「パスタ」と「スパゲッティ」の違いって…
nullお店や家庭でも人気のイタリア料理ですよね。どちらも麺料理だから、太さで使い分けるのかな?……と思い、その違いを調べてみました。
小麦粉や水、卵などをこねて作るイタリア食品の総称が「パスタ」
日常でパスタという時、麺状のものを連想される方が多いのではないでしょうか?
じつは、小麦粉を練った食品の総称で、なじみ深いロングパスタ、マカロニなどのショートパスタ、シート状のラザニア、コロンとした団子状のニョッキなどもすべて「パスタ」となります。
pastasciutta の略 マカロニ、スパゲッティ、ラザニアなど、小麦粉を水や卵でこねて作るイタリアの食品の総称。
【出典】精選版日本国語大辞典 小学館
「スパゲッティ」はパスタの一種で、麺状のもの
「スパゲッティ」はパスタの一種です。その形状から、イタリア語で“紐”という意味の「スパーゴ」が由来です。
単数形はスパゲットspaghettoであるが、普通スパゲッティと複数形でよばれる。語源は、spagoスパーゴ(紐{ひも})にettoという縮小辞がついてできたことばである。形が細長い紐に似ていたからであろう。マカロニと並んで、乾燥パスタを代表するパスタの一種である。
【出典】日本大百科全書(ニッポニカ) 小学館
で、つまり「パスタ」と「スパゲッティ」の違いは…
スパゲッティはパスタの一種ということですね!
マカロニやラザニアもパスタと呼ぶのは、日本ではあまり馴染みがないので意外ですよね。
ちなみに、日本のJAS(日本農林規格)では、スパゲッティは1.2mm以上の棒状又は2.5mm未満の太さの管状のもの、と決められています。
パスタ法にことわざ…意外と知らないパスタのこと
nullスパゲッティやペンネだけがパスタではなかったんですね。
料理研究家・時吉さんによると、
「イタリアには、パスタの種類が300ぐらいあるそうですよ。
ペンネにはツルっとしたものや溝があるもの、貝の形をしたコンキリエにも線が入ったコンキリエ・リガーテ、ロングパスタのカッペリーニは太さ0.9㎜、フェデリーニは1.3mm、スパゲッティーニが1.6mm、スパゲッティが1.9mm……と、形や太さによってそれぞれ名前が付けられています。これらはパスタソースによって使い分けられるんですね」(以下「」内、時吉さん)
300種類以上!? お店では数種類しか見かけませんが、そんなに種類豊富なんですね。
「さらに、イタリアにはいわゆる“パスタ法”というのがあって、乾燥パスタについて法律で厳しく決められています。
原料は、デュラム小麦粉という琥珀色の硬質小麦を粗挽きしたデュラム・セモリナ100%であること。それ以外で作ったものはパスタと認められないと聞きました。また、保存料や人工着色料も一切NGだそうです」
パスタ法……、さすが本場ですね~! でも、色がついたパスタもありますよね?
「カラーパスタは、例えばホウレンソウでグリーン、トマトで赤のように天然素材で着色されます。イタリアに行った時に見ましたが、本当に人工着色料を使ってないの!?と思うくらい、カラフルで発色がいいんですよ」
厳格な決まりがあるんですね。本場ならではのこだわりの強さを感じます。
「“アルデンテ”と言えば、日本では芯一本残した茹で加減を指して言われることが多いですよね。けれどイタリアでは、その人お好みの茹で加減が“アルデンテ”なんだと聞きました。ラーメンのバリカタのように芯2本残した固めが好き、うどんのような柔らかめが好きと、好みは人それぞれですもんね」
えっ! アルデンテってその人の好みによって違んですね!
「さらに小話をもうひとつ……。イタリアには“スパゲッティは寂しがり屋”ということわざもあるそうです。鍋に入れて放っておくと底にくっついたりしちゃいますよね。火の元を離れず、寄り添って面倒見てあげないといけないよ、という意味だそうです」
アルデンテの意味といい、ことわざといい、イタリア人の“パスタ愛”が感じられるようです(笑)。家でもよく作るパスタですが、こんなにも奥深い世界だったなんて驚きですね。
【取材協力】
料理研究家 時吉真由美
(株)Clocca代表取締役 cooking Clocca代表
土井勝料理学校をはじめ各地の料理教室講師のほか、「ZIP!MOCO’Sキッチン」(放送終了)「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」などTV・出版物等のフードコーディネートや、料理、レシピ制作などで幅広く活躍中。
楽天レシピに多数のレシピを掲載する他、YouTubeチャンネル「Clocca Cooking Channel」にて、語り継ぎたい伝統的な行事食を中心に、作り方やプチ知識を公開中!