電子レンジの汚れの正体
null電子レンジの使用中に、加熱しすぎて汁物が噴きこぼれたり、食品が飛び散ったりすることがありますよね。
こうした油汚れや食品カスなどを放置して電子レンジを使い続けるのは危険! 日々加熱を繰り返すうちに庫内の汚れが炭化し、発火や発煙につながるおそれがあります。また、深刻な事故には至らずとも、汚れが付着したままでは電子レンジの機能低下を招くことも。
「レシピ通りに使っているのに、食品が十分に温まらない……」「以前よりも加熱力が落ちたような……」という場合、電子レンジ庫内の汚れが原因かもしれません。
電子レンジはできるだけこまめに掃除しましょう。
重曹を使った電子レンジ掃除で用意するもの
null調理に手いっぱいで電子レンジの掃除はついついサボりがち……という人は、この機会に重曹の力を借りて汚れを一掃しましょう!
用意するのは下記の4つだけでOKです。
・重曹・・・小さじ1
・水・・・100ml
・耐熱容器(背が低くて口が広いものがおすすめ)
・布
電子レンジ庫内は食品を扱う場所ですから、強力な洗剤ではなく、自然素材の重曹だけで掃除できるのは安心ですよね。
重曹を使った電子レンジのお掃除方法
nullでは、「重曹を使った掃除“キッチン”編…魚焼きグリルのコゲも排水口のぬめりも重曹でスッキリ!」のおさらいです。電子レンジは下記の3ステップで掃除しましょう。
(1)電子レンジで重曹水溶液を加熱して沸騰させる
耐熱容器に水と重曹を入れてよく溶かし、沸騰するまでレンジで3~5分程度(電子レンジのW数などによって異なります)、加熱しましょう。
(2)庫内を水蒸気で蒸らす
加熱後、すぐにドアを開けちゃダメ! しばらくおいて庫内を水蒸気で蒸らしましょう。電子レンジのドアが白く曇るまで放置します。
(3)ドアを開けて庫内をふく
電子レンジのドアが白く曇ったら、ドアを開けてもOKです。耐熱容器に残った重曹水溶液を布につけて水蒸気ごと庫内の汚れをふき落としましょう。最後に水気を固くしぼった布でふいたら掃除は完了。たったこれだけで庫内の汚れのみならず、においも消すことができるんです!
それでも落ちない頑固な汚れには…
nullあまりにも長らく電子レンジのケアを怠ったままだと、汚れがこびりついて上記の方法を1回やっただけでは対処しきれないことも。その場合、何度も繰り返しやったり、あるいは、重曹の量を増やしたりするのがよいのでしょうか?
「まるで地層のように汚れが何層にも積み重なってしまった場合、蒸気をこもらせる程度では表面の汚れしか落ちない可能性もあります。
その場合、庫内全体を蒸らすよりも、ピンポイントに掃除するほうが効率的です。汚れが気になる部分に重曹ペーストをパックして対処するとよいでしょう」(以下、「」内は岩尾さん)
具体的には、以下の手順で頑固な汚れを撃退します。
(1)重曹ペーストを汚れに塗ってパックする
重曹ペーストは、重曹2、水1の割合で練って作ります。汚れの気になる部分に重曹ペーストを塗り、ラップでパックしてしばらく放置しましょう。どれくらいの時間おくのかは、汚れの程度によりけりですが、早ければ10分で重曹パックの中和・分解作用により、頑固な汚れがゆるんできます。
「ラップをする場合は、せっかくなので10〜30分くらいは置くつもりのほうがよいと思います。ペーストを塗っただけでラップしない場合、中和分解を待たずにすぐ磨き始めると労力の無駄なので、少なくとも塗って1〜2分経てば、汚れは緩み、楽に磨けると思います」
(2)汚れを落とす
重曹パックが汚れにしっかり浸透すれば、スポンジなどで軽くこするだけで、頑固な汚れもスルリと簡単に落ちるでしょう。
(3)酢水で重曹を中和する
仕上げに酢水(酢原液を水で2~3倍に薄めたもの)をスプレーしてふき取り、白い粉が残らないようにしましょう。
重曹スプレーを使った電子レンジの普段のお掃除の方法
null日々の掃除は身体の疲れや不調と同じようなもので、なるべく重症化する前の早い段階でケアするに越したことはありません。
電子レンジのひどい汚れには上記の重曹パックで対処することも可能ですが、できれば、日頃から重曹スプレーでお手入れしておきましょう。
方法はいたってシンプル。電子レンジを使用したあと、濃度約1%の重曹水溶液(水200mlに対し重曹小さじ2分の1程度)を庫内にスプレーし、水気を固く絞った布でふき取るだけです。
なるべくこまめにケアしておけば、汚れを蓄積させずに電子レンジをいつも清潔に保つことができるでしょう。
毎日キッチンで大活躍の電子レンジだからこそ、重曹で適切にケアしたいですよね。軽い汚れは重曹スプレー、頑固な汚れは重曹ペーストをうまく活用しましょう。
【監修】
岩尾明子・・・未来型ナチュラル生活研究家。博士(栄養学)。1998年に始まったインターネットサイト「地球に優しいお掃除」を運営する環境NGOクリーン・プラネット・プロジェクト代表。衣食住における楽で自然な最新の情報をテレビ、雑誌、ネットなど多方面で発信している。
【参考】