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手開きにチャレンジ!子どもにも人気の「いわしの蒲焼き」【フライパンでパパッと魚料理#14】

健康のためにも週に何度かは魚料理にしたいけど、後片付けも大変だし、なかなか手を出せない。そんな人も多いのではないでしょうか。

「もっと気軽に魚を毎日の献立に取り入れてほしい!」というわけで、料理家の神田えり子さんに、手軽にフライパンで作る「魚料理のコツ」を教えてもらう連載です。

今回は夏が旬の真いわしを甘辛だれが絡んだ蒲焼きにします。そのままはもちろん、丼にしてもおいしい!
意外と簡単な「手開き」の仕方から解説します。スーパーでは開いて売っていることもありますが、丸のまま買ってきても下処理はそれほど難しくありません。ぜひトライしてみてください!

意外と簡単!いわしの手開き

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いわしの蒲焼きには、夏が旬の「真いわし」が向いています。15cmほどの長さの「中羽」と呼ばれる大きさのものが扱いやすいでしょう。

身が厚く、頭が小さいものがおいしいとされています。青くツヤがあって張りがあり、目が澄んでいるものが新鮮です。

いわしは身がやわらかいので、手開きが向いています。三枚おろしのような複雑な工程はなく、意外と簡単にできます。

今回使ったフライパンはこちら

直径26cmのテフロン加工のフライパンを使用します。

【材料】(2人分)

いわし 4尾
塩 適量
薄力粉 適量
サラダ油 大さじ1/2

<たれ調味料>

しょうゆ 大さじ2
酒 大さじ2
みりん 大さじ2
砂糖 大さじ1

【コツ1】数尾下処理するときは同時進行!

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まずは、ボウルに立て塩(3%の塩水のこと。水500ml:塩大さじ1弱が目安)を用意します。

これにいわしをさっとくぐらせて洗い、包丁も濡らしておきます。こうすることで、包丁に付いたウロコが後から洗い流しやすくなります。

水は真水よりも立て塩の方が、身崩れを防げ、汚れが落ちやすいのでおすすめです。立て塩はこの後も使うので、捨てずにおいておきます。

尾側から頭側に包丁の背をあてて動かし、両面のウロコを取ります。飛び散るのが気になる方は、まな板の下に新聞紙などを敷いておくと安心です。

ウロコ取りをしたら、胸びれを立て、ややハの字に包丁を入れて頭を落としましょう。胸びれは頭と一緒に落とします。

頭を右側にして置き、腹の端の部分を斜めに切り落とします。

包丁の先でワタを取り出します。

中骨部分の血合いを刃先である程度かき出したら、立て塩で洗った後、真水で洗います。

水気は臭みの原因になるので、しっかりとペーパーで拭き取ってください。

ここまでが「魚の水洗い」と呼ぶ、下処理になります。

数尾下処理するときは同時進行で!

ここまで解説した下処理は、数尾扱うときはそれぞれの工程で、全ての魚の分をまとめて行うのがおすすめ。

一尾ずつ行うと、包丁やまな板の汚れが気になって洗う手間が増えたり、魚の置き場に困ったりします。最初にまとめて立て塩にくぐらせ、ウロコを取るときは全ての魚の分取る……といったように進めましょう。

【コツ2】手開きは意外と簡単!指は中骨の上に沿って動かす

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ここからいわしの手開きをします。

腹を手前にして両手の親指を中骨の上に入れ、背の近くまで差し込みます。

それぞれの指を順に、中骨の上に沿って尾側、頭側に動かします。指の腹で中骨を感じながら動かすとうまくできます。

片側の身に骨が付いた状態になります。

次に頭側から尾側にむかって、中骨を身から剥がします。片方の手で身を押さえながら、もう一方の手の指先を使って丁寧に取りましょう。尾のあたりまで外したら、尾は残して中骨を手でポキっと折って除きます。

これで、いわしの「手開き」は完了です。もし、気になる腹骨が残っていたら、手で取り除いてください。

塩を軽くふって10分ほど置きます。

いわしから出てきた水分は臭みの原因になります。身が崩れないようにペーパーでやさしく拭き取ってください。

【コツ3】粉をふって香ばしく!味がらみもよくなる

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手開きができたら、薄力粉を全体にふります。粉をふると香ばしく、表面がパリッと焼き上がります。また、内側に旨みや脂が閉じ込められ、パサつかずにふっくらと仕上がるだけでなく、たれも絡みやすくなります。

【コツ4】たれの比率は「2:2:2:1」

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甘辛だれの黄金比は、しょうゆ:酒:みりん:砂糖が2:2:2:1。これを基準にお好みで調整してもOK。慌てて焦がすことのないように、あらかじめ、たれの材料は合わせておきましょう!

【コツ5】たれは少し手前で加熱をストップ!

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フライパンにサラダ油を中火で熱したら、皮目を下にして焼きます。

皮目に焼き色が付き、身のまわりの部分が白っぽくなったら、裏返して反対の面も焼きます。調味料を入れてからも加熱するので、ここでは8割ほど火を入れ、パサつかないようにします。

合わせておいたたれの調味料を入れたら、フツフツと大きな気泡を立たせ、フライパンをゆすりながら、スプーンでたれをすくって絡ませます。

しっかり煮詰めてとろみが出るまで加熱しますが、甘辛だれは一気に焦げるので注意! 余熱や冷めてからもとろみはつくので、ちょっとゆるいくらいでストップします。

火を止めて、すぐにお皿に盛り付け、残ったたれをかければ完成です! ごはんにのせて丼にしてもおいしいですよ。

コツを押さえれば意外と簡単ないわしの手開き。ごはんに合う蒲焼きは、子どもも好きな味付けなので、ぜひ試してみてくださいね。

神田えり子
神田えり子

料理家・フードエッセイスト。
大学卒業後、広告代理店で営業として勤務。大手料理教室講師を経て、兵庫県宝塚市にて料理教室主宰。その後拠点を東京に移し、料理家活動を開始。旬の野菜を使ったおばんざいを得意とする。

レシピ開発、フード関連のエッセイやコラムの執筆のほか、イベントやテレビショッピング、企業Instagramへの出演、司会進行など幅広く活動。

著書「カラダよろこぶ オイルおにぎり」(辰巳出版)
Instagram:@erikocookingsalon
ブログ:https://eriko-kanda.com/

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