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重曹デビューしたくなる!掃除・料理に活躍する「重曹」の使い方・効果の基礎知識

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最近、テレビや雑誌の掃除特集でよく目にする“重曹”。あなたはもう日々の生活にとりいれていますか?天然素材で家中をピカピカにできて……という知識くらいはあっても、どういうものかイマイチよくわからなくて、重曹デビューをためらっている人も多いかもしれませんね。

そこで今回は、未来型ナチュラル生活研究家の岩尾明子さんの監修で、そもそも重曹とはどんなものか、今さら人に聞けないイロハを一挙に解説します。

重曹の作用や基本的な使い方、選び方や注意点までお届けしますので、重曹をこれから使いこなしたい人は必見です!

1:重曹とは何か?

重曹の正式名称は“炭酸水素ナトリウム”です。日本ではかつて、炭酸水素を“重炭酸”、ナトリウムを“曹達(ソーダ)”と呼んでおり、それぞれの頭文字をとったのが“重曹”という名前の由来とのこと。

地球にも人体にも優しい天然素材で、毎日の暮らしのなかで、掃除や洗濯、料理や美容などさまざまな場面で活用することができます。

2:掃除にも料理にも使える!重曹の効果5つ

なぜ重曹は日々の暮らしのなかで、さまざまな用途で使えるのか? ざっくり言うと、重曹には“磨く、落とす、においを消す、浮かす、なじませる”と一石五鳥の働きがあるのです。

それぞれどのような作用なのか、以下で解説します。

(1)研磨作用:磨く

重曹の細かい粒子は、研磨剤として働きます。しかも、重曹の粒は塩よりも柔らかく、研磨力がおだやかなため、多くの場合、素材の表面を傷つけずに、汚れだけを分解して取り除くことが可能。

たとえば、テフロン加工のフライパンの焦げ付き汚れなども、重曹を活用すれば、テフロン加工を傷つけずに落とすことができます。

(2)中和作用:落とす

重曹は、水に溶けると弱アルカリ性に安定し、酸を中和する作用があります。私たちの身のまわりにある汚れの多くは、酸性の物質でできていますが、重曹はそれを中和して水溶性……つまり水でサラッと流せる状態に変えてくれるのです。

たとえば、ねっとり油汚れのついた換気扇も、重曹を活用すれば、力を入れなくても楽々きれいにすることが可能!

また、酸を中和するだけでなく、強いアルカリ性を弱アルカリ性にする緩衝作用も。つまり、酸性、アルカリ性どちらに対しても、おだやかにしようとする働きがあります。

(3)消臭・吸湿作用:においを消す

重曹には悪臭を化学的に消す作用もあります。他の香りで悪臭をカバーするのではなく、悪臭成分そのものを中和分解し、においを元から消してくれるのです。特に、生ごみや、料理や焼き肉などの油、人間の皮脂など酸性のにおいに効果的。

また、重曹は吸湿性にもすぐれているので、クローゼットや下駄箱など、においや湿気がこもりがちなスペースに、重曹を詰めた袋を入れておけば、消臭・カビ予防に役立ちます。

(4)発泡・膨張作用:浮かす

重曹は、酸性の物質と反応したり、熱を加えたりすると、炭酸ガス(二酸化炭素)の細かい泡を発生させます。

この性質は、ケーキのふくらし粉としても活用されますが、掃除や洗濯でも有効。気泡がはじけて、ミクロの超音波が発生することにより、手の届きにくいところや細かい部分の汚れが浮き上がり、落ちやすくなるのです。

(5)軟水化作用:なじませる

重曹は、水の中にある金属イオン(カルシウムやマグネシウムなど)をゆっくり封じて、水の硬度を下げる働きがあります。硬度の低い軟水は、油脂などの汚れに対し、乳化による高い洗浄力を発揮してくれるので、重曹を溶かした水は掃除や洗濯にうってつけです。

また、重曹は水に溶けると油となじみやすくなる性質もあり、水と油の仲介役として、天然の界面活性剤のような役割も果たしてくれます。

さらに、重曹の軟水化作用は、料理の面でも大活躍。食用の重曹をほんの少し溶かした軟水は、出汁をとったり、野菜のアク抜きをしたりするのに適しています。

3:重曹の基本的な使い方4つ

では、上記のような作用をもつ重曹をどのように使いこなせばいいのか、基本的な使い方4つを見ていきましょう。

(1)重曹粉

重曹を粉のまま使うというもっともシンプルな方法です。水を使えない場所の掃除や、濡らせないもののドライクリーニングに適しています。

消臭に使う場合は、においの気になる場所に直接振りかけるか、あるいは、フタのない容器や通気性のある袋に入れておいておきましょう。

汚れを落とすには、直接振りかけてしばらくおき、なじませてから落とします。たとえば、カーペットには重曹を振りかけて一晩おき、翌日、掃除機をかければ、汚れとにおいを両方除去することが可能!

