子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

「アヒージョ風にゅうめん」はニンニクの香り&カラフル食材で食欲を刺激!【松田美智子の体よろこぶ夏の麺#3】

あっという間に梅雨が明け、暑さですでにぐったり……という人も多いのでは? そんなときこそ、一品できちんと“食事”になるおいしい麺メニューのバリエをもっておきたいもの。そこで、具材の絶妙な組み合わせとシンプルなレシピが人気の料理研究家・松田美智子さんに、夏バテや夏冷えに負けない、サッと作れて栄養満点、家族みんなで楽しめる「夏麺」レシピを考案していただきました。

「体力の消耗が激しくなる夏こそ、栄養をしっかり摂ることが不可欠です。麺のよいところは、どんな食材とも風味よくなじみ、手軽に“ごちそう”にできること。ただその分、”下ごしらえ”までもいかないほんの”一手”を加えて、目にも口にも“おいしい!”を演出をしたいものです。今回は、そうめんをかためにゆで、にんにくとオリーブオイルをベースに、シーフードとカラフルな夏野菜でアヒージョ風に仕上げました。トマトは皮の部分に栄養が凝縮されているので、皮をむかずに口当たりよくいただける、とっても簡単な“一手”をご紹介します!」(松田さん)

チキンスープをプラスして、たんぱく質強化&うまみも増し増し!

null

「アヒージョ」はオリーブオイルとにんにくでおもに魚介類を煮込んだ、スペイン南部の伝統的な小皿料理“タパス”のひとつ。オリーブオイルには心血管によい一価不飽和脂肪酸が豊富に含まれ、にんにくは免疫機能をサポートし、抗菌作用や血圧を下げる効果も期待されています。そして魚介類は低脂肪・高たんぱく。「アヒージョ」は体に負担をかけず、栄養もしっかり摂れる理想的なおつまみといえます。

「今回のにゅうめんにはチキンスープを加え、さらにたんぱく質を強化。そうめんとの絡みもよく、うまみもたっぷりです。トマトの酸味がよいアクセントになって、食欲を刺激してくれます。キンと冷えた白ワインとともにどうぞ」(以下「」内、松田さん)

「アヒージョ風にゅうめん」の作り方

null

【材料】2人分

そうめん・・・2〜3束
やりいか・・・2杯(約150g
小ぶりの海老・・・約10尾(約120g
ブロッコリー・・・1/4
ミニトマト・・・810
にんにく・・・1

みそ(あれば麹みそ)・・・大さじ1
オリーブオイル・・・1/2カップ
チキンスープ・・・1カップ
鷹の爪・・・2cm
塩・・・少量
片栗粉・・・大さじ1
白ワイン・・・大さじ2
白こしょう・・・適量

(1)そうめんをかためにゆでる

大きめの鍋に水適量を入れて火にかけ、沸騰したらそうめんを入れて泳がせるようにまずは1分。

火を切って蓋をし、約1分蒸す。ざるに上げ、流水の下でぬめりがなくなるまでしっかりもみ洗いして水を切り、ざるに上げておく。

ここで一手!

「そうめんは熱湯でゆで続けるよりも、火を止めて蓋をし、蒸したほうがぬめりが少なくつるんとおいしく仕上がります。そうめんは案外と丈夫なので、流水の下でもみ洗いをしても崩れませんから、ジャブジャブしっかり洗ってください。口当たり、喉ごしが格段によくなります」

*蒸し時間は、麺の太さに応じて調整してください。細めならば約1分が目安です。

(2)にんにく・ブロッコリー・トマトを下ごしらえする

にんにくは半分に切って芽を除き、包丁の腹で叩いて潰す。ブロッコリーはひと口大に切り分ける。

トマトはヘタを取らず、皮を包丁の刃先で突いておく。

ここで一手!

「トマトの栄養素のなんと80%は皮にあるのだとか。ぜひ、皮がついたままいただきましょう。ヘタを残し、皮に切れ目を入れておくと型崩れしにくくなります」

(3)やりいかと海老を下ごしらえする

やりいかは内臓と軟骨を抜いて2cm幅に切る。げそはくちばしを除いて切り分ける。

白ワインを入れたボウルに浸して塩をふり、5分ほどマリネする。

海老は背開きにしてわたを取る。

ここで一手!

背開きにしてわたを取った海老は、塩少量と片栗粉をもみ込んでからさっと洗ってキッチンペーパーで水気をぬぐっておく。
「こうしておくと、火にかけても海老がかたくなりにくく、プリッとした食感が楽しめます」

(4)鍋にオリーブオイル +みそを入れて火にかける

ボウルにオリーブオイルとみそを合わせて軽く混ぜ、鍋に入れて中火にかける。

「おみそは、具材のうまみを引き出してまろやかにまとめてくれて、鉄分やカルシウムが豊富な麹みそをおすすめします。あるいは、市販の生麹を合わせみそと混ぜても。ほんのちょっとで、おみその風味がぐんと上がりますから、ぜひ試してみてください」

(5)具材を炒め煮にする

にんにくと鷹の爪を入れ、じんわりとにんにくの香りをオリーブオイルに移す。

にんにくの香りが立ち、オリーブオイルがフツフツとしてきたら、やりいか、海老、ブロッコリー、トマトの順に加える。

(6)チキンスープを加えて煮る

チキンスープを加えたら蓋をし、5分ほど煮る。「蓋をして煮込むことで、味が凝縮されてまとまり、ちょっととろみも出ます。煮すぎないようにくれぐれもご注意」

(7)そうめんを入れ、ひと煮立ちしたら完成!

水気をよく切ったそうめんを鍋に入れ、ひと煮立ちさせる。好みで白こしょうを振って完成。

「今回は材料に魚介類を使用しました。

“魚貝類の下処理は面倒”と思われるかもしれません。たしかに、手数はかかります。でも、お料理は結局のところ、火にかける前にどこまで手をかけておけるか……だと思うんです。だって”いまが旬”の食材は、やっぱりいちばんおいしい形でいただきたいでしょう? 私は、いかのわたを丁寧に処理することで幸せになれるなら、そして“おいしい!”と喜ぶ家族やお客さまの笑顔が見られるなら、よぅし!と気合いを入れておいしいのを作っちゃう。ほんのちょっと心と手をかけること、ぜひやってみてくださいね」

撮影/鍋島徳恭 取材・文/神史子

松田美智子
松田美智子

1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。近著に『65歳からの食事革命』(文化出版局)などがある。愛犬はタスマニアンラブラドゥードゥルのguguちゃん(3歳) http://www.m-cooking.com/

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載