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驚きのムース食感!手作り「レバーペースト」は、ホムパにも最適のお店の味【沼津りえのとっておきレシピ】

kufuraの大人気連載「ちょこっと漬け」などでもおなじみの料理研究家の沼津りえさんが、「とっておきレシピ」を動画で楽しくお届け!

今回は「レバー」を使った大人気の内臓系シリーズ。これからクリスマスシーズンに向けておすすめの「レバーペースト」を紹介します。臭みゼロ、驚きのふんわり食感で、ハレの日のごちそう感も満点です!

レバーの下処理簡単!ゆでるだけでOKでした

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レバーのよくある下処理法は、牛乳に漬けたり、血抜きしたり、氷水で洗ったり、生のまま扱うとまな板は血で汚れるし……とにかく大変ですよね。そのために、「自宅で作るのはちょっと……」と、感じている人も多いのではないでしょうか。

そこで沼津さんが考案した、「パックからそのままドボンと湯に入れてゆでる」という革命的な下処理法を紹介したところ、kufuraのYouTubeで再生回数9.3万回(2024年12月現在)を突破。本当に驚くほど簡単です!

その撮影時に、沼津さんが「これでレバーペーストを作ると本当に美味しいのよね!」と話していたのを、我々スタッフはちゃんと聞き逃していませんでしたよ。

今回は満を持して、クリスマスシーズンに向けて、沼津流「レバーペースト」の作り方をお届けします!

【材料】(作りやすい分量)

鶏レバー・・・200g

オリーブオイル・・・大さじ1

にんにく・・・1片

白ワイン・・・大さじ3

ローリエ・・・1枚

粗挽き黒こしょう・・・適量

塩・・・小さじ1/2

生クリーム・・・100ml

バゲット・・・適宜

【作り方】

(1)レバーをゆでる

沸騰した湯にレバーを入れ、再沸騰したら、グラグラと湯が沸いている状態をキープしながら5分間ゆでます。

「パックからそのまま湯に入れるだけなので超簡単です! ゆでることで、レバーの臭みを取ることができますよ。今回は後で焼くので、完全に火が通っていなくてもOK。加熱調理を行う場合は5分ほど、そのまま食べる場合は8分ほどゆでてください。ゆで時間は鶏レバーの大きさによって調整してくださいね」

赤丸で囲ったようにハツがついた状態で売られている場合も。

もし、レバーにハツ(心臓)がついている場合は、そのままゆでてしまってOKです。

ハツはコリコリしてなめらかになりにくいので、ペーストにする前にハツだけ取り除いてください。

レバーと一緒に焼きつけておき、ハツはそのまま食べるといいですよ!

(2)水で洗う

ゆでたレバーを水を張ったボウルに入れ、表面の汚れを手で優しくこするようにして、2〜3回水を替えてよく洗います。水が汚れず、透明になればOKです。

(3)血液の塊を取り除く

洗ったレバーは脂があったら取り除いてください。包丁で切って中を確認し、血液の塊があったら包丁の先を使って取り除きます。

「血液が残っていると臭みのもとになるので、丁寧に取り除いてください。血液が固まっているので、ポロッと簡単に取れますよ」

(4)水で洗って、水気を拭く

血液の塊を取り終わったら、再度水を張ったボウルにレバーを入れ、水がきれいになるまで水を替えながらよく洗いましょう。

水気が残っていると焼く時にはねやすいので、ペーパーなどで水気をしっかり拭いてください。

(5)レバーを焼きつける

フライパンにオリーブオイルと半分に切ったにんにくを入れ、弱火でじっくりとにんにくの香りをオイルに移していきます。にんにくの香りが立ったらレバーを入れ、焦げ目がつくまで中火で焼いてください。

「レバーはこんがり焼くのがポイントです。焦げ目も香ばしい旨味になりますよ!」

(6)白ワイン、ローリエを入れる

焦げ目がついたらレバーとにんにくをひっくり返し、両面が焼けたら弱火にして、白ワインと切り目を入れたローリエを入れます。粗挽き黒こしょうをたっぷり振ったら、中火で3〜4分煮詰めていきましょう。

