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夏のごちそう「パーコー油そば」!うまみ&栄養…疲れた体にパーフェクトな一皿【松田美智子の体よろこぶ夏の麺#4】

厳暑つづく今夏、食事もあっさりとしたものになりがちです。ただ、体力キープのためにも、食事でたんぱく質はじめ栄養素をしっかりと補給しておきたいもの。そこで、具材の絶妙な組み合わせとシンプルなレシピが人気の料理研究家・松田美智子さんに、夏バテや夏冷えに負けない、栄養満点、家族みんなで楽しめる「夏麺」レシピを考案していただきました。

「ツルツルと食べやすく、どんな食材とも風味よくなじんで手軽に“ごちそう”にできるのが麺のよいところ。その分、”下ごしらえ”までもいかないほんの”一手”を加えて、目にも口にも“おいしい!”を演出したいものです。今回は、豚ロース肉を生麹でマリネし、揚げ焼きにしたパーコー(パイクー/排骨)が主役のスタミナ麺をご紹介します。生麹でうまみを引き出したジューシーな豚ロース肉とたっぷりのきゅうりともやし、そして香菜の芳香が夏疲れを吹き飛ばしてくれるはず!」(松田さん)

豚肉は疲労回復に欠かせないビタミンB1の宝庫!

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「パーコー(排骨)」とは、豚のロース肉をたれに漬け、片栗粉などをまぶして揚げた料理のこと。これをラーメンにのせたのが「パーコー麺」で、台湾のソウルフードとして知られています。

豚肉はたんぱく質とビタミン類の宝庫。なかでも肩ロース肉は、炭水化物を効率よくエネルギーに変えてくれ、疲労回復に欠かせないビタミンB1が豊富に含まれています。また、脂肪を燃焼しやすくするカルニチンも多く含まれているので、暑さで栄養が不足気味になる夏こそ、積極的にメニューに取り入れたい食材です。

今回は事前にマリネした豚肉を、揚げずに、ちょっと多めの油で焼きましたが、もちろん、唐揚げにしてもおいしいですよ。ぜひ、熱々を上がってくださいね」(以下「」内、松田さん)

「パーコー油そば」の作り方

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【材料】2人分

中華麺・・・2玉
ごま油・・・大さじ1と1/2

豚ロース肉・・・1.5cm厚さのものを2枚
もやし・・・1/2袋
きゅうり・・・1本
香菜・・・1束(根はスープに使う)

【マリネの材料】
生麹・・・大さじ1
酒・・・大さじ2
塩・・・小さじ1/2

【揚げ焼き用の衣】
薄力粉・・・大さじ1
片栗粉・・・大さじ2

揚げ油(あれば米油)・・・大さじ3

【スープ】
にんにく(せんぎり)・・・大さじ1
ねぎ・・・10cm長さに切ってみじん切り
鷹の爪(ぬるま湯で戻してみじん切り)・・・小さじ1/2
香菜の根・・・みじん切り
ごま油・・・大さじ1
酒・・・大さじ1
めんつゆ(ストレート)・・・1/2カップ
しょうゆ・・・大さじ1
白こしょう・・・少量

(1)豚ロース肉を下ごしらえする

脂の部分に3〜4カ所切り込みを入れた豚ロース肉に生麹など【マリネの材料】をなじませ、3時間〜ひと晩、冷蔵庫で寝かせる。

ここで一手!

麹には“生”と“乾燥”があります。生麹はそのまま使えて発酵力が強いため、肉のうまみを増幅させて風味よく仕上げてくれます。生麹は専門店のオンラインショップなどで購入可能です。食材の風味が格段に上がりますから、ぜひ試してみてください」

松田美智子さん愛用の「羽場のこうじ」は、国産米100%使用の生麹。米の芯までしっかりと発酵させているため、肉をやわらかくまろやかに仕上げてくれるとか

「羽場のこうじ」(1kg/税込み780円)

羽場こうじ店 https://habakojishop.handcrafted.jp

(2)もやし、きゅうり、香菜を下ごしらえする

もやしは芽とヒゲを取り、熱湯で1分ゆでてザルにあげる。きゅうりは縦半分に切って細めのスプーンなどで種をかき取り、包丁の腹で軽く押し崩して2cm大に切る。香菜は茎と葉は小口切りにし、根の部分は汚れを落としてみじん切りに。こちらはスープで使う。

ここで一手!

きゅうりは匂いが苦手、という人も多いですよね。これは種を取ることでほぼ解決。また、水っぽさが抜けるので、口あたりがシャキッとします。スープとも絡みやすくなります

(3)中華麺をゆでる

大きめの鍋に湯を沸かし、中華麺を軽くほぐしながら入れてかためにゆでる。ざるに上げ、ごま油を全体にまぶしておく。

ここで一手!

「中華麺はかたまりやすいので、あらかじめ湯を沸かしておき、豚ロース肉の焼き上がりのタイミングを見つつ、ゆでてください。ざるに上げたら、すぐにごま油を麺にまんべんなく回しかけておくのがポイントです

(4)豚ロース肉を揚げ焼きにする

豚ロース肉は1枚を4等分にそぎ切りにし、【揚げ焼き用の衣】を混ぜ合わせて肉の両面にまんべんなくまぶす。フライパンに揚げ油を入れ温める。肉を並べて中火に落とし、蓋をして焼く。途中で肉を返し、こんがりと焼き色がつくまで火を通す。焼き上がったら、食べやすいように包丁で斜めに切り込みを入れておく。

(5)豚ロース肉を揚げ焼きする間にスープを作る

小鍋にごま油を熱して火を切る。にんにく、ねぎ、香菜の根、鷹の爪を入れたらふたたび火を入れ、軽く炒め合わせる。香りが立ったら酒、めんつゆ、しょうゆ、白こしょうを加え、ひと煮立ちするのを待って火を切る。

ここで一手!

めんつゆは市販のものでもOKですが、「夏麺」シリーズ#1「ぶっかけそうめん」で紹介した自家製めんつゆを使うとさらに美味。冷蔵&冷凍保存が可能なので、多めに作っておくと便利です。

(6)盛りつける

器に中華麺を入れてもやしを盛り、豚ロース肉をのせる。スープを具材ごとたっぷりとかけて、きゅうりと香菜をあしらう。好みでラー油をかけてもおいしい。

「ミニトマトをプラスしてもいいですね。お皿が華やぎますし、酸味がよいアクセントになります」

 

撮影/鍋島徳恭

取材・文/神史子

松田美智子
松田美智子

1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。近著に『65歳からの食事革命』(文化出版局)などがある。愛犬はタスマニアンラブラドゥードゥルのguguちゃん(3歳) http://www.m-cooking.com/

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