「ごま油」を約8割の人が愛用中!
null『kufura』では以前、20代から50代の女性376名に、「どんな食用油を持っていて、どう使い分けをしているのか」という食用油に関するアンケートを行ったところ、以下のような結果に……。
- オリーブオイル・・・80.3%
- ごま油・・・78.5%
- サラダ油・・・59.8%
- キャノーラ油・・・33.5%
- こめ油・・・6.4%
- えごま油・・・6.4%
- 亜麻仁オイル・・・6.1%
- なたね油・・・5.3%
- ココナッツオイル・・・2.7%
- べに花油・・・2.4%
- グレープシードオイル・・・1.9%
- ひまわり油・・・1.3%
- その他・・・1.3%
トップ3は、オリーブオイル、ごま油、サラダ油と盤石すぎるラインナップ。さすが食用油の代表格! 1.8%の僅差で、軍配はオリーブオイルに上がりましたが、ごま油も約8割の人が使っており、多くの家庭にも常備されているのが分かります。
昨今の終わりのない値上げラッシュは実に厳しく、その中でも特にオリーブオイルの高騰は家計へのダメージも大きいですよね……。そんな時に注目したいのが、2番手に控えているごま油! この物価高騰時代に比較的安定した価格で、値上げのダメージを受けにくいというありがたい油です。
アンケートでは、ごま油を「中華料理を作る時に」「香りや風味をつけたい時に使う」という回答が多かったのですが、中華にしか使わないなんてもったいない! 実は健康的で、何にでも使える優秀な油なんです。
「ごま油」ってこんなにスゴイ!
null『kufura』の料理動画の連載でもおなじみ、ご自身も「ごま油が大好き!」という料理研究家で管理栄養士の沼津りえさんに、ごま油の魅力について教えてもらいました。
1:悪玉コレステロールを抑え、老化予防にも!
ごま油の主成分は「リノール酸」と「オレイン酸」。この2つがバランスよく含まれており、全体の8割以上を占めています。オレイン酸はオリーブオイルの主成分として有名ですが、ごま油にも含まれており、悪玉コレステロールを抑える働きがあると言われています。
また、ごま油はセサミン、セサモリン、セサミノールなどの成分で構成される「ゴマリグナン」という機能性成分が豊富。このゴマリグナンは強い抗酸化性を持っているため、老化予防やエイジングケアに役立つと考えられているそう。
2:香りやコクをプラスして、減塩効果も!
茶色く色づいたごま油は、ごまを焙煎してから作るため、特有の香りやコクがあり、食欲をそそる風味があります。
「ごま油を料理に少し加えると、香りやコクがプラスされ、旨味をしっかり感じることができるので、塩分を減らしても美味しく食べることができるんです。中でもおすすめは“ごま油漬け”。好みの野菜をごま油と塩で漬けるだけなのですが、ごま油の風味が加わることで、通常よりも少なめの塩で漬けることができます。実際に私の母は、毎朝食べていた漬け物をごま油漬けに変えて、美味しく減塩しています」(以下「」内、沼津さん)
3:料理を選ばず、普段の家ごはんがもっと美味しく
中華料理のイメージが強いごま油ですが、実は和食にもぴったり。
「もとは“ごま”なので、和食と合わないはずがありませんよね。オリーブオイルほど料理を選ばず、ごま油はコクや風味を加える隠し味になってくれるので、炒めものはもちろん、卵焼きからサラダまで我が家では幅広く使っています。加熱しても比較的劣化が少ないので、健康的に美味しく食べられるのもいいところ!」
4:食材がやわらかくジューシーに!
食材をやわらかくするのもごま油は大得意。硬くてパサつきやすい肉や野菜でも、ごま油で漬けると、しっとりやわらかく仕上がるそう。
「手頃なお肉をごま油でマリネすれば、ジューシーになってワンランク上の味わいに。硬くてパサつきやすいたたきごぼうもしっとり仕上がって驚きました。オリーブオイルと違って、ごま油は冷蔵庫で冷やしても固まらないので、使い勝手も抜群です」
5:忙しい時でもパパッと味付けできる
さらに、ごま油は頼れる万能調味料。我が家の台所に“調味料が1本増えた”という感覚で、ぜひ気軽に使ってほしいと沼津さんは話します。
「パパッと味付けできるので、ごま油は私の子育てを随分と助けてくれました。忙しくてだしをとる暇もない時は、豚肉をごま油でさっと炒めて、冷蔵庫にある野菜を加えておみそ汁に。コクと旨味がアップして、子どもたちは喜んでパクパク食べてくれました」
実にいいこと尽くしのごま油! 早速、今日の料理に使ってみたくなりますね。
冬におすすめの絶品「ごま油レシピ」はこちら!
