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長年好きな「魚九」の京粕漬と「八竹」のお寿司【祐成陽子さんの、ずっと美味しいモノ】#9

料理家として65年。御年80歳でありながら、今だ“おいしいもの”や“料理”への探究心は衰え知らずの祐成陽子さん。

祐成さんに、私たち普通のママたちが身近に買えるおいしいものを選んでいただく連載。2月は祐成さんが長年飽きずに買い続けている粕漬けとお寿司をご紹介します。

「魚久」の京粕漬はいかと鮭が飽きずにいただけます

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大正3年創業、京粕漬けの店「魚久」。ご存知の方も多いと思います。

私が「魚久」の京粕漬けを知ったのは今から50年ほど前。いただきものでした。実はそのとき食べ方がよくわかっていなくて「何だか色の悪い酒粕がたくさんついているわねぇ」なんて失礼な感想をもったうえ、酒粕をたっぷりつけたまま焼いてしまったんです。もちろん焦げまくってしまい、ちっともおいしくありませんでしたよ(笑)。

あとから説明書を読み「酒粕はよく洗い流してからお焼きください」とあるのを知り、大後悔!
後日、きちんと説明書に書かれたとおりの焼き方で焼いたら、それはそれはおいしかったのです!

以来、大好きな「魚久」の京粕漬。さまざまなお魚がありますが、私のおすすめは鮭といか。

鮭は王道のおいしさですし、万人に好まれると思います。

いかは、お酒が好きな方におすすめですよ。いかの京粕漬と日本酒なんて、たまらない組み合わせだと思います。

たっぷりと酒粕が使われているのが特徴。いかの京粕漬と鮭の京粕漬(各700円・税抜き)。

そして残った酒粕の利用法。

かなりの酒粕がくっついているので、それをぬぐって取っておき、新たにまたお魚を漬けてもおいしくいただけますよ。何しろすごくいい酒粕を使っていますからね。

そして実はこの残った酒粕に豚肉を漬けて、焼いてもおいしいんです。中には「魚のにおいがついた酒粕なんて……!」と思う方もいらっしゃると思うのですが、脂身の多いバラ肉などに使うと魚くささはほとんど感じられなく漬かります。

職業柄、かなり食品のくさみにうるさい方ですが、気にならなかったので、挑戦者はこちらもぜひ試してみてください(笑)。

食べ応えのある「八竹」のお寿司

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東京・四ツ谷にある大阪寿司の「八竹」。大正13年創業のこちらも老舗です。校長を務めるフードコーディネーターの学校が四ツ谷にあるものですから、ここも古くから通い続けているお店です。

店内でも食べられますが、私は折詰を作ってもらって持ち帰っていただくことがほとんど。
一般的に大阪寿司の特徴は江戸前寿司に比べ、使われる砂糖の量が多く、酢飯に甘みを感じます。またマグロが命の江戸前寿司と違い、白身魚や穴子を使うところも特徴と言えるでしょう。

また江戸前寿司はいわゆる“握り”ですが、大阪寿司は型に入れて作られるのが特徴です。
しかし今、日本全国、握りの“江戸前寿司”が大半となり、大阪寿司が姿を消していっているのです。「八竹」さんは、本格的な大阪寿司が、しかも東京でいただける貴重な存在。

折に詰められた姿も美しい。写真は「盛合せ 穴子入胡瓜巻 詰合せ1人折」1,550円(税・折代込み)。

「八竹」といえば茶巾寿司が有名。しっとりとした薄焼き卵に包まれ、おぼろ、あなご、かんぴょう、しいたけ、酢蓮が見事な調和を生み出している名物です。
これはぜひ1度食べていただきたいおいしさ。

この完成度の高さで折詰が1,550円で買えるのは、良心的以外のなにものでもないと思います。

 

こうした昔からある、日本の味。次世代の人たちもぜひ大切にしていただきたい。
そのためにも、機会があったら食べて、味わいを体験してみてくださいね。

 

※商品は祐成陽子さんが購入したものです。


【取材協力】

祐成陽子

祐成陽子クッキングアートセミナー校長。

食べること、作ることへの“好き”が高じて、1965年、主婦の経験を生かし、料理教室をスタート。1987年には、日本初のフードコーディネーター養成学校を設立。輩出した生徒数は4000人超え。卒業生には、タレントで国際薬膳師でもある麻木久仁子さん、人気フードコーディネーターSHIORIさん、料理家のほりえさちこさんなどがいる。

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