「う〜ん、いい香りがしています。もうこのまま食べても美味しい! 今回は香りづけにローリエを使いましたが、ローズマリーやタイムなど、好みのハーブを入れてもいいですね」

(7)しっかり煮詰めてから塩を振る

白ワインが煮詰まってとろみが出てきたら、ここで初めて塩を入れます。塩を振って全体に絡め、さらに煮詰めていきましょう。煮汁がほとんどなくなってきたら火を止め、このまま置いて粗熱を取ります。

「煮詰め加減でペーストのなめらかさが変わってきます。ここでしっかり煮詰めることで、よりなめらかな口当たりのよいレバーペーストになります」

(8)ブレンダーでペーストにする

ローリエを取り除き、生クリームを半量入れ、ブレンダーでなめらかなペーストにしていきます。途中で生クリームを少しずつ足しながら、大体なめらかになったら、最後に残りの生クリームを入れます。生クリームの量は好みで調整してください。

「今回は塩だけのシンプルな味付けですが、バルサミコ酢やハーブを加えてもいいですね。お好みで自由にアレンジを楽しんでみてください」

(9)冷蔵庫で1時間以上冷やす

このまま冷蔵庫で1時間以上冷やします。この時点ではややゆるめに感じますが、冷やすと生クリームがキュッと締まるので、ほどよい硬さに仕上がります。

(10)器に盛り付ける

ココットなど小さめの器にレバーペーストを縁までたっぷり入れ、表面を平らに整えます。ペーパーで周りを拭いたら、まるでお店で出てくるようなビジュアルに!

(11)できあがり!

好みでバゲットにたっぷり塗って、いただきましょう! 冷蔵で2〜3日、保存も可能です。

バゲットにバターナイフで伸ばすと、なめらかにスッと伸びて気持ちいい。最初はゆるかったペーストが、沼津さんの言う通り、冷やしたらちょうどよい硬さになりました。

口に運ぶと、ふわりと軽く、まるでムースのような食感。正直、筆者はレバーが苦手なので少しドキドキしていたのですが、「え? これがレバーなの!?」と思うほど、臭みが全然なくて、とっても美味しく食べられました! 市販品はもっと味が濃いイメージでしたが、沼津さんのレバーペーストは優しい味でふわっふわ!

「うちの夫もレバーが苦手でしたが、この方法で作ったら、レバー嫌いを克服したんですよ。下処理の方法は、他のレバー料理にも応用できるので、ぜひ試してみてくださいね。

シンプルな味付けなので、好みのハーブを利かせたり、クリスマス用ならピンクペッパーを散らしてもかわいいですね。今回は白ワインで作りましたが、赤ワインで作るとより重厚感が出てきます。残った生クリームと合わせてパスタやペンネと和えたり、プロセスチーズやクリームチーズと混ぜたりしてもGood!」

私の購入したレバーにはハツがついていたので、一緒にゆでて調理しました。鍋に入れた直後から5分計ってしまったので、動画よりもやや中が赤かったのですが、その後にこんがり焼くので問題なく作れました。ただ、血液がしっかり固まった方が取り除きやすいので、「再沸騰してから5分」を守り、レバーが大きめの場合は加熱時間を少し長めに調整するとよさそうです。私はミキサーで作ってみたところ、とってもなめらかにできました! ただブレンダーの方が空気が入りやすいので、ふわふわ食感に仕上がりそうです。

いつも沼津さんのレシピには驚かされますが、今回も調味料は塩、こしょうだけ。なのに、素材の旨味をしっかり引き出しているので、とっても複雑な味わいです。家族にも「お店の味だね!」と大好評でした。

これからクリスマスや年末年始のおもてなしにもぴったり! ぜひお試しください。

取材・文/岸綾香

沼津りえ
沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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