保存&持ち運びのコツ
null家庭のキッチンはもちろん、キャンプの外ごはんにスパイスを持っていくという方もいるでしょう。その場合は、どうするのがベター?
保管は冷蔵庫がおすすめ
種子や葉を乾燥して作られるスパイスやハーブは、高温多湿が苦手。
「常温でも大丈夫ですが、きちんと蓋をしめないと虫が入ったり湿気たりする場合があります。おすすめは、開封後はしっかり蓋をしめて冷蔵庫に保管すること。冷蔵庫内でしたら、どこに入れても大丈夫です」
キャンプなどアウトドアに持ってゆくなら、クーラーボックスの中へ。ただし、溶けた氷や食材の水分などで湿気てしまわないよう、パッケージごと密閉できるビニール袋に入れるなど工夫しましょう。
使うコツ
null実際に使う時に役立つコツがこちら! ポイントを抑えると、より気軽に、さらにおいしく仕上がります。
一振りで味が決まる「ミックススパイス」を取り入れてみる
「賞味期限内に使いきれない」悩みの根底にあるのが、そもそも出番が少ないという問題。
「おそらく特別なとき専用というイメージもあるのかもしれませんね。弊社にもそういう声は届いていまして、『ヒハツ』というコショウ科のスパイスをアレンジして、毎日気軽に楽しめるミックススパイスである『ヒハツ+(プラス)』を開発しました。
『ヒハツ』は、スリランカでは健康維持のために飲み続けられてきたスパイスティーにも使われています。近ごろ日本でも注目を集める一方で、独特の香りが気になるという声も。そこで、シナモンやジンジャーと合わせて、香り豊かに使いやすくしたんです」
それぞれカフェラテやミルクティーに一振りすれば、スパイシーな風味が加わり、いつもと一味違うおいしさに。また「『ヒハツ+ <シナモン>』はポタージュに、『ヒハツ+ <ジンジャー>』はわかめスープに合います」とのこと。朝食やランチの一品にも活躍しそうです。さらに、フレンチトーストやバタートーストにかければ、よいアクセントに。
使いきれない場合は、こうした一振りで味が決まるミックススパイスから楽しむのもアリかもしれません。
加熱する場合はひと工夫
香りの成分は揮発性なので、加熱することでよい香りが引き立ちます。一方で、とくにパウダー状のスパイスは香りが飛びやすくなるという一面も。
「高温にふれ続けると、香りが飛びやすくなります。だから、電子レンジやオーブンなど高温調理を行う場合は、少しスパイスを多めに入れるのがおすすめ。料理によっては出来あがりに追いスパイスをしてもよいですね」
ちぎったり潰したりすると香りが花開く
葉を乾燥させたハーブや、ホール(粒状)のスパイスは、使うときにちぎったり潰したりしてから加えると、香りが一層引き立つそうです。
「和食で木の芽を叩いてから使うように、ちぎったり砕いたりすると、スパイスやハーブの香りの成分が出やすくなるんです。
煮込み料理に使うローリエも、そのまま入れてもよいですが、半分に折るとより香りが広がります。たとえばお肉や魚介類をソテーする時にも、半分に折って加えてみてください。西洋風で、本格的に仕上がりますよ」
辛みのスパイスは少しずつ加える
レッドペパーやコショー、花椒など、辛みのあるスパイスは、入れすぎ注意。
「辛さは加熱しても飛びません。だから一度辛くしすぎると、料理全体の味を薄めるしかリカバリーできないのです。加える場合は、少しずつ味見しながら加えましょう」
甘い風味のスパイスで減糖も夢じゃない!?
ほのかな甘みを感じる独特の香りのシナモン。アップルパイには欠かせず、シナモンシュガートーストやシナモンロールなどでもおなじみです。
「パンと相性がよく、フレンチトーストにちょっと振りかけてもおいしいですよ。また乳製品ともよく合い、ヨーグルトにかけたりミルクティーに一振りするのもおすすめです。
振りかけるだけで甘みが引き立つので、シナモンを上手に使うことで砂糖の使用量を減らすこともできるかもしれません」
使い切るコツ
nullスパイスやハーブの賞味期限は、未開封の場合は約2〜3年と長いですが、開封後はなるべく早めに使い切るのが鉄則です。
香りが弱まってきたら賞味期限の合図
基本的には、香りが弱まる=おいしさの期限が近いしるし。開封後はなるべく早く使い切りましょう。
「奥の手ですが、スパイスやハーブが湿気て香りが弱まっている場合は、フライパンでほんの少し加熱すると香りが戻る場合もあります。フライパンに使う分だけ入れて、弱火で加熱し、香りがたった瞬間に火からおろしてください」
賞味期限切れのホールスパイスやハーブはリースやサシェに
残念ながら賞味期限を切らしてしまった場合、そのまま捨てるのは忍びないですよね。
「社内には、唐辛子やシナモンスティック、ローリエ、八角など、ホールスパイスをリースにアレンジして楽しんでいる社員もいます。また、レモングラスやローリエ、ローズマリーなど、料理用のドライハーブを小さな巾着袋に入れればサシェとしても楽しめますよ」
ちょっとしたコツで毎日の食卓が楽しくなる
null東さん曰く「一振りで風味が変わり、時には気分まで変えてくれる」のがスパイスやハーブの楽しさ。今回ご紹介したコツをちょっとおさえて、毎日の食卓をグーンと楽しくしてみませんか。
【取材協力】
ハウス食品
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote