香味野菜を「薬味」と呼ぶのには理由があります
nullにんにくをはじめ、しょうがやみょうが、大葉、葉ねぎなど香りが高く、料理を引き立ててくれる「香味野菜」。料理の香りや風味づけとして、また夏には、そうめんや冷菜の「薬味」として欠かせません。しかし、効能はそれだけではありません。
「しょうがは血行および新陳代謝を促進してむくみを解消。殺菌効果もあるので、夏にはぴったりです。また、みょうがも血行をよくして口内炎や生理痛などを和らげてくれます。香りのもとである『アルファピネン』という成分は、食欲増進や発汗作用も期待できますよ。
ちなみに、わさびも香味野菜のひとつですが、殺菌・抗菌作用があるため、お刺身には必ずついてきますよね。食材の風味を引き立てながら、栄養補給や抗菌もしてくれる。まさに理に適った”味わう薬”なのです」(以下「」内、松田さん)
「カリカリ油揚げと梅納豆そうめん」の作り方
null【材料】2人分
そうめん・・・2〜4束(好みで調整してください)
油揚げ・・・2枚
納豆・・・2パック
梅干し・・・2個
みょうが・・・1〜2個
ねぎ・・・1/4本
【かけつゆ】
めんつゆ(自家製か市販のもの)・・・1/2カップ
しょうがのみじん切り・・・大さじ1/2
しょうゆ・・・小さじ1
(好みで)豆板醤かゆずこしょう・・・小さじ1
(1)そうめんをかためにゆでる
大きめの鍋に水適量を入れて火にかける。沸騰したらそうめんを入れ、泳がせるようにほぐしながら1分ゆでる。
火を切って蓋をし、約1分蒸す。ざるに上げ、流水の下でぬめりがなくなるまでしっかりもみ洗いして水を切り、ざるに上げておく。
ここで一手!
「熱湯でゆで続けるよりも、火を止めて蓋をして蒸すほうが、そうめんの風味とうまみが残ります。そうめんは案外と丈夫で、流水の下でもみ洗いをしても崩れませんから、ジャブジャブしっかり洗ってください。口あたり、喉ごしが格段によくなります」
*蒸し時間は、麺の太さに応じて調整してください。細めなら約1分が目安です。
(2)油揚げをフライパンで焼き、細切りにする
フライパンを中火で温めて油揚げを並べる。ゆっくりと油を引き出しながら、軽く焦げ目がつき、両面がカリカリになるまで焼く。キッチンペーパーに上げて粗熱を取る。
油揚げ(1枚分)はまず縦半分に切り、次に長さ半分に切り揃える。これを重ねて指先で押さえながら細く切り揃える。もう1枚も同じように切る。
(3)梅干しを包丁で叩き、納豆と合わせる
梅干しは種を除き、果肉を包丁の腹で叩く。ボウルに納豆と梅干しを入れて混ぜ合わせる。
(4)みょうがとねぎを準備する
みょうがは縦半分に切ってななめ薄切りにする。ねぎは縦半分に切って芯を除き、薄い小口切りにする。ボウルに張った水に放ってからキッチンペーパーに上げる。
ここで一手!
「水にさらし過ぎないように気をつけましょう。ねぎの白い部分には、硫化アリルという辛味成分が含まれますが、これはビタミンB1の吸収を助けて疲労回復や食欲増進を促してくれます。せっかくの有効成分が流れすぎないよう、水にさらすのは3分以内におさめてキッチンペーパーに上げ、水気を押さえてくださいね」
(5)かけつゆを準備する
【かけつゆ】の材料をボウルなどに合わせ、冷蔵庫で冷やしておく。
ここで一手!
めんつゆは市販のものでもOKですが、「夏麺」シリーズ#1「ぶっかけそうめん」で紹介した自家製めんつゆを使うとさらに美味。冷蔵&冷凍保存が可能なので、多めに作っておくと便利です。
(6)盛りつける
1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。近著に『65歳からの食事革命』(文化出版局)などがある。愛犬はタスマニアンラブラドゥードゥルのguguちゃん(3歳) http://www.m-cooking.com/