(2)重曹水溶液

重曹は水に溶かしたほうが汚れと結びつきやすく、洗浄力もアップするので、濡れてもよい場所や物ならば、粉のままより水溶液のほうがおすすめです。

水200mlに重曹大さじ1(約12g)を加えて、ふき掃除やつけおき洗いに活用します。

(3)重曹スプレー

重曹水溶液をスプレー容器に入れて常備しておくと、手軽に使えてとっさのときにも便利です。

水溶液の濃度が濃いと、スプレーの噴射口の目詰まりの原因にもなるので、スプレー容器に入れて使う場合は、水200mlに重曹小さじ1(約4g)程度が適しています。

(4)重曹ペースト

重曹に水を加えてペースト状にして使う方法です。しつこい汚れや液だれしやすい壁面の掃除におすすめです。

重曹と水の基本の割合は“重曹:水=2:1”。たとえば、重曹大さじ2には、水大さじ1を加えて練り混ぜましょう。

気になる場所に塗って、こすったり磨いたりすれば、汚れがきれいに落ちます。汚れがひどい場合は、重曹ペーストをラップでパックして、しばらくおいてからこするとよいでしょう。

4:重曹の選び方、使い方の注意点5つ

人体にも環境にも優しく、日常生活のさまざまなシーンで活躍してくれる重曹ですが、正しく使いこなしてそのメリットを最大限に引き出すためには、以下のポイントに注意しましょう。

(1)重曹は食用以上のグレードがおすすめ

重曹には、薬用、食用、工業用の3つのグレードがあります。もっとも品質基準が厳しく値段も高いのが薬用で、それに次ぐのが食用です。もっとも品質の低い工業用は、掃除専用として販売されていますが、口にすることはできません。

工業用は、ボディケアや料理には使わず、掃除に限って使うなど、用途に合わせて使い分けてもいいのですが、生活全般でひとつの重曹を使い回すのであれば、食用グレードが安全で経済的です。

たとえ掃除に使っていても、うっかり吸い込んだり子どもやペットが口にしたりする懸念もあるので、できれば食用以上のグレードを選ぶようにしましょう。

なお、ときどき勘違いする人がいるようですが、重曹とベーキングパウダーは別物です。

前述のように重曹は発泡・膨張作用があり、ふくらし粉として使われることもありますが、ベーキングパウダーはその作用を強めるために、重曹に酸性の性質の粉を加え混ぜています。ベーキングパウダーでは重曹の代用はできないので注意しましょう。

(2)重曹に向かない素材もある

重曹はどんな素材にも幅広く使えますが、デリケートな真珠製品、クリスタル製品や漆器などへの使用は念のため控えたほうが無難でしょう。

また、古いアルミ製品が重曹に触れると、黒ずみになることも。うっかり黒ずんでしまった場合は、酢を振りかけたりパックしたりすることできれいにすることができます。

さらに、畳もイグサが変色するおそれがあるので、重曹には不向き。畳のお手入れは、かたくしぼった酢水をつけた布で拭くのがおすすめです。

(3)重曹水溶液の濃度は2~3%で十分

重曹水溶液は、濃度8%で飽和状態になります。つまり、100mlの水に8g以上の重曹を入れても溶け切らず無駄になるだけです。

重曹水溶液の濃度は、汚れがひどい場合には6%程度。普段使いの重曹スプレーでは2~3%で十分でしょう。

(4)他の天然素材と組み合わせるとより効果アップ

重曹は単体でも高い洗浄力を発揮してくれますが、汚れがひどい場合は、他の自然素材を組み合わせることで、より効果を高めることができます。

たとえば、“重曹+酢”は強力な発泡作用で排水口のぬめりの除去にもってこい。また、重曹だけでは汚れが落ちにくい場合には、石けんを組み合わせるといいでしょう。

(5)重曹は湿気を避けて冷暗所で保管する

重曹は湿気に弱く、水分を含むと固まったり性質が変化したりするおそれがあります。また、温度の影響も受けるので、重曹は密封容器に入れて、風通しのよく乾燥した冷暗所で保管しましょう。

 

以上、重曹とは何か、重曹の基礎知識を一挙におさらいしましたがいかがでしたか? 次回からはより具体的な重曹の使い方について解説していきます。乞うご期待!

 


【監修】

岩尾明子・・・未来型ナチュラル生活研究家。博士(栄養学)。1998年に始まったインターネットサイト「地球に優しいお掃除」を運営する環境NGOクリーン・プラネット・プロジェクト代表。衣食住における楽で自然な最新の情報をテレビ、雑誌、ネットなど多方面で発信している。

 

【参考】

岩尾明子(2018)『重曹、お酢、クエン酸の使いこなしバイブル』(主婦の友社)

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