おでん作り、どんな失敗をしがち?
null『紀文食品』が行った調査によると、「おでんを作るときに失敗したことがあるか」という質問に対して、64.8%の人が「ある」と回答したそうです。
具体的な失敗内容と、その失敗を防ぐコツについて、『紀文食品』のサイト内コーナー「おでん教室」などを基にご紹介します。
Q.大根やこんにゃくに味がしみず、あまり美味しくありません。どうすれば、中まで味がしみ込みますか?
A.下ごしらえのポイントを押さえて、熱いうちに煮汁に加えます。
大根やこんにゃくは煮えにくい具材なのと、臭みを抜くためにも、下ゆでをしてから煮汁に加えるのが基本です。
その際に、大根は片面に深さ1cmの“隠し包丁”を入れ、こんにゃくは格子状に切れ目を入れると、味がしみ込みやすくなります。
下ゆでの際、代わりに電子レンジを活用すると、調理器具も少なく時短になるのでおすすめ。合わせておいた調味液に、熱いうちに加えるのもポイントです。
Q.具材にしっかり味をしみ込ませようと思うと、つゆの味が濃くなってしまいます。どうすれば防げますか?
A.味が濃くなるのは、ズバリ「煮すぎ」が原因と考えられます。
「おでんの失敗」の内容を調査したところ、「
煮えにくいものは下ごしらえをして、弱火でコトコト30分、練り物は15分が基本。煮込みすぎると、おでん汁(つゆ)に具材の旨味や、練り物の塩分が溶け出してしまいます。
具材によって煮る時間を変えれば、煮込み時間はトータル45分ほどで美味しく作ることが可能です。
同様に、火加減も重要。煮くずれや煮つまりを防ぐため、一度煮立ったら、あとは弱火にして煮立たせないよう静かに煮ましょう。
Q.はんぺんがブワッと膨らんでしまいます。防ぐにはどうしたらいいでしょうか?
A.はんぺんは食べる直前に加え、温める程度でOKです。
おでん作りのコツは、煮えにくい具材から順に煮込んでいくこと。
野菜やこんにゃく、卵をある程度煮込んでから、練り物を加えますが、はんぺんはいちばん最後に加えます。食べる直前に鍋に入れて、お玉でつゆをかけながら温めるだけでOKです。
こうすれば、膨らみすぎることを防げます。
Q.つゆの味付けがうまくいきません。家庭で美味しく作るコツはありますか?
A.手軽な“水だし”と隠し味で本格派のつゆが作れます。
おでんつゆの基本は、だしと調味料の組み合わせです。
だしは、一晩冷蔵庫に置くだけの“水だし”にすると、手軽で雑味も出にくいのでおすすめ。作り方は簡単で、水1,400mlにかつお節30gと切り込みを入れた昆布10cm×2枚を入れ、一晩(6時間以上)冷蔵庫に置き、一度こして、鍋に移します。
また、隠し味にオイスターソースを加えると、味わいに奥行きがプラスされるのでおすすめです。
あわせて、火加減に気を付けて、煮詰まらないように注意してくださいね。
よくある失敗をふまえ、抑えておきたい基本の「おでんの作り方」
nullここまで、おでん作りによくある失敗と解決法をみてきました。最後に、紀文食品が提案する、水だしと調味料の美味しい配合、約45分で作る基本のレシピをご紹介します。
【基本のつゆの配合】(水だし1,400mlに対して)
酒 60ml
薄口醤油 大さじ2
みりん 大さじ2
塩 小さじ1
オイスターソース 小さじ1
【約45分で作る基本の流れ】
(1)はじめに、だしと調味料を加え、沸騰したら煮えにくい具材を入れ、煮立たせないよう弱火にして30分ほど煮込みます。
(2)練り物類を加えて、弱火でさらに15分ほど煮込みます。
(3)仕上げにはんぺんを加え、煮汁をかけながら温めて完成です。
ここでは簡単にご紹介しました。
『紀文食品』サイト内の「おでん教室」では、おでんに加える具材や、作り方の詳細、さまざまなアレンジレシピなどが紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
いかがでしたか?
今回学んだことをもとに、筆者もさっそく作ってみると、これまでにないほど美味しくできました。
実際どれくらい煮込めばいいのか疑問でしたが、「煮えにくい具材30分+練り物15分=45分のタイムテーブル」に沿って作ると、練り物から味が抜けることなく、大根やこんにゃくには味がしみ込み、大満足の仕上がりに。
味付けにオイスターソースは、ちょっと意外でしたが、これがとっても美味。オイスターソースの旨味やコクが、そこはかとなく煮汁に溶け込んで、奥行きのある味わいになりました。
ちょっとしたコツをつかむだけで、おでん作りの腕前がワンランク上がったようで得した気分です。
皆さんも、ぜひ今回の記事を参考に、おでん作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ライター、J.S.A.ワインエキスパート。札幌の編集プロダクションに勤務し、北海道の食・旅・人を取材。夫の転勤で上京後、フリーでライティングや書籍の編集補助に携わる。小学生のころから料理、生活、インテリアの本が好きで、少ない小遣いで「憧れに近づく」ために工夫し、大学では芸術学を専攻。等身大の衣食住をいかに美しく快適に楽しむか、ずっと大切にしてきたテーマを執筆に生かしたいです。小学生のひとり息子は鉄道と歴史の大ファン。