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【第6回 菜箸】料理の腕が上がる!とんかつもスッとつかめて、転がらない。料理研究家・松田美智子の「育てる台所道具」

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「料理は毎日のことだから、自分のために、家族のために、“義務”ではなく楽しみながら仕度したいもの。そこで大事になるのは『道具』ではないかと思います」(松田さん)

調理道具の開発にも数多く携わってきた料理研究家の松田美智子さんが、料理に欠かせないツールと、それを選ぶポイントを解説。機能的で美しく、使い込むほどに手になじむ「育てる道具」の提案をシリーズでお届けします。第6回は、持ちやすくつかみやすく、まさに“手先”となって働いてくれる「スス竹の二点削菜箸」です。

ストレスのない菜箸が、お料理の効率をグンとアップします

「たかが道具、されど道具」です。質のよい調理道具はけっして安くありませんが、大切に扱えば何年、いえ何十年も使えます。道具は「育てる」ものだと私は思っています。機能的で美しい道具を自分の手に合った使い勝手のよい“手先”に育てる。すると効率が上がって、お料理もおいしく仕上がります。

菜箸は包丁と並ぶ、お料理の最重要ツールです。和える、つかむ、炒める、返す、盛りつける……と、下ごしらえから盛りつけまで、文字通り“手先”となって動く働きモノ。だからこそ、ストレスのない菜箸を選ぶことが大切です。

四角いから転がらない。ほどよい凹みで自然と指の位置が決まります

私も長らく“菜箸難民”で苦労した結果、それなら自分で作っちゃえ!とプロデュースしたのが、使い勝手に徹底的にこだわったスス竹の菜箸です。

スス竹(煤竹)とは、古いわらぶき屋根の民家の梁や天井に使われた竹のことです。何十年、あるいは100年以上も囲炉裏の煙で燻されて味わい深い飴色に変色した竹は、熱に強く丈夫かつしなやか。鍋やフライパンを傷つけにくいのが特長です。

近年、天然のスス竹はわらぶき屋根の家屋同様に貴重品となっていますが、竹を蒸し焼きにして炭化させ強化、風合いを出す加工技術も発達しています。

ポイント1:箸を持つ手がスッと決まる凹み

煮ものや揚げものなど、さまざまな形や大きさの食材を持ち上げたり返したりと、菜箸を押さえる指には結構な力が入っています。しかも菜箸は長いですから、握る位置によっては、滑ったりズレたりすることも。そこで、女性の小さな手でも自在に菜箸を動かせるよう、ほどよい凹みをつけました

指の位置が決まると、安定感が抜群によくなって使いやすくなります。だから大きなとんかつもぐらつくことなく、ほら、この通りしっかりつかめます。また、箸先を細めにしてありますから、繊細な仕事もストレスなくこなせます。

ポイント2:四角いから転がらない

箸が転がって笑ってもいいのは子どもだけ(笑い)。腹ぺこさんたちの食事を用意するお台所ではそうはいきません。まさに戦場です。そんなとき「たかが菜箸、されど菜箸」なのです。

作業の最中にボウルの端においても、四角い箸ならコロコロ転がっていきませんし、適度に蒸気を逃がしたい煮ものでは、菜箸を鍋の両端に渡しかけ、その上から蓋をする……なんて使いかたもできます。菜箸に角がつくだけで、イラッとすることが減る。これは自信をもって言えます(笑)

 

次回は、「ターナー(フライ返し)」をご紹介します。

【使ったのは…】

「スス竹の二点削菜箸(3膳セット)」(自在道具)

長さ:約32cm

価格:3,135円(税込)

http://www.m-cooking.com/

写真/鍋島徳恭


 

松田美智子(まつだ・みちこ)

1955年東京生まれ。女子美術大学卒業後、料理研究家のホルトハウス房子さんに師事、各国の家庭料理や日本料理を学ぶ。1993年から「松田美智子料理教室」を主宰。テーブルコーディネーター、女子美術大学講師、日本雑穀協会理事も務める。使いやすさにこだわったオリジナル調理ブランド「松田美智子の自在道具」も好評。http://www.m-cooking.com/

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