nullさらに、沼津さんが「冬に欠かせない!」という大好きなごま油レシピを2品紹介してくれました。どちらも驚くほど簡単で、すぐに作れるものばかりです。
ごま油と塩で漬けるだけ! 「長ねぎのごま油漬け」
【材料】(作りやすい分量)
- 長ねぎ・・・1本
- 塩・・・小さじ1/2
- ごま油・・・大さじ1
【作り方】
- 長ねぎをみじん切りにする。
- 保存瓶に1を入れて、塩を振り、ごま油を回しかけ、全体を混ぜ合わせる。
- 冷蔵庫で30分以上置く。
『kufura』のYouTubeチャンネルで10万回以上再生されている沼津さんの大ヒットレシピがこちら。長ねぎをザクザク切って、ごま油と塩で漬けるだけという潔さ。シンプルなので、お鍋の薬味に、焼いた肉や魚に、冷奴に……。一度使うと手放せなくなる万能だれです。
衝撃の美味しさ! ヤミツキ必至の「豚肉ときのこのごま油鍋」
【材料】(2人分)
- 水菜・・・100g
- えのきだけ・・・1パック(100g)
- しめじ・・・1パック(100g)
- しいたけ・・・2個
- 豚バラ肉・・・200g
- だし(かつおだし)・・・600ml
- ごま油・・・大さじ3
- 塩・・・小さじ1
- 粗挽き黒こしょう・・・適宜
【作り方】
- 水菜は食べやすい大きさに切る。
- えのきだけとしめじは石突きを取り、食べやすくほぐす。しいたけは石突きを取り、軸ごと縦半分に切る。
- 豚肉は食べやすい大きさに切る。
- 鍋にだし、ごま油、塩を入れて強火にかけ、沸騰したら中火にして、2を入れる。ひと煮立ちしたら、3を入れて火を通す。仕上げに1を入れ、好みで粗挽き黒こしょうを振る。
鍋の恋しい季節こそ、ごま油の本領発揮! 鍋にごま油を加えるとだしにもなり、ポカポカと保温効果もアップ。豚肉ときのこの旨味がじんわり染みたごま油鍋は、寒い冬に何度でも食べたくなる今までにない美味しさです。締めには、香ばしく焼いたお餅、細めの中華麺やそうめんを入れると最高!
懐の深いごま油は、どんな料理も美味しくしてくれる名脇役。もし、台所でごま油が眠っているならば、ぜひ普段の料理にフル活用してみてください。きっと美味しい発見があるはずです!
写真/『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)より
待望の 「ごま油本」ができました!
kufuraの連載でおなじみ、大ヒットレシピを連発している沼津りえさんの人気シリーズが書籍化します! テーマはなんと“ごま油”! YouTubeの再生数10万回を超える「長ねぎのごま油漬け」を筆頭に、当連載で人気だったごま油レシピに加え、新作レシピやアレンジも多数登場。ごま油があればいつもの“家ごはん”がもっと美味しく、ラクになる。そんなヘビロテ必至の毎日使える98レシピを揃えました。
「いつも家にある食材と調味料で、毎日の“家ごはん”をラクに、簡単に、楽しんでほしい。“ごま油”はその手助けをきっとしてくれるはずです」(沼津りえ)
ごま油ラバーである沼津さんの料理が、ぜひみなさんに届きますように。
『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』
著/沼津りえ 1,650円(税込)小学館
2025年1月16日(木)発売
料理研究家・管理栄養士であり、2人の娘の母でもある著者のレシピは、なんといっても手軽でシンプル!「kufura」のレシピ動画も人気で、総再生回数は470万回を超えており、特にごま油を使ったレシピは大人気です。
本書では、ごま油の長所を活かした「漬ける」「和える」「活かす」の3つの調理法に分け、パパッと作れる漬け物や小鉢、メインになる肉や魚のおかずから、満腹になるごはんや麺まで、全98レシピを掲載。家にある調味料で手軽に作れるシンプルなレシピは、「また作って!」と、いつもの食卓の定番になること間違いなし。kufura編集部のスタッフ達も自宅でリピートしているメニューがたくさん掲載されています。
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」
ライター&エディター。『女性セブン』(小学館)で約 20年、料理、家事、美容、旅、タレント取材など、実用記事を中心に幅広いジャンルで取材&執筆を行う。『kufura』では2017年のローンチより、料理やヨガなどを中心に動画記事を350本以上作成。好きなものは絵本、美術館、音楽フェス、自転車。週刊誌で鍛えられた体力&根性で 40代から子育て奮闘中。