD
ビタミンDは日光を浴びると皮膚でも作られますが、食べ物ではししゃもなどの魚、きのこに含まれています。カルシウムの吸収や代謝に関わり、丈夫な歯や骨を作るために役立ちます。ししゃもならカルシウムとビタミンDを一緒に摂取することができて効率的ですね。
・ビタミンB12&葉酸
ビタミンB12と葉酸はともにビタミンB群の仲間です。どちらも赤血球の生成に必要なビタミンです。一緒に摂ることで働きが高まるというメリットがありますよ。ししゃもなら、どちらも摂れるのがうれしいですよね。
魚の栄養を丸ごととれる!ししゃもの効果効能って?
魚の栄養を丸ごととれる!ししゃもの効果効能って?不足しがちなミネラルを補給
子どもの成長に必要なのはもちろん、いつまでも健康でいるために毎日の食事からカルシウムやマグネシウムを摂ることが大切です。カルシウムやマグネシウムは丈夫な骨を保つために大切ですが、不足しがち。その点、ししゃもならどちらも手軽に補えるのが助かりますね。
さらに、ししゃもはカルシウムの吸収をアップするビタミンDや骨に含まれるコラーゲンを作るために必要なたんぱく質も多く含まれているんですよ。
塩分が気になる?
ししゃもは塩分が多い食品です。塩分は現代人が摂りすぎている栄養素のひとつ。食べ過ぎには気を付けましょう。また、ししゃもを使った献立を考えるときは合わせる副菜や汁物を塩分控えめにするなど工夫して、バランスよく食べるようにしたいですね。
・撮影/黒石 あみ(小学館)
【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高監修 高橋書店
・「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子 寺本あい監修 西東社
・「あたらしい栄養学」吉田企世子 松田早苗監修 高橋書店
・厚生労働省 令和元年(2019年)「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カルシウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
(最終参照日:2022/06/12)
フードライター×管理栄養士。好きな食べものは野菜とフルーツ。食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。
「食材をシンプルにおいしく」誰にでも作れる簡単レシピを提案している。