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美容にも欠かせない栄養がたっぷり!「モロヘイヤ」の栄養情報&上手な保存方法を解説【管理栄養士監修】

独特の粘り気が特長のモロヘイヤ。古代エジプトでも食べられていたという、歴史の古い野菜です。ビタミン、ミネラル、食物繊維などをたっぷり含み、その高い栄養価から「王様の野菜」とも呼ばれていたとか。夏に旬を迎えるモロヘイヤの上手な保存方法、美味しく食べる調理方法などを解説します。

健康と美容をサポート!モロヘイヤの栄養情報

健康と美容をサポート!モロヘイヤの栄養情報

モロヘイヤに含まれる主な栄養素(100gあたり)

  • エネルギー:36kcal
  • 食物繊維:5.9g
    水溶性食物繊維:1.3g
    不溶性食物繊維:4.6g
  • カルシウム:260mg
  • 鉄:1.0㎎
  • β-カロテン:10000μg
  • ビタミンE:6.5mg
  • ビタミンC:65mg

ビタミンA・C・Eは相乗効果で抗酸化力アップ!

モロヘイヤにはβ-カロテンが豊富に含まれ、その量は緑黄色野菜の中でもトップクラスです。β-カロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康を維持する働きや抗酸化作用があります。

さらにモロヘイヤにはコラーゲンの合成に関わったり、細胞を酸化ダメージから守ったりするビタミンC、血行を促進する働きや老化防止作用をもつビタミンEもたっぷり。

この3種のビタミンは合わせてビタミンACEと呼ばれることも。お互いの相乗効果で抗酸化力が高まり、健康と美容を支えてくれます。

腸まで届き健康を守る食物繊維

食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があり、どちらも消化・吸収されずに腸まで届きます。食物繊維には血糖値の上昇を抑え、血中コレステロール値を低下させる働きがあり、生活習慣病予防に効果が期待されている成分です。

丈夫な骨を保つカルシウム&貧血予防の鉄

カルシウムは骨や歯を丈夫に保ち、筋肉をスムーズに動かすのに必要な栄養素です。長期的に不足すると骨粗しょう症や骨折のリスクが高まります。

鉄の重要な働きは血液中の赤血球の材料となり、全身に酸素を運ぶことです。そのため鉄が不足すると疲れやすい、息切れがするなどの症状が出ることがあります。

モロヘイヤをおいしく食べる調理のコツ

モロヘイヤをおいしく食べる調理のコツ

葉だけ?茎は食べられる?モロヘイヤの下処理方法

モロヘイヤを調理するとき、葉の部分だけをちぎり取ってあとは捨ててしまうことが多いという人もいるようですが、やわらかい茎部分は十分おいしく食べられるので、捨ててしまうのはもったいない!

さっと水洗いしたモロヘイヤの葉を付け根からちぎり、葉と茎に分けておきます。茎で食べるのは、穂先側の3分の2くらい。目安としては、包丁で切るときに抵抗が強く切りづらいなと感じた部分は茹でてもかたいままなので、切り落とします。

茹で時間は1分!モロヘイヤのおいしい茹で方

モロヘイヤは葉と茎を時間差で茹でるのがポイントです。

たっぷりと沸いた湯の中へ先に茎を入れ1分茹で、残り20秒のタイミングで葉を入れ菜箸などで軽く混ぜます。茎と葉をまとめて茹でたらざるに上げ、水にさらして手でしっかりと水気を絞ります。

手軽で簡単なレンジ調理

モロヘイヤは電子レンジ調理も可能です。下処理したモロヘイヤの茎と葉を耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをかけ600w2~3分加熱し、水にさらして手でしっかりと水気を絞ります。

モロヘイヤに毒!?家庭菜園での注意点

モロヘイヤの種とさやには中毒を起こす成分が含まれていて、誤って食べるとめまいや嘔吐などの症状が出ます。家庭菜園などでモロヘイヤを栽培し、食べるときには種などが混入しないように十分な注意が必要です。

しかし葉、茎の部分には中毒を起こす成分は含まれず、野菜として流通し店頭に並んでいる物を食べるときはもちろん心配はいりません。

モロヘイヤの上手な保存方法

モロヘイヤの上手な保存方法

冷蔵庫では立てて保存

すぐに使わないモロヘイヤはペーパータオルで包み、保存袋またはポリ袋に入れ、軽く口を閉じて立てて野菜室で保存します。保存目安は1~2日です。

茹でて切ってから冷凍すると便利

モロヘイヤは冷凍保存することもできます。茹でて水気を絞ったモロヘイヤを用途に合わせて切り、ラップで包んでからジッパー付きフリージングバッグに入れ、平らにならして冷凍庫で保存します。保存目安は1カ月程度です。和え物などに使うときは冷蔵室で自然解凍してから、汁物などに入れるときは凍ったまま使うことができます。

栄養豊富なモロヘイヤは紫外線のダメージを受けやすい夏に積極的に食べたい野菜のひとつです。葉だけでなく茎もおいしいので捨てないで食べてみて。葉が薄く、乾燥すると味が落ちるので、早めに調理するようにしましょう。

 

撮影:田中 麻以(小学館)

 

【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・独立行政法人農畜産業振興機構「野菜」栄養成分別野菜ランキング
https://www.alic.go.jp/y-kanri/yagyomu03_000001_00040.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」抗酸化ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カルシウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」鉄
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」貧血の予防には、まず普段の食生活を見直そう
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html
・「からだにおいしい あたらしい 栄養学」吉田企世子監修 高橋書店 2016年
・「NHK出版からだのための食材大全」池上文雄 NHK出版 2020年
・農林水産省「楽しく健康な食生活のために」モロヘイヤの種には毒があるって知っていましたか?
https://www.maff.go.jp/j/syouan/syoku_anzen/anzen/r0212/moroheiya.html
・「もっとおいしく、ながーく安心 食品の保存テク」徳江千代子監修 朝日新聞出版

(最終参照日:すべて2021/5/31)

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