「グラニュー糖」と「上白糖」の違いって…
nullレシピに「砂糖」と書かれている時、グラニュー糖と上白糖どちらを使った方がいいのかな……と迷ったことはありませんか? 早速ふたつの違いについて調べてみました!
クセのない甘さで、サラサラしているのが「グラニュー糖」
上白糖よりも粒が大きく、サラサラしているのが特徴です。さっぱりとクセのない甘さで、主にお菓子作りや飲み物に加えるのによく使われます。
さらさらした細かい顆粒状の精製白砂糖。糖分九九・八パーセント以上の高級品。コーヒー・紅茶・高級菓子に用いる。
【出典】日本国語大辞典 小学館
「上白糖」はしっとりしていて甘みも強い
日本では一般的な砂糖です。グラニュー糖よりも甘みが強く、しっとりしています。料理やお菓子作りなど幅広く使われます。
精製した上質の白砂糖。甘味が強く、料理・製菓用と用途が広い。
【出典】精選版日本国語大辞典 小学館
で、つまり「グラニュー糖」と「上白糖」の違いは…
づばり、ふたつの違いは、質感と甘さです。
グラニュー糖はサラッとしてクセのない甘さ。一方の上白糖は、しっとりしていて、グラニュー糖よりも甘みがあります。これは精製法の違いから生まれます。
そもそも砂糖は、サトウキビやテンサイのしぼり汁を精製し、結晶化させたもの。原料や製法によって、黒砂糖に代表される含蜜糖、ざらめ糖、車糖などに大別されます。
車糖の一種である「上白糖」は結晶が小さいため、ショ糖(砂糖の主成分)同士がくっついてしまわないよう転化糖が加えられます。これによって甘味が増し、ややしっとりした質感となります。
ざらめ糖に分類される「グラニュー糖」は、転化糖などがきわめて少ないため純度が高く、上白糖より甘さは控えめとなるんですね。
砂糖は好みや用途によって使い分けよう!
nullグラニュー糖と上白糖、同じ甘味調味料でも質感や甘みが違うんですね。
料理研究家の時吉さんによると、
「どちらもお料理やお菓子作りに使われますが、お菓子をふんわり仕上げたい時や、コーヒーや紅茶など風味を損ないたくない飲み物には、甘さの強い上白糖より、クセがなくサラサラとしていて溶けやすいグラニュー糖を使うことが多いですね」(以下「」内、時吉さん)
なるほど! 違いを活かして使い分けるといいんですね。
「ほかにも、精製法の違いによって黒糖、きび砂糖、てんさい糖、三温糖、和三盆などがあります。濃淡はあれどいずれも茶色ですよね。これは着色しているわけではなく、蜜を含んだままの状態でミネラル分が残っている証拠なんです。
ただし、三温糖が茶色いのは加熱処理の段階でカラメル化するから。不純物を取り除いていく精製糖で、グラニュー糖や上白糖の仲間なんです。その見た目からよくミネラル豊富だと思われがちですが、黒糖などと比べると、含まれているミネラル分は微々たるものだそうですよ」
えー! 三温糖ってミネラル豊富で体にいいお砂糖だと思っていました!
「独特の風味とコクがあるので、煮物料理なんかに向いていると思いますよ。ただ、これらの色のある砂糖はピクルスを浸けたりジャムを作る時に使うと食材が色づきやすいので、気になる方はグラニュー糖や上白糖を使うといいでしょう。
いずれも同じ“砂糖”というくくりですが、色の有無や風味、水分が多いかサラサラかなどそれぞれに特徴があるので、お好みや用途によって使い分けるのがオススメです」
これからは“使い分け”を意識してみたいと思います!
「そういえば、粉砂糖がなかった時に、グラニュー糖をミキサーにかけて粉末にしたもので代用したことがあります。ひと手間かかりますが、わざわざ粉砂糖を買わなくても済みますよ」
最後にありがたいお役立ち情報も! これなら使いたい分だけ用意することができて便利ですね。
【取材協力】
料理研究家 時吉真由美
(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表
土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIP!MOCO’Sキッチン」(放送終了)「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」などTV・出版物等のフードコーディネートや、料理、レシピ制作などで幅広く活躍中。
楽天レシピに多数のレシピを掲載する他、YouTubeチャンネル「Clocca Cooking Channel」にて、語り継ぎたい伝統的な行事食を中心に、作り方やプチ知識を公